【徹底解説】資料作成に時間がかかる理由とは?短縮・効率UPの方法6選
資料作成にかかる時間を短縮し、効率を向上させるための方法を徹底解説します。本記事では、資料作成に時間がかかる理由とそのデメリット、さらに作業をスピーディに進めるための具体的な6つの方法を紹介します。時間の使い方を見直し、より効果的な資料作成を目指しましょう。
資料作成はどれぐらい時間をかけるべき?
資料作成にはどれぐらいの時間をかけるべきでしょうか?ここでは、一般的な時間の目安と、過度に時間をかけることによるデメリットについて紹介します。
資料作成の平均時間
高品質な資料を作成するためには、パワーポイントの1スライドあたり平均で30分から1時間の作業が必要とされています。
しかし、この時間は担当者の経験やスキルに大きく依存します。初心者であれば1時間以上かかることもあり、熟練者でも情報が不足している場合には同様に時間がかかる可能性があります。
例えば、10スライドの資料を作成する際には、単純計算で10時間が必要です。
しかし、これには資料作成に集中できる時間だけが考慮されており、実際にはさらに多くの時間が必要です。
作成の途中で情報の追加や修正が必要になることも多く、結果的に予定以上の時間を要することが少なくありません。
効率的に資料を作成するためには、あらかじめ作業時間を見積もり、ページ数に応じた適切なスケジュールを立てることが重要です。
また、時間が限られている場合には、必要に応じて優先順位をつけ、重要な部分に集中して作業を進めることが求められます。
資料作成に時間をかけすぎるのはなぜNG?
資料作成に時間をかけすぎると、いくつかの問題点が生じます。
まず、資料作成に過剰な時間をかけると、他の重要な業務が後回しになり、本来の業務に支障をきたすことがあります。
これにより、生産性が低下し、チームや個人の目標達成に悪影響を与える恐れがあります。
さらに、資料作成に費やす時間が長くなるほど、人件費が増加し、コスト負担が大きくなります。特に残業などで対応する場合、コストはさらに増加し、企業の利益を圧迫する可能性もあります。
また、時間をかけたからといって必ずしも資料の品質が向上するわけではありません。
資料の質は、経験やスキルに依存するため、長時間かけても必ずしも分かりやすい資料が作成できるとは限りません。
特に不慣れな担当者が長時間作業しても、資料の品質が改善されるとは限らず、効率的な方法や適切なツールの活用、スキルの向上が重要です。これらの要素が不足していると、結局のところ資料作成の効率が悪化し、期待される結果を得ることが難しくなります。
資料作成に時間がかかる人の特徴
資料作成に時間がかかる理由はさまざまですが、共通する特徴があります。どのような点に注意を払えば、作業効率が向上するのでしょうか?
ここでは、資料作成に時間がかかる人の特徴を紹介します。
1. いきなりスライドから作り始めてしまっている
資料作成にとりかかる際に、いきなりパワーポイントを開いてスライド作成に着手するのはNGです。
目的と要件が不明確なままいきなりスライド作成をはじめると、着地点が見えなくなります。
また、作成途中に目的を見直すと作業が振り出しに戻るため、非効率的です。
その上、行き当たりばったりで作成すると情報の抜け漏れや論理の破綻が起こりやすく、上司や他の人からチェックを受ける際に差し戻しになる可能性が高いです。
修正に多くの時間がかかることになります。
2. ソフトウェアの操作方法に慣れていない
パワーポイントなど、資料作成に使うソフトウェアの操作に慣れていないと、調べながら作業するために時間がかかってしまいます。
盛り込むべき内容が頭の中でまとまっていたとしても、操作方法がわからなければスムーズに資料を作成することができません。
「パワーポイント資料にスライド番号を入れたいけれども、どのように挿入すればいいかわからない」「円グラフを棒グラフに変更したいけれど、どこで変えればいいのかわからない」
よく使う操作は覚えておかないと、いちいちインターネットで調べたり、人に聞いたりしなければなりません。
また、ショートカットキーを知っているかどうかでも、作業時間に大きく差が出ます。
3. スライドのデザインがなかなか決められない
いざスライドを作成してみたものの、納得いくデザインにならず、調整に時間がかかってしまう人もいます。始めから完璧なものを作ろうとして、なかなか前に進まないパターンです。
