成果を出す営業資料の作り方|条件把握・ページネーション【作成編②】
営業で成果を出すためには、資料もぬかりなく準備する必要があります。今回は、条件把握とページネーションに焦点をあてて解説します。
今回は、成果を出す営業資料の作り方【作成編②】のご紹介です。
成果を出す営業資料の作り方シリーズでは、お客様からのご期待をいただける営業資料とはどのようなものか?を考察し、実際に作るにあたって押さえておくべきポイントを解説します。
このシリーズ記事を読んでほしい方は下記のような皆様です。
1.こんな方におすすめ
・社内で見よう見まねで営業資料を作っているが、お客様にとってわかりやすいものかわからない・・・
・個々の社員がばらばらに資料を作るため統一感がない・・・
・そもそも商談が苦手・・・
・営業資料をしっかり準備せず口頭で営業している・・・
・対面時にはいい雰囲気で終わるのに、クロージングがうまくいかない・・・
・自分は営業が得意だったが、部下は営業が苦手で売上をあげてこない・・・
本記事では、「営業資料の構成はどのように策定するべきか?」ということについて紹介していきます。
2.営業資料の構成のポイント:想定すべき条件
営業資料に盛り込むべき5要素【準備編②】では、営業資料に盛り込むべき必須のポイントを5つ紹介しました。
1.あなたたちは誰なのか?
2.なぜ話を聞く必要があるのか?
3.あなたたちは何を提供できるのか?
4.他ではなくあなたたちを選ぶ理由は何なのか?
5.サービスの提供を受けるには何をすればいいのか?
資料に直接的に書くべきだという意味ではなく、商談に臨む前に営業担当者がこれら5つの質問に自信をもって答えられる必要がある、という意味です。
これらの説明に戸惑ってしまう、はっきりとした答えが出てこない、というあなたは一度自社の強みやサービスの魅力を見直し、お客様に何を提供できるのか?を考えてみてください。
おすすめは営業の先輩とロールプレイングをしてどんな厳しい質問のされ方をされても答えられる状態にしておくことです。
※誤解を招くのを避けるために補足
「表現を大げさにするべき」とか「話す内容を覚えるべき」ということを言っているのではありません。
上記の5つのポイントは自社のサービスをお客様に提案する上で明確にしておくべきポイントであり、上記5つがあやふやな状態で商談に臨んでもお客様を困惑させるだけだ、ということです。
前置きが長くなりましたが、ここから本題です。
まず構成を考えるにあたって、商談の制約条件を明確にしておきましょう。
「プレゼン時間を1時間与えるから、しっかり説明して」なのか、「15分で口頭で簡単に話して」なのか
「ミーティングルームに関係者を集めるから、投影して」なのか「読んでおくから紙で渡して」
なのか。
どんな環境で商談がされ、営業資料はどんな形式で展開されるのかを明らかにしておきましょう。
想定しておくべき項目は下記です。
1.使用者
例:
営業担当がクライアント担当者に説明する。
クライアント担当者がグループマネージャーに説明する。
2.用途
例:
初回アポイントでサービスに興味を惹くために印刷して提示
初回アポイント後、グループ会議の場でモニタに投影しながら提示
3.使用環境
例:
クライアント社内の5~6名用ミーティングルーム
クライアント社内でメールで展開される
4.説明時間
例:
初回アポイントで60分時間をいただいているが、15~20分程度で説明するのが望ましい
これらの制約条件から、下記のようなことがわかりますね。
・印刷もモニタ投影もデータによる閲覧もありうる。
→投影は大きな部屋では行わないため、見出し以外の文字は小さめ(9pt~11pt)でもよい。
→読みづらくならない程度の情報量を盛り込むことができる。
・クライアント担当者やそのグループメンバー、グループマネージャーが見る。
→説明が長くなりすぎない方がいいため、ページ数は10~15ページ程度に収めたい
→厳しい突っ込みが想定されるため、カウンターとなる文章を入れておくべき
このような制約条件を踏まえ、商談の場にそぐわない構成になることを避けましょう。
3.営業資料の構成のポイント:読み手の理解を促すページネーション
次に、構成のページネーションを検討していきます。
ページネーションとは、台割やページ割とも呼ばれるどのページに何を書くかを振り分けたもののことです。
例えばこんな感じです。
今回はページネーションを作るのに便利な「アウトライン表示」機能を使いましたが、手書でも十分だと思います。
↓↓ アウトライン表示についてはこちらをご参照ください。↓↓
この際に、情報の並び順は下記を意識します。
「大きな範囲に関わる情報→小さな範囲に関わる情報」の順に並べる
私たち人間は、「まず全体像を把握してから全体の中の要素に注目する」という手順を踏むことで、格段に情報を理解しやすくなります。
講義やセミナー、商談、個人同士のコミュニケーションなどにおいても、いきなり細かい話をされるより、まずは全貌について理解したほうがわかりやすいですよね。
例えば「大きな情報→小さな情報」の構造を文章表現で例えると、
①昨年は雨続きで日照時間が少なく、農作物の出荷数に与える影響は大きかった。
②特に6月~8月の3か月間においては降水確率が60%を越える日が約6割を占めた。
①は昨年全体に関わる情報で、②は6~8月に関わる情報のため、①→②の順に並べた方がわかりやすい文章となります。
その他にも、
「会社プロフィール」→「経営理念」の順
「サービス概要」→「サービスの特長」の順
など、読み手が理解しやすいページネーションを検討しましょう。
成果を出す営業資料の作り方【準備編②】の内容を引用してページネーションを検討すると・・・
1.あなたたちは誰なのか?
→会社概要
2.なぜ話を聞く必要があるのか?
→クライアントの抱える課題・課題を取り巻く環境
3.あなたたちは何を提供できるのか?
→サービスの概要
4.他ではなくあなたたちを選ぶ理由は何なのか?
→サービスの特長・実績
5.サービスの提供を受けるには何をすればいいのか?
→料金・ご利用の流れ・申込方法
となりますね。
続きは、成果を出す営業資料の作り方|読み手・態度変容プロセスの理解【作成編③】です。営業資料のページネーションを検討したら、次は下図部分に書くべき内容作りに進んでいきます。