学会発表資料の作り方について解説!大学院生や研究者は必見!

研究者が最新の研究成果を報告しあう学会発表。その資料を分かりやすく作るためのコツはあるのでしょうか?この記事では主に、パワーポイントを用いた学会発表資料の作り方について、そのコツを解説します。学会で口頭発表を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

分かりやすい学会発表資料を作るには?

学会発表資料には、ワード形式のハンドアウトやポスター、プレゼンテーション用のスライドなど、さまざまな種類があります。今回は主に、パワーポイントを使った口頭発表向けの学会発表資料の作り方に焦点をあてて解説します。

まず構成を検討する

分かりやすい学会発表を作るためには、発表全体の流れを検討してから、スライド作成に着手することが重要です。全体の構成を考えずに行き当たりばったりでスライドを作っていくと、話の展開が不自然になったり、場合によっては途中で論理の整合性が取れなくなり、大幅な修正が必要になる場合もあります。

したがって、学会発表資料を作る際には、まず全体の構成を検討し、その上で各ページの役割や盛り込むべき内容を検討していくことをおすすめします。 

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1スライド1メッセージの原則を守る

学会発表資料に限ったことではありませんが、スライドで主張したい内容は1文にまとめ、1スライド1メッセージになるように内容を絞りましょう。この原則を意識することによって、情報量が必要十分でわかりやすい資料になります。

資料を作成しているうちに、1スライドの中で伝えたい内容が膨らむ場合もあると思います。その場合には1スライド内に無理に詰め込もうとせず、スライドを分割することも検討しましょう。

聞き手の知識レベルを把握しておく

学会発表資料はその性質上、専門用語を使う頻度が比較的高いという特徴があります。専門用語を使う場合に注意しなければならないことは、聞き手の知識レベルです。たとえば、自分が発表するセッションのテーマによっては、専門外の人も多く聞きに来る可能性もあります。

したがって、聞き手の専門性を考慮した上で、聞き手の知識レベルにあった説明をすることが重要です。聞き手の知識が浅いことが予測される場合には、用語の説明を厚くすることで、発表内容の伝わりやすさが格段に向上します。

学会発表資料の構成例

ここでは、学会発表資料の一般的な構成例について解説します。

研究背景

「研究背景」のパートでは、

 ・すでに明らかにされていること
 ・まだ明らかになっていないこと
 ・(もしあれば)先行研究における課題

この3点について分かりやすく伝えましょう。たとえば、前提となる理論枠組み、関連する先行研究、未解決の課題などについて言及するとよいでしょう。

研究目的

「研究目的」のパートでは、「研究の背景」で示した課題を解決することにどのような意義があるのかを記載します。そして、自分の発表では何をどこまで明らかにするのかについても説明を加えます。研究分野によっては、自分自身の仮説やモデルに基づく研究の必要性を示すとよいでしょう。

研究方法

「研究方法」のパートでは、「研究の目的」をどのように達成するのか、その具体的な方法を記載します。
「研究方法」では背景や目的と違い、研究の独自性や実際におこなった手順を具体的に記述します。たとえば調査や実験などを伴う研究では、分析対象の数や条件、分析手順などについて、発表時間が許す範囲で詳しく記載することが推奨されます。

研究結果

「研究結果」のパートでは、研究から得られた結果、つまりデータを提示します。データの種類は研究分野によってさまざまだと思いますが、図表やグラフ、録音音声、シミュレーション動画など、データの性質に合った表現方法を駆使して、聞き手に分かりやすく伝えましょう。

考察

「考察」のパートでは、研究結果から何が言えるのかを記載します。たとえば、仮説を持って調査や実験をしたのであれば、研究の結果から自分の仮説が支持されるのか、棄却されるのかを説明します。

結論

「結論」のパートでは、今回の研究で明らかになったことを要約し、自分の主張や提案を記載します。さらに、今回の研究の限界点や、今後の研究に向けた課題についても触れると、客観性と説得力がさらに増すでしょう。

構成作成時のポイント

ここでは、実際に学会発表資料を作成する際の構成のコツについて解説します。

背景や目的、研究方法のパートでは徐々に抽象度を下げて具体化していく

「背景」「目的」のパートでは、研究分野の全体像を共有することからはじめましょう。
たとえば、「研究分野の課題」→「課題解決のためテーマ設定」→「自身で行った研究方法」というように、話が進むにつれて徐々に抽象度を下げて、具体化していきます。

このように、全体像を掴んだ上で、少しずつテーマの範囲を狭め抽象度を下げていくことを意識すると、聞き手は構造を整理しやすく、話の流れを理解しやすくなります。

結果や考察パートでは抽象度を上げていく

「結果」「考察」のパートでは、まずは話の結論から述べましょう。結論を最初に述べることで、聞き手と話のゴールを共有しておくことができます。
冒頭で結論を述べたら、次は「研究結果」などの具体的な話をしましょう。その後に「補足情報」「今後の展望、課題」など、より抽象度の高い情報を提示してストーリーを広げていきます。

