【無料・オリジナル】パワポのテンプレート 作成&活用の3ステップ(ビジネス向けシンプルデザイン)
無料で使える既存のテンプレートとオリジナルでの作成、どちらのテンプレートがビジネス用途に適しているでしょうか?基本のテンプレートの作り方や、資料作成が効率化する上手な活用方法を紹介します。
パワーポイントの無料で使えるテンプレート(テーマ)は使用して良い?
パワーポイントにはいくつかのデザインテンプレートが用意されています。これらの既存テンプレートはプレゼンテーションに使用して良いものでしょうか?結論から言うと、パワーポイントの既存テンプレートの使用は避け、オリジナルのテンプレートを作成することがおすすめです。
既存テンプレートを使用しても、読み手に好印象を与えることが少ないからです。既存テンプレートには派手なデザインが多いですが、必要以上に派手なデザインはチープな印象を与えてしまいます。
その上、既存のテンプレートで作成していることが読み手に伝わると、工夫やオリジナリティーが無いと思われるかもしれません。
また、既存テンプレートには制作時に制約が生まれるという問題もあります。
たとえば、こちらのテンプレートは装飾の占める割合が大きく、自由に使えるスペースが少ないです。
こちらのように背景の色が設定されているテンプレートでは、配置するオブジェクトやテキストの色を見やすいものにしなければならないため、色選びの自由度が下がります。
以上のような理由から、既存テンプレートではなくオリジナルのテンプレートを作成することを推奨します。
パワーポイントでオリジナルテンプレートを作る際に意識したいポイント
オリジナルテンプレート作りの基本原則は、「なるべくシンプルにする」ことです。過度な装飾は抑えて、シンプルなデザインを心がけましょう。
パワーポイント資料のデザインで最も重視するべき点は、華美な装飾を施すことでなく、読み手に内容をわかりやすく伝えることです。加えて、さまざまな用途に対応できる汎用性の高さも重要です。
このように伝わりやすさと汎用性の観点から、シンプルなデザインのテンプレートを作るのが良いでしょう。
パワーポイントでのオリジナルテンプレートを作成して上手に活用する方法
①スライドマスターを利用して汎用的なテンプレートを作成する
オリジナルテンプレートを作成するには、スライドマスターを利用します。
「表示」タブから「スライドマスター」の順でクリックすると、パワーポイントの標準画面から、スライドマスター画面に切り替わります。
「スライド左側にあるスライドサムネイルリストの一番上が、スライドマスターです。このスライドマスター上で行った変更は適用している全スライドに反映されます。
その下にぶらさがっているのがレイアウトマスターです。レイアウトマスターで行われた変更も、適用している全スライドに反映されます。
また、スライドマスターの設定は、スライドマスターが包含しているすべてのレイアウトマスターに反映されます。
これらを活用して表紙、本編、また必要であれば中扉のテンプレートを作成することで、作業を効率化するとともにデザインに統一感を出すことができます。
表紙、中扉、本編のスライドを共通で使用することはほとんどないので、オリジナルのテンプレートを作成する際には、スライドマスターではなくレイアウトマスターを活用するのがおすすめです。
ここからは、本編用のテンプレートの作成方法に焦点をあてて解説していきます。
オリジナルテンプレートを作成する際は、既存のレイアウトマスターを削除し、新規のマスターで作成してください。
なお、スライドマスターでフォントなど共通の設定を行っておくと、その後の編集がスムーズになります。
「スライドマスター」タブから「フォント」→「フォントのカスタマイズ」の順に選択します。
「新しいテーマのフォントパターンの作成」というダイアログが開きます。「英数字用のフォント」「日本語文字用のフォント」のそれぞれに、任意のフォントを設定します。
英数字用にSegoe UI、日本語用にメイリオを選択しています。どちらも見やすく、おすすめのフォントです。
ヘッダーの設定
本編スライドのヘッダー部分について、タイトルの設定や会社のロゴの挿入方法をご紹介します。
スライドタイトルを設置する方法
まず、スライドタイトル用のテキストボックスをスライドの上部に配置しましょう。
「挿入」タブの「テキストボックス」→「横書きテキストボックスの描画」をクリックすると、カーソルが変化するのでドラッグしてテキストボックスを作成します。
サイズの変更などを行いましょう。
サイズを24pt、太字の設定を行いました。
スライドタイトルには、それがタイトルであることがすぐに分かるように、下線や帯などの装飾を配置するとよいでしょう。
