事業計画書の書き方|作成のポイントやテンプレートを徹底解説!

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事業計画書の書き方|作成のポイントやテンプレートを徹底解説!

事業計画書は、投融資を受ける目的で事業の計画をまとめる書類というイメージを持たれる方も多いですが、社員や求職者へ会社の方向性を示すためにも役立ちます。
会社の信頼性を表現するだけではなく、今後の指針としても活用できる事業計画書の作り方を紹介していきます。

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事業計画書とは

事業計画書は、企業の将来像を描く重要な文書です。
具体的には、企業の事業内容、経営戦略、市場分析、財務予測などを包括的に説明し、企業の進むべき道を示します。主に資金調達の際に用いられますが、その役割はそのことだけにとどまりません。

例えば、経営者や従業員の指針となり、事業を客観的に分析する機会を提供します。
また、専門家やステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にし、事業の全体像を効果的に伝えるツールとしても機能します。法的な作成義務はありませんが、事業の成功と成長のために作成することが強く推奨されます。

事業計画書を作成する3つの目的

融資や投資などを受ける

銀行からの融資や投資家から投資などを受ける、もしくは社内で新規事業への投資を受ける場合に、事業計画書は重要な役割を果たします。

説得力のある事業計画を伝えられなければ、資金を調達することができません。
継続的な収益性があることに加えて返済が確実でや十分なリターンがあることをアピールすることで、融資や投資の承認を受けやすくなります。

事業計画の解像度を上げる

書面に落とし込むことで、今後の事業計画の解像度を上げることにも繋がります。
これまで個別に検討してきた事項を体系的にまとめ、イメージをより強固にします。

しっかり練られた事業計画書は事業開始後の道しるべとなり、計画通りに事業が進んでいるかどうかの進捗も管理できます。

社員や求職者に事業計画を共有する

創業者や事業責任者の脳内にあるイメージを形にすることで、「今後事業がどのような方向に進むのか」を関係者に共有することができます。

社内メンバーに事業の全体像を共有したり、採用活動で求職者に事業計画を共有したりするときにも役立ちます。

事業計画書を作るメリット

事業計画に向けた思考整理と可視化ができる

事業計画書を作ることは、経営者や事業責任者の頭の中にある構想を具体化する重要なプロセスです。この作業を通じて、事業の本質的な目的や具体的な実施方法について深く考察することができます。

また、計画を書き出す過程で新たなひらめきが生まれることも少なくありません。
売上目標や今後の事業展開の流れ、さらには企業を取り巻く環境について、より詳細に分析する機会にもなります。

方向性の共有ができる

事業計画書を作ることは、企業の方向性を関係者全員で共有するための効果的な手段です。
事業の形態は様々で、個人事業から多数の従業員を抱える法人まで幅広く存在します。

例えば、小規模で事業で始めるケースを考えてみます。このケースにおいては、事業計画が経営者の頭の中だけに留まりがちです。
その結果、事業規模が拡大していくにつれて、事業計画を関係者と共有することが困難になる可能性があります。

この事態を防ぐにあたって、事業計画書の作成が有効です。
なぜなら、事業計画書の作成を通して計画を可視化することで、「事業の将来的な方向性」や「目指すべきゴール」を明確に示すことができるためです。
これにより、全ての関係者が同じビジョンを共有し、一致団結して企業運営に取り組むことが可能になります。

事業を客観ししながら改善できる

事業計画書の作成によって、自身の事業を客観的に見つめ直す貴重な機会を得ることができます。
事業の計画策定の段階では「完璧」と思えても、実際には不完全な部分や見落としている要素が存在することがあります。
事業は不確定要素が多く、進める中で当初は見えていない部分も多々出てくるためです。

事業計画書を作る前に取り組むべきこと

事業計画書の作成に着手する前に取り組むべきことは、事業のコンセプトを確立することです。
事業のコンセプトとは、ビジネスアイデアを具体的かつ明確な構想として整理したものです。
このコンセプトを作るに際は、「誰に・何を・どのように」という基本的な問いに答えることが重要です。