このように、具体性の高い情報から徐々に抽象度を上げていくことを意識すると、論理の飛躍を防ぎ、聞き手にとって無理なく理解できる構成になります。

学会発表資料を見やすくするためのポイント

ここでは、見やすい学会発表資料を作るためのデザインのポイントについて解説します。

1. 見やすいフォントに統一する

フォントの種類は視認性、可読性、判読性に優れたものに統一しておきましょう。和文フォントのおすすめはメイリオ、欧文フォントのおすすめはSegoe UIです。
これらのフォントは、縦横の線の太さが均一であるという特徴があります。したがって、プレゼンテーションなど、資料を遠くから見る場合でも、見やすさを保てます。

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2. 色は3色を目安に抑える

学会発表資料で使うフォントの色は、3色程度に抑えましょう。色数が多いと、どの情報が重要なのかがわかりづらくなるためです。
色数を抑えるためには、資料全体で基本色を1色に統一し、強調箇所にアクセントカラーを入れるのが効果的です。

また、資料の配色を決める際には、色覚異常の人にも区別しやすい「ユニバーサルカラー」を選びましょう。色覚異常とは、先天的もしくは後天的な理由によって特定の色を認識できなかったり、色のコントラストがわかりにくくなるという障害のことです。

NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構のウェブサイトでは、色覚異常の人にも区別しやすいパワーポイントの配色パレットが公開されていますので、参考にしてみてください。
http://www2.cudo.jp/wp/?p=4966

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伝わりやすいパワーポイントの色使いのポイントを解説!

3. オブジェクトの位置は厳密に揃える

文字列や図表などのオブジェクトの位置は、見えない線で区切られているかのように厳密に位置を揃えましょう。オブジェクトの位置を揃えることによって、資料全体が引き締まります。

また学会発表資料は、グラフでデータを示すことがあります。せっかく素晴らしいデータを提示してもグラフの大きさや位置が揃っていなかったりすると、情報が正確に読み取りにくくなるので、注意が必要です。

パワーポイントで作成する場合には、配置機能の「整列」を使用することでも厳密に揃えることが可能です。あるいは、動かしたいオブジェクトをドラッグすると、近隣のオブジェクトと位置を揃えるための線が表示されるので、それを参考に揃えることもできます。

オブジェクトの位置を揃える方法は下記の記事で詳細に紹介しています。

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4. フォントサイズはコントラストを意識する

フォントサイズの大小で情報の階層を表すと、伝わりやすい資料になります。階層が高い情報(例: タイトルなど)のフォントサイズは、階層が低い情報(本文など)よりも大きいサイズを設定するのが一般的です。

より具体的には、タイトル・見出し・本文などの情報階層を2、3種類程度のフォントサイズを使い分けることで表現するとよいでしょう。
このように、学会発表資料で使うフォントサイズは情報階層のコントラストを意識して選ぶことがポイントです。

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資料とは別に発表用原稿も用意する

学会発表時には、聞き手に提示する資料とは別に、発表用原稿(要点メモ)を用意することをおすすめします。
学会発表は、自分より経験や知識が豊富な教授なども多数聞きに来ます。また国際学会などでは、海外の研究者を前に英語で発表することもあるでしょう。何かとプレッシャーのかかることが多い学会発表では、緊張のあまり頭が真っ白になることもあります。

そんな時、発表用の原稿があれば、緊張で話す内容を思い出せないという事態を回避することができます。聞き手に見せるスライドとは別に、発表用原稿(要点メモ)を用意しておくと安心です。

原稿は要点のみを箇条書きにする

発表用原稿は、箇条書きのシンプルなもので構いません。原稿は、一字一句決めて丸暗記するのではなく、話す内容の要点だけを順番にメモしておき、細かい表現はその場で調整しながら話すことをおすすめします。

「要点メモ」の形式で原稿を用意することによって、

・準備の過程で、資料の不備や論理構成の誤りを見つけやすい
・当日の時間の有無に応じて話を付け加えたり短縮するなど、臨機応変な対応がしやすくなる
・聞き手に原稿を「読んでいる」と思われにくい

このようなメリットがあります。

資料に入らなかった情報を原稿に盛り込む

補足的な情報はスライドではなく発表用原稿に盛り込んでおき、口頭で触れるようにするとよいでしょう。細かな補足情報までスライドにすべて盛り込むとスライド内の情報が過多となり、論旨が伝わりにくくなるためです。
このように、発表用の「要点メモ」には、スライドに入らなかった情報を入れておくとよいでしょう。

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