ここでは下線を追加しました。
装飾パーツには資料全体のテーマカラーを使用し、統一感を出します。ビジネスシーンの場合は、自社もしくは読み手の組織のコーポレートカラーを使用することが多いです。
会社ロゴを挿入する方法
全スライドのヘッダーに会社のロゴや社外秘マークなどを入れたい場合は、下記の方法で対応します。
まず「挿入」タブの「画像」→「このデバイス」の順にクリックするとファイル選択画面になるので、ロゴ画像を本論用スライドマスターに挿入します。一般的な画像ファイルと同様に、ドラッグアンドドロップやコピーペーストの方法でも挿入可能です。
ロゴ画像が挿入されました。
最後に挿入したロゴの位置や、サイズの調整をします。ロゴの位置は、タイトルと重ならないように右上かフッターに配置するのが良いでしょう。
これで、本編レイアウトを使用した全スライドに会社ロゴが挿入されるようになります。標準画面で編集はできないので、誤って削除してしまこうこともありません。
フッターの設定
フッターの設定とページ番号の設定方法をご紹介します。
スライドのフッター部分には、ページ番号を入れるのが一般的です。
ページ番号を挿入する方法は2通りあります。
1つは、スライドマスターのレイアウトから設定する方法です。
スライドマスターを選択した状態で、「スライドマスター」タブの「マスターのレイアウト」をクリックすると、ダイアログボックスが開きます。
「スライド番号」にチェックを入れ、最後に「OK」をクリックします。
本編用のレイアウトマスターを選択し、「フッター」にチェックを入れるとスライド番号が表示されます。
スライド番号が表示されたら、表示位置や文字の色を調整します。スライド番号は右下に配置しましょう。
なお、この方法で挿入したスライド番号は標準編集画面からでも編集可能です。誤って削除してしまうことを避けるためにも、以下の2つ目の方法での設定をおすすめします。
本編用レイアウトマスターを選択し、「挿入」タブ→「テキストボックス」でテキストボックスを挿入します。
テキストボックスをダブルクリックして入力カーソルが出た状態で、「挿入」タブの「テキスト」グループ「スライド番号の挿入」をクリックします。
位置やフォントを編集すれば完了です。この方法で挿入したページ番号は、標準編集画面では編集できません。
フッター部分に帯などの装飾を入れるする場合は、ヘッダーのテーマカラーと統一するか、グレーなどの無彩色を使用するとよいでしょう。
ところで、多くの著作物と同様にパワーポイント資料にも著作権があります。自作したスライドの無断利用を抑止するためにも、フッターにコピーライトを明記しておくことをおすすめします。
コピーライトは次のように表示するのが一般的です。
Copyright © (作成年の西暦)(作成者の氏名) All Rights Reserved.
スペースが足りない場合は、次のように省略しても差し支えありません。
© (作成年の西暦)(作成者の氏名)
コピーライト表記を反映した例です。
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②作成したテンプレートを保存する
作成したオリジナルテンプレートを保存する方法をご紹介します。オリジナルテンプレートを保存しておけば、資料作成時に何度も同じテンプレートを使えるので、作業が効率的になります。さらに保存したテンプレートを社内用など他の人と共有することもできるので、便利です。
テンプレートを保存するためにはまず、「ファイル」タブ→「名前を付けて保存」をクリックし、保存場所を指定します。ファイルの種類を指定するボックスの一覧から「PowerPointテンプレート(*.potx)」を選択します。わかりやすい名前をつけて保存しょう。
.potx形式で保存することで、新規のファイルでプレゼンテーションを作成し、上書き保存を行っても、テンプレートが上書きされることはありません。
③保存したテンプレートを開く
保存したテンプレートを使って新しいパワーポイント資料を作成する方法です。
まず、「ファイル」タブ→「新規」をクリックし、「ユーザー設定」(パワーポイントのバージョンによっては、「個人用」「カスタム」など)をクリックし、開きたいテンプレートをダブルクリックします。これによって、オリジナルテンプレートが新しいスライドに反映されます。
あるいは、エクスプローラーから拡張子が.potもしくは.potxのテンプレートファイルを直接ダブルクリックすることによっても、テンプレートを開くことができます。
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