なぜなら、これらの問いに答えることで、目指すべき事業の本質や方向性が明確になるためです。
この過程を経て、適切に定義された事業コンセプトは、単なる抽象的なアイデアを超えて、実行可能なビジネスモデルの基礎となります。

事業計画書作成時の4つのポイント

①整合性がある内容を記載する

事業計画書を作る時に重要なことの1つが、記載する内容に整合性があることです。
事業計画書を提示する前には必ず、各セクション間で矛盾がないか、全体を通して一貫したストーリーが展開されているかを確認しましょう。

例えば、市場分析と販売戦略が合致しているか、財務計画が事業規模と釣り合っているか等の点に注意を払いましょう。
整合性のとれた計画書は、事業の実現可能性と信頼性を高め、読み手を説得する力を持ちます。

②競合についても記載する

競合分析は事業計画書の重要な要素です。
なぜなら、競合について詳しく記載することで、市場への深い理解と戦略的思考を示すことができるためです。
もし、競合の存在を無視した事業計画書を掲示した場合、自社で展開するビジネスに対しての信頼性が損なわれる可能性があるため、注意してください。

③根拠のある数値データを盛り込む

事業計画書に示す数値データの信頼性は極めて重要です。
特に収支見込みや成長予測など、将来の業績に関する数値は、実現可能性と根拠が問われます。
「売上が○%増加」や「売上が○万円増加」といった具体的な数値を掲げる際には、それらがどのように達成されるのかを明確に説明する必要があります。

しかし、根拠を説明することは容易ではありません。
特に新規事業や革新的なビジネスモデルの場合、過去のデータや類似事例が少ないため、説得力のある根拠を示すのが難しくなります。
そのような場合でも、仮説を立て、それを裏付ける論理的な説明や検証可能な指標を提示することが重要です。

④数値や計画以外の情報も具体的に記載する

事業計画書は単なる数字の羅列や将来の計画だけでは不十分です。
資金提供者や関係者に事業の全体像を理解してもらうためには、数値や計画以外の情報も具体的に盛り込むことが重要です。

例えば、会社の概要や代表者のプロフィールといった情報は、一見すると資金調達と直接関係がないように思えるかもしれません。
しかし、これらの情報は企業の背景や経営者の能力を示す重要な要素です。
なぜなら、それらが示す企業の歴史は、その組織の安定性や成長の軌跡を物語り、代表者の経歴は事業を成功に導く能力や経験を示唆するためです。

その他にも、従業員数やビジネスモデルの概要、主要な取引先といった情報は、企業の規模や事業の実態を把握する上で欠かせません。
なぜなら、これらの情報を示すことで、事業の現状と将来の成長性をより具体的に理解してもらうことができるためです。

事業計画書に盛り込むべき項目

事業計画書に盛り込むべき項目

会社の概要

資金調達を目的として金融機関や投資家に向けて作成する場合は、会社の概要を記載する必要があります。

特に、創業時の融資や投資判断においては代表の過去の経歴や実績が重視されるため、代表プロフィールを充実させることが重要です。

過去の経歴や実績から事業の成功につながる要素をアピールすることで、事業計画の説得力を高めることを意識しましょう。

事業のコンセプト・ビジョン

なぜ事業に取り組むのか、何を目指すのかについて記しておくことで、創業にかける想いが伝わります。

情熱をもって事業に取り組んでいることを訴えれば、担当者から共感を得ることも期待できます。
事業の意義について、熱意を持って語れるようにしておきましょう。

事業概要・ビジネスモデル

取り組む事業の概要・ビジネスモデルについて解説します。

どのような商品やサービスを提供するのかを具体的に示し、競合と比較した自社の強みや特徴を述べます。自社だけが提供できる商品の価値などを伝え、自社の事業の独自性を理解してもらうことが大切です。

サービスを提供する顧客についても詳細に記載しておきましょう。
年齢や性別、職業などセグメントを絞った上で、具体的な人物をイメージできるくらい解像度を高くしておくと説得力が増します。
なぜその顧客から自社のサービスが選ばれるかについて、先ほど説明した自社の独自性と絡めて解説しましょう。

