参考にしたい成長可能性に関する説明資料まとめ6選!

企業が東証マザーズに上場する際に必ず作成する「成長可能性に関する説明資料」。成長可能性に関する説明資料を作成・開示する目的は、投資家に中長期的な成長可能性を説明することにあります。そのため、自社が持つポテンシャルを最大限に伝えるための工夫が凝らされています。

今回は、デザインや構成が特に優れている6社の成長可能性に関する説明資料をピックアップし、それらの特徴について解説します。

1.株式会社GoodPatch
2.株式会社プレイド
3. 株式会社Sun Asterisk
4. 株式会社ドラフト
5. ウェルスナビ株式会社
6. 株式会社Kaizen Platform

(順不同)

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公開日 2021年8月27日 最終更新日 2021年9月8日

参考になる成長成長可能性に関する説明資料の傾向【デザイン】

6社の資料について、主に読みやすさの視点でデザインを評価しました。以下の6つの項目で整理します。

・色
・レイアウト
・フォント
・表
・グラフ
・画像素材

◎:特に洗練されている、改善ポイントなし 〇:改善ポイントなし △:改善ポイントあり

 123456
レイアウト
フォント
グラフ
画像素材

※表の右側が見切れている場合、スクロールが可能です。

特に傾向が分かれたのは、レイアウト、表、グラフの3項目です。色、フォント、画像素材の3項目はに関しては、いずれの資料も高水準でした。

成長可能性に関する説明資料のデザインに悩まれている方は、まずは色、フォント、画像素材の3項目から見直してみることをおすすめします。

また、スタートアップの企業などでは、ワン/ツートーンでシンプルかつスマートなテイストのデザインが比較的多い印象です。このようなテイストは、最初にしっかりと設計してルールを定めれば更新がしやすいデザインです。

参考になる成長可能性に関する説明資料の特徴【構成】

ここでは、6社の資料に見られる構成の特徴を4点解説します。

冒頭にサマリーを設けている
全体の構造がシンプル
テキスト量を抑えている
抑揚があり読み手の興味を惹きやすい

冒頭にサマリーを設けている

冒頭にサマリーを設けることで、資料全体のメッセージを冒頭で掴めるように配慮されています。プレイドの資料では業績を示す重要な数値が列挙されており、Kaizen Platformの資料では今後の事業展開が箇条書きでまとめられています。

全体の構造がシンプル

ドラフトの資料は、章立てが企業情報、強み、成長戦略のみでととてもシンプルな構造です。また、ヘッダーには章の番号とタイトルが常に表示されているため、読み手は資料全体における現在位置を常に確認することができます。

Kaizen Platformの資料では、後半で説明する企業情報について項目を列挙し、このスライドを中扉にも活用しています。読者が構成の流れを把握したうえで資料を読み進めることができます。

テキスト量を抑えている

リード文は短い言葉で端的に示されています。また、図解やグラフで情報を視覚的に表現することで、テキスト量が最小限に抑えられており、読み手は各ページのメッセージを瞬時に掴むことができます。

抑揚があり読み手の興味を惹きやすい

読み手の興味を惹きつけるためのさまざまな工夫がなされていました。たとえば、冒頭に引きのあるコンテンツを置いたり、資料の途中でインパクトのあるスライドを挟んだりするなどです。資料の流れに抑揚をつけることで、ページ数が多くても読み手を飽きさせず、離脱を防ぐことができます。

成長可能性に関する説明資料の個別解説

ここからは、下記4社の成長可能性に関する説明資料の特徴を掘り下げて、個別に解説します。

3. 株式会社Sun Asterisk
4. 株式会社ドラフト
5. ウェルスナビ株式会社
6. 株式会社Kaizen Platform

なお、1.株式会社Goodpatchと2.株式会社プレイドは、別の記事で決算説明会資料を対象に詳細を解説しています。デザインや構成の特徴は共通する部分も多いため、本記事での解説は割愛します。関心のある方はぜひ決算説明会資料の解説をご覧ください。

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1.Sun Asterisk

出典:株式会社Sun Asterisk 成長可能性に関する説明資料

株式会社Sun Asteriskは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)関連のソリューションを、技術と人材の両面から手がける企業です。

デザインの特徴

表紙は無装飾でロゴマークと文字のみのシンプルなデザインです。表紙がシンプルなため、冒頭の3ページ(P2-4)が引き立ちます。

本編のテンプレートもロゴのみで非常にシンプルですが、ヘッダーの上部に英語表記が装飾的に付してあるため、スタイリッシュな印象です。コーポレートカラーの赤は強調箇所のみに使用されており、全体的には黒やグレーがメインに用いられています。余白の面積が広く、落ち着いたテイストにまとめられています。

