プレゼンにアニメーションは不要⁉メリット・デメリットや設定時の注意点を紹介

ビジネスプレゼンテーションにおいて、アニメーション機能を使うべきかについては賛否両論あります。過剰な演出は資料の印象を損ねる一方で、適切にアニメーションを使えば説得力を高める効果もあるでしょう。
しかし、多くのビジネスパーソンはアニメーションの効果的な活用法を十分に理解できていないのも実情といえます。
そこで本記事では、プレゼンテーションにおけるアニメーションの功罪を整理し、効果的な活用方法と注意点を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
・プレゼンにアニメーションが不要といわれる理由・デメリット
1. 聞き手の気が散る
2. 内容が先読みしにくくなる
3. 手間がかかる
・デメリットだけではない!プレゼンにアニメーションを用いるメリット
1. 強調箇所の印象を強められる
2. コンテンツの表示タイミングを話す内容にリンクさせられる
3. 図解の流れがわかりやすくなる
・プレゼンスライドにアニメーションを設定する方法
1. パワーポイント
2. Canva
・プレゼンにアニメーションを設定する際の注意点
1. ビジネス用途においてアニメーションは必要最小限に抑える
2. 地味な効果を選ぶ
3. 最適な再生時間に調整する
・プレゼン資料にアニメーションを付ける際はポイントを絞ろう
プレゼンにアニメーションが不要といわれる理由・デメリット
ここでは、プレゼンスライドにアニメーションはいらないといわれる根拠を紹介します。
- 1. 聞き手の気が散る
- 2. 内容が先読みしにくくなる
- 3. スライドの作成に手間がかかる
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 聞き手の気が散る
「アニメーションは不要」といわれる理由のひとつに、過剰なアニメーションは集中力を妨げる大きな要因になることが挙げられます。
アニメーションを多用することは、むしろ聴衆にストレスを与え、重要なメッセージの伝達を妨げることになりかねません。とくに、派手な演出は不適切な印象を与え、信頼感を損なう恐れがあります。
そのため、あくまでも内容を効果的に伝えるための補助的な手段としてアニメーションを活用することが大切です。
2. 内容が先読みしにくくなる
アニメーションによって情報が順次表示されるスライドの場合、内容を先読みしにくくなるというデメリットがあるでしょう。
人間は、視覚情報を聴覚情報よりも速く処理する特性があるため、スライドの内容を先読みすることでプレゼンの内容を自発的に理解してもらえます。
しかし、アニメーションによって表示されていない部分があると展開を予測できないため、聞き手に負担を与えてしまいます。

複雑な内容や重要な意思決定を伴うビジネスプレゼンでは、アニメーションを使う箇所を吟味する必要があるでしょう。
3. 手間がかかる
アニメーションの設定と調整には想定以上の時間と労力が必要となり、内容の改善に充てるべき時間を奪われてしまいます。
とくに、複数のアニメーションを使用する場合、タイミングを設定したりや統一感を出したりするための調整に多大な時間が必要です。
アニメーションを多用することは、修正や更新作業の煩雑化につながるため、避けたほうがよいといえます。
デメリットだけではない!プレゼンにアニメーションを用いるメリット
プレゼンのアニメーションを使うことは、デメリットだけではありません。正しく活用することで大きなメリットを得られます。ここでは、アニメーションを使うメリットを解説します。
- 1. 強調箇所の印象を強められる
- 2. コンテンツの表示タイミングを話す内容にリンクさせられる
- 3. 図解の流れがわかりやすくなる
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 強調箇所の印象を強められる
アニメーションを使用することで、目立たせたい箇所を強調できます。
通常、パワーポイント資料では、フォントを太字にしたり色を変化させることによって注目してほしいオブジェクトを強調します。そこに、アニメーションで動きを加えることによって、伝えたい部分の印象をより一層強くできるでしょう。
とくに、重要な数値やキーワードにアニメーションを設定すれば、効果的に視線を誘導できます。
2. コンテンツの表示タイミングを話す内容にリンクさせられる
アニメーションを効果的に使えば、口頭説明(音声情報)とスライド内のコンテンツ(視覚情報)を表示するタイミングを連動させられます。音声情報と視覚情報を連動させることで説明がわかりやすくなるでしょう。
また、スライドで話の展開や答えを知ってしまうと、今話している内容から聞き手の関心が薄れる可能性があります。そこで、話すタイミングとスライドに表示する内容を合わせることで、聞き手の関心と集中力を高める効果が期待できます。
たとえばQ&A形式のスライドでは、始めは回答を伏せたまま質問だけを表示し、話の流れに合わせて回答を表示すると、聞き手が質問を自分で考える時間ができるでしょう。自分で考えた後に答えを知ることで、より一層内容の理解が深まります。
このように、アニメーションを使って音声と視覚情報を連動させれば、聴衆の関心を引き出し、内容の理解を効果的に促せるでしょう。
3. 図解の流れがわかりやすくなる
フローチャートなど流れのある図解を作成する際にも、アニメーションが効果を発揮します。
フローチャートの情報が多い場合や複雑な場合、スライド一枚あたりの情報量が多いため、聞き手は内容を理解するのに時間がかかることがあります。
そこで、フローチャート内の図や文字列などを口頭説明に合わせて順番に表示すると、聞き手はフローチャートのどの部分を見れば良いのかがすぐに理解できます。その結果、話の流れを掴みやすくなるでしょう。
プレゼンスライドにアニメーションを設定する方法
ここでは、プレゼンスライドにアニメーションを設定する方法を解説します。紹介するのは、以下のツールです。
- 1. パワーポイント
- 2. Canva
なお、弊社ストリームラインではビジネス資料の作成をワンストップで代行する「バーチャルプランナー」を提供しています。資料作成でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
1. パワーポイント
まず、パワーポイントでアニメーションを設定する方法を紹介します。