完璧主義の人に多く、「あれもこれも整えないといけない」と感じ、作業量が増えてしまいます。いつまでもデザインが決まらず、時間と労力を消費してしまうのです。
4. 集中して作業する時間が取れていない
電話やメールなどでたびたび作業が中断してしまうと、資料作成に集中できません。資料作成に限らず、仕事中に横やりが入り集中力が途切れたという経験は誰にでもあると思います。
人は集中状態に入るまでに平均23分かかるとも言われています。集中して作業できる時間が確保できないと、毎回集中力が途切れてしまうため効率が低下し、完成まで時間がかかります。
資料に時間をかけすぎるデメリット
資料作成に過度に時間をかけると、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。これらのデメリットは、業務全体の効率や成果に悪影響を与えることが多いため、注意しましょう。
1. 努力に見合った評価を得にくい
資料作成に過度に時間を費やすことは、社内外からの評価に悪影響を及ぼすことがあります。
期限内に資料を提出できないと、プロフェッショナルとしての信頼性が損なわれ、計画性や責任感の不足と見なされてしまいます。このことで、将来的なプロジェクトや重要なタスクから外されるリスクが高まります。
適切な評価を得るためには効率的な資料作成を心掛け、信頼される存在であり続けることが重要です。
2. 成果達成のタイミングが遅れる
資料作成に時間がかかりすぎると、プロジェクトの進行や提案の承認、製品の市場導入など、資料が必要な場面での全体のスケジュールが遅れる可能性があります。
スケジュールが遅れると個人の評価だけでなく、チーム全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼし、組織全体の目標達成に影響を与えることになります。
資料作成においても、時間管理と効率的な作業方法を採用し、迅速に成果を出すことが求められます。
3. 他の業務がおろそかになる
資料作成に過剰な時間をかけることで、他の業務にも悪影響を及ぼし、多くの仕事が中途半端な状態で終わるリスクがあります。
資料作成の遅れが予定していたタスクに取りかかる時間を削減し、結果として抜け漏れや確認不足が発生してしまいます。このようなミスは納期遅延や品質の低下を引き起こし、プロジェクト全体の進行に支障をきたす恐れがあります。
資料作成の効率を上げ計画通りに業務を進めるためには、他の業務との時間調整・管理を徹底することが必要です。
4. 資料の完成度が下がる可能性がある
想定外の時間がかかった際、最後に急いで作業を進める必要が生じてしまい、結果として資料の品質が低下することがあります。
急いで作成した資料はデザインミスや情報の誤り、内容の不十分さが目立つことが多く、プレゼンテーションや会議での成果に悪影響を与えてしまいます。
特に重要な情報が抜け落ちていたり、誤った情報が記載されていたりすると、プロジェクト全体、ひいては会社全体の信頼性に影響を及ぼすことがあります。
効率良く時間を管理し、必要な作業に十分な時間を割り当てることが、資料の品質を保つ秘訣です。
5. 投資した時間に対する効果が低い
しかし資料作成に時間を費やしたからといって、必ずしも品質向上に貢献するわけではありません。
時間を使ってデザインに焦点を当て過ぎた場合、見た目は良くなっても実際の情報提供価値が向上していないことがあります。このような資料では、結果的に労力と投資に見合った成果が得られず、費用対効果の低下に繋がります。
時間管理を適切に行い必要な情報に集中することで、無駄な作業時間を削減し、全体の効率を向上させることが求められます。
資料作成の時間を短縮する方法6選
資料作成にかかる時間を短縮し、効率よく作業を進めるための方法を以下に紹介します。これらの方法を取り入れることで、作業のスピードを上げると同時に、資料の質も向上させることができます。
1. 資料の目的を明確にする
資料の作成前に目的を明確にしておけば、後々の方針のブレを防ぐことができます。資料を通じて、誰にどんな行動をとってほしいのかをあらかじめきちんと定義することで、資料の方向性が明確になります。
たとえば、読み手がじっくり考えるタイプの人なら、資料に補足説明を加えたり、想定される質問をQ&Aとして加えたりすることが有効な場合があります。
