文章推敲のチェックポイント【作成編④】表記ゆれを防ぐ3つの方法

今回は、文章を推敲する際のチェックポイントのご紹介です。自分の文章ならまだしも、他人の文章を推敲する作業は時間を要します。文章推敲を行う際には、正確性やスピードの向上を図るために、あらかじめチェックポイントを明確にしておくことをおすすめします。
今回は「表記ゆれ」のチェックポイントです。
今回も、前回(文章推敲のチェックポイント【作成編③】表現を正しくする3つの視点)に引き続き文章推敲のチェックポイントのご紹介です。
第4弾は「表記ゆれ」です。
「表記ゆれ」とは、同じ意味の語句が2通り以上の文字表記にばらつくことを言います。
Wordには表記ゆれが起きている語句に自動で下線が付き、注意が促される機能がありますが、パワーポイントにはありません。
パワーポイント資料は、残念ながら人の目でチェックしていくしかありません。
1.同じ意味の場合に同じ言葉に統一しているか
以下はよくある表記ゆれの例です。
・「サーバー」「サーバ」
・「御社」「貴社」
・「2019年」「平成31年」
・「か月」「ヵ月」「ヶ月」
表記ゆれが目立つと、資料そのものの品位が問われます。
1つの資料内では、同じ意味の語句の表記を必ず揃えるようにしてください。また、表記ゆれが発生しないよう、日頃から使用する言葉を統一することも重要です。
なお、表記ゆれの解消には「置換」機能が便利です。
ただし、対象外の語句も変換してしまうことがありますので、注意してください。
2.漢字とかなの使い分けを統一しているか
1つの資料内で、同じ語句が漢字表記であったり、かな表記であったり、漢字とかなが混在していることが多々あります。
資料内での統一を図るとともに、語句ごとの使い分けルールを定めていくことが有効です。
以下に一般的なルールをご紹介します。
本来の意味から離れた漢字は、原則かなにしてください。
漢字とひらがなを使い分ける言葉
・言う/いう
逆に言うと・言うまでもなく/そういえば・どちらかというと
・所/ところ
近い所・所構わず/今のところ・帰ってきたところ
・行く/いく
学校へ行く/うまくいく・変えていく
・見る/みる
現地を見る/言ってみる・仕事してみる
・物/もの
物を捨てる/早いもので・たいしたものだ
・事/こと
事細かに・大変な事が起きる/帰ることにする・そんなことはない
・来る/くる
スタッフが来る/見学してくる・雑草が生えてくる
・通り/とおり
家の前の通り/そのとおり
・欲しい/ほしい
子供が愛情を欲しているということを知ってほしい
原則漢字を避ける言葉
・助動詞の「下さい」→「ください」
・補助動詞の「頂く」「致す」→「いただく」「いたす」
・「殆ど」「僅か」「全て」→「わずか」「ほとんど」「すべて」
・「何時」「何処」「何故」→「いつ」「どこ」「なぜ」
・「等」「毎」→「ごと」「など」
・「有る」「有り」「無い」「無し」→「ある」「あり」「ない」「なし」
・「又」「且つ」「更に」「但し」「故に」「及び」→「また」「かつ」「さらに」「ただし」「ゆえに」「および」
・「出来る」「分かる」→「できる」「わかる」
・「一月一日」「五万人」「十点」→「1月1日」「5万人」「10点」
3.全角と半角を統一しているか
最後は全角と半角の統一についてです。
カタカナと英数字と記号の全角・半角の使い分けは、資料全体の統一ルールです。
以下が推奨です。
カタカナ
原則全角
英数字
原則半角、ただしタイトルや行頭記号には全角を使用した方が良いケースあり
記号
文中の記号は原則全角
パワーポイント資料では括弧の全角と半角の識別がしにくいため、全角の括弧と半角の括弧が入り混じっていることがよくあります。文中で括弧を使用する場合は、原則全角にしてください。
次回の記事では、引き続き文章を遂行する際のポイント「見た目やリズムを調整する」ついてご紹介します。
▶文章推敲のチェックポイント【作成編➄】読みやすいリズムを生む3つのポイントポイント