①アニメーションを設定したい要素を選択し、「アニメーション」タブをクリックします。
②アニメーションウィンドウも開いておきます。

③アニメーションの一覧から基本的な効果(フェード・フライイン・ワイプなど)を選びましょう。

④開始のタイミングを「クリック時」「直前の動作と同時」「直前の動作の後」から選択します。
以上で、オブジェクトにアニメーションを設定できました。
なお、パワーポイントのアニメーション機能については、以下の記事も参考にしてみてください。
▶関連記事
【保存版】パワーポイントのアニメーションの作り方!おしゃれに魅せるコツも紹介
2. Canva
次に、Canvaを用いたアニメーションの設定方法を紹介します。

①まず、アニメーションを付けたい素材を選択し、ツールバーの「アニメート」をクリックします。

②次に、表示されるメニューから好みのアニメーションを選択しましょう。

③ページ上のすべての要素にアニメーションを反映させたい場合は「全体」、オブジェクトごとに設定したい場合は「ページ」を選択します。

なお、Canvaではそれぞれの要素にマウスオーバーすると即座にプレビューが表示されます。
④最後に、アニメーション効果の適用タイミングを「両方」「開始時」「終了時」から選択すれば、アニメーションの設定は完了です。

タイミングもマウスオーバーでプレビューを確認できます。
なお、アニメーションの速度や向きなどを設定する際は、プレミアムプラン(年間11,800円)限定である点だけ押さえておきましょう。
プレゼンにアニメーションを設定する際の注意点
最後に、アニメーションを設定する際の注意点を3つ紹介します。
- 1. ビジネス用途においてアニメーションは必要最小限に抑える
- 2. 地味な効果を選ぶ
- 3. 最適な再生時間に調整する
アニメーションは使い方によっては、内容がわかりにくくなることがあるので、注意点を押さえたうえで上手に活用しましょう。
1. ビジネス用途においてアニメーションは必要最小限に抑える
まず、ビジネス用途のパワーポイント資料では、アニメーションを使わないことを標準としましょう。
アニメーションを効果的に使う方法はあるものの、アニメーションのマイナス面にも配慮することが重要です。アニメーションは読み手の注意を引く力が強いため、プレゼンの内容に対する集中を妨げる側面があります。
また、プレゼンの途中でスライドショーのままページを戻さなくてはならないときに、アニメーションは非常に邪魔になります。さらに、コスト意識の高い経営層へのプレゼン時は要注意です。
アニメーションに価値を認めてもらえなければ、無用なことに時間を費やしているというネガティブな評価にもつながりかねません。
通常のプレゼンでは、スライド切り替え時の効果やオブジェクト単位の細かい動きは必要ありません。アニメーションは、読み手の理解を引き出すために有効な場面にのみ使いましょう。
2. 地味な効果を選ぶ
アニメーションの効果は、なるべく地味で目立たないものを選択することが大切です。
派手な効果や複雑な効果は、読み手の集中を妨害するばかりか、浅はかな印象を与えかねません。標準的に使用する効果として、動きが自然で気になりにくいフェードをおすすめしています。

また、矢印等の流れを強調したい場合はワイプを用いることをおすすめします。

その他の効果は、使わなくても問題ありません。
なお、同じ意味合いで使用する効果は統一することも意識しましょう。一貫性を持たせることで、聞き手の気が散ることを防ぐ効果が期待できます。
3. 最適な再生時間に調整する
アニメーションを設定した際には、読み手の快適さを意識して再生時間を調整しましょう。
プレビューで確認しながら、アニメーションの継続時間を調整し、違和感のない時間に設定してください。

アニメーションは、プレゼンの流れを邪魔しないよう、速めに調整することがポイントです。
プレゼン資料にアニメーションを付ける際はポイントを絞ろう
アニメーションは、適切に使用すれば資料の説得力を高める強力なツールです。スライドでアニメーションを使うときに心がけるべきことは、使う箇所を最小限に絞り、伝えたいメッセージを効果的に強調することが挙げられます。
ただし、効率性や生産性が求められる現場では、アニメーションは使わずに内容をブラッシュアップすることに注力しましょう。
なお、弊社ストリームラインではビジネス資料の作成をワンストップで代行する「バーチャルプランナー」を提供しています。資料作成でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。