資料を読んでもらった後、読み手がすぐに行動に移せるくらい具体的に目的を示しましょう。
2. スライド作成前に構成を決める
スライド作成前に、手書きやワードで構成を検討することをおすすめします。構成を検討することで、情報の抜け漏れ・ダブリや論理の破綻などを防ぐことができるからです。
まずは目次のレベルで書き出し、全体の流れを決定します。その上で、各パートで主張するメッセージを加えていき、適切な根拠づけができているかを確認しましょう。
構成が完成したら、その段階で上司からフィードバックをもらってください。この時点で差し戻しが発生したとしてもスライドを作り込む前なので、修正にかかる時間は比較的少なくて済みます。
また、構成をしっかりと固めておくことで、デザインの段階で構成を見直すことがなくなり、効率化するメリットもあります。構成の作り方はこちらの記事でより詳しく解説しています。
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3. ソフトウェアの操作に慣れる
基本的な操作や効率化する機能を覚えておくと、資料作成のスピードが上がります。たとえば、ショートカットキーやスライドマスター機能を活用すれば、より効率的に資料を作成できます。
ショートカットキーを活用すれば、操作が一瞬で完了します。パワーポイントには数多くのショートカットキーが設定されているので、よく使用する機能は覚えておきましょう。パワーポイントの便利なショートカットキーはこちらの記事で紹介しています。
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スライドマスターは全スライドに一律で変更を適用できる機能で、テンプレートをカスタマイズすることができます。たとえば、スライドマスターを有効活用することで全スライドにガイド線を設定したり、ロゴを背景に一括で埋め込んだりすることができ、編集の手間が省けます。スライドマスターの使い方はこちらの記事で解説しています。
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基本的な操作方法やショートカットキーなどは、その都度調べるのではなく、一気に学習して記憶することをおすすめします。資料を作成する場面が頻繁に訪れることを考えれば、学習するメリットは大きいです。少々面倒かもしれませんが、まとまった時間を確保してソフトウェアの操作に慣れてみてください。
4. デザインのルールを理解する
デザインのルールを理解しておくことで、スライド作成がスムーズになります。
パワーポイント資料のデザインにおいて重要なのは、華々しさではなく、読み手に情報を瞬時に伝えることができるかどうかです。パッと見てすぐに内容を理解できるデザインであれば、読み手にストレスを与えることなくスムーズに読み進めてもらえます。逆に、見づらい・わかりづらい資料は重要な情報が見つけられなかったり、誤解を生んでしまったりする可能性があります。
伝わりやすいデザインには一定のルールがあり、フォントや配色など、注意しなければならないポイントがいくつかあります。デザインのルールは、以下の記事で詳しく解説しています。
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5. 集中できる環境を作り出す
資料作成の作業スピードを上げるためには、集中できる環境を作ることも大切です。会議室を利用したり、空いた部屋を活用したりして、資料作りに集中できる環境と時間を確保してください。
自分の席から離れるのが難しい場合は、メールや電話対応ををせずに資料作成だけに集中する時間を確保するのもおすすめです。上司に了承を得て、時間の確保に努めてみてください。
6. 資料作成代行業者に依頼する
プロに依頼することで、資料作成にかけていた時間が浮き、取り組むべきコアな業務に集中できます。
また、自分で作成する以上にクオリティの高い資料に仕上げてくれるので、成果も期待できます。読み手に伝わる言い回しや構成、伝わりやすいデザインなど、豊富な知見を活かして、総合的に質の高い資料を作成してもらえます。
さらに、経験豊富な第三者の視点から、客観的なアドバイスがもらえるため、社内だけの視点では出てこなかった新たな切り口が見つかるというメリットもあります。
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