また、ビジネスモデルについても詳細に解説します。顧客にどのようにしてサービスが届き、どのタイミングで代金を回収して収益を上げるかをわかりやすく解説しましょう。
フローチャートなどで図示すると伝わりやすくなります。

ビジネスモデル

環境分析

市場や競合の状況について記載します。

国やシンクタンクなど、信頼できる提供元のデータをもとに市場の規模を算定します。
競合は複数社(最低3社)の強み・弱みを分析しましょう。他社を分析することで、自社の強みや独自性を見つけることにつながります。

環境分析の際には、3C分析や5Forces分析などのフレームワークを活用すると、情報の抜け漏れやダブリがなくなるのでおすすめです。

3C分析

3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合他社(Competitor)、自社(Company)の切り口で分析する環境分析のフレームワークです。シンプルでわかりやすく、環境を端的に伝えることができます。

5Force分析

5Forces分析は、「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の5つの競争要因の切り口で環境を分析するフレームワークです。

これらのフレームワークを活用して、抜け漏れなく環境分析を行いましょう。

販売戦略

顧客に、自社サービス・商品をどのように届けるかを記載します。
ターゲットを絞り、商品やサービスをどこで販売するのかチャネルの選定や、プロモーション方法なども記載します。

Product(商品・サービス)、Price(価格)、Place(チャネル)、Promotion(広告・宣伝)の4Pを考えて、会社の販売戦略をしっかりと伝えることが大切です。

実行体制

社内の体制について記載することで今後の計画が具体化します。

役割分担や意思決定の流れを紹介する組織図を記載すると良いでしょう。
現在のリソースと将来の事業計画を照らし合わせて採用計画なども記載します。

収支計画

事業の収益性を示すために、財務に関する計画を記載します。主に必要となるのは売上計画・利益計画・資金調達計画の3つです。

売上計画はその名の通り、売上をどのように立てていくかとそれに伴い原価はどれくらいかかるのかの計画です。見込み顧客数や過去の実績、競合のデータなどを基に実現可能な計画を記載しましょう。

利益計画は、売上、原価に加え、販売管理費や人件費、減価償却費、支払利息、法人税などの項目を加味して、作成しなければなりません。
売上を伸ばすのはもちろん、どこのコストをカットするかなども検討して、利益計画を練りましょう。

資金調達計画は、キャッシュフローを考慮して計画します。
売上計画、利益計画で検討した「どこでお金が入り、どこで出ていくか」を加味して、どのタイミングで資金調達をする必要があるかを記載します。

信頼できる数字を基に、現実的な計画を記載することが重要です。

実施計画

実施計画では、事業展開の具体的な道筋を示します。
この計画の主な要素としては、事業開始時期、売上目標達成の予定時期、重要なマイルストーン、そして予想されるリスクとその対策等があてはまります。

上述の要素を時系列で整理したスケジュールを提示することで、融資担当者や投資家が事業の展開を具体的にイメージでき、実現可能性を評価できます。
同時に、この計画は経営者自身にとっても、事業進行の指針となり、目標達成に向けた明確な道筋を示す重要なツールとなります。

事業計画書にテンプレートはある?

事業計画書に決められたテンプレートはありませんが、各金融機関ではテンプレートを用意していることもあります。
ただ、業種が変わっても事業計画書の基本的な項目や書き方は大きくは変わりません。

日本政策金融公庫のホームページにに各業種の事業計画書のテンプレートや記入例があります。
日本政策金融公庫から資金調達を検討している場合は、下記のURLからダウンロードして、参考にしてください。

各種書式ダウンロード

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事業の成功に向けて、事業計画書の作り方を学ぼう

事業計画書は事業の成功への道筋を示す羅針盤です。
そして、効果的な事業計画書を作成するためには、今回ご紹介した作り方を学びその上で目的に合った事業計画書の書式を選択することが重要です。

この記事で紹介したテンプレートを活用し、的確で分かりやすい計画書を作成していきましょう。
丁寧に作り上げた事業計画書は、事業の成功確率を高める強力な支えとなるはずです。

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