また、全体的に上下・左右の余白が広くとられたテンプレート設計のため、P35のように左右横幅一杯に要素(面グラフ)を配置した大胆なレイアウトのページがあると、そのページの印象が特に強まります。

リード文とコンテンツエリアのジャンプ率が高いため、とてもメリハリがあります。リード文を太字にすると、さらに読みやすくなるでしょう。

P14、18、20、26、27、29のように、強調する数字は赤太字で大きく示されているため、読みやすくインパクトがあります。

P23のように、他のページよりも余白が広く、各要素のフォントサイズが小さいページもいくつかあります。各ページの上下・左右の余白を厳密に揃えると、より一層統一感のある資料になるでしょう。

アイコンやイラストも資料のデザインとテイストが揃えられており、統一感があります。ただし、P6のように全体的に濃い色を使用すると視認性が低下します。濃い部分と薄い部分のメリハリを意識するとより見やすくなるでしょう。

P9のように目盛り線がグラフの上に重なると視認性に影響を与えるため、不要な目盛線はできるだけ非表示にし、必要な目盛線はグラフの背面に置くと良いでしょう。軸やデータラベルのフォントサイズもやや小さめのため、フォントサイズを1~2段階上げ、軸の色をグレーから黒に変えるとデータの可読性が向上します。

P3「会社概要」の表は、罫線のみでシンプルにまとめられており、写真と調和して見えます。一方で、P38「業績サマリー」の表のように全てのセルの背景に色を加えると、窮屈な印象やあかぬけない印象を与えてしまうおそれがあります。また、内訳構造も分かりにくくなるため、背景に色を加える場合はストライプではなく第一階層と第二階層とで色を分けるとよいでしょう。今回の場合は、罫線を加えてセルの背景色をなくすといった改善策が優先的に考えられます。

構成の特徴

全体的に文章は端的にまとめられており、リード文を読めば各ページのメッセージを瞬時に理解することができます。また図解やグラフ、写真が多く用いられているため、イメージを掴みやすく、少々複雑な内容でもビジュアルで理解できるようになっています。さらに、ページ間でのメリハリもあるため、読み手を途中で飽きさせない配慮も感じられます。

冒頭のP3では数字を用いて会社概要が説明されており、定量的に会社を把握できるようになっています。ビジョン、会社概要、経営マネジメントがP2-3の冒頭3ページにシンプルにまとまっており、ポイントを掴みやすいです。一方で、資料の全体像はやや把握しにくいかもしれません。

会社の特徴や競争優位性も「カンパニーハイライト」という章で簡潔にまとめられているため、要点を掴みやすいです。

さらに、ビジョンが成長戦略や業績サマリーの後にあり、情報の流れが過去から未来へと時系列で展開されている点も特徴的です。このように流れが整理されていて抑揚もあるため、比較的ページ数の多い資料ではありますが、読み手はスムーズに読み進めることができるでしょう。

2.ドラフト

出典:株式会社ドラフト 成長可能性に関する説明資料

株式会社ドラフトは、インテリア・プロダクト・建築の設計デザインの3事業を軸として、都市開発からブランディングまで、デザインに関する幅広い事業を手がける企業です。

デザインの特徴

表紙や本編のテンプレートは装飾がほとんどありません。本編では画像が豊富に用いられており、テンプレートがシンプルなため画像の印象が一層強まります。

配色は黒がメインで、文字やグラフ、図解に青やグレーが控えめに用いられています。テンプレートと同様に配色も控えめなことで、写真がメインコンテンツとして引き立てられています。

一般的には、グラフに過度な装飾を施すと情報が読み取りにくく煩雑な印象を与えやすいですが、P6のようにデータを細部まで読み取る必要はなく、あくまでイメージや右肩上がりの傾向を伝えることが目的の場合は、グラフに画像を組み合わせるのも効果的です。

P26の左側のグラフのように、データラベルが小さい箇所は、フォントサイズを大きくすると可読性が向上するでしょう。また、すべてのデータラベルを表示する場合は、縦軸をなくすとグラフをより大きく見やすく配置することができます。

P24左側の棒グラフは、売上高が右肩上がりの傾向であることがアピールポイントですが、そのアピールポイントを示す「矢印」が細かくやや弱々しい印象を与えてしまうおそれがあります。

また、P24右側の折線グラフは横幅が狭く(グラフが小さく)、横軸のテキストが斜めに配置されています。年表記(2011~2019)と期の表記(Q1~Q3)を上下2軸に分け、間に区切り線を入れると可読性が向上するでしょう。

区切り線の付け方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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左右のグラフからもわかるように、全体的に目盛り線の有無が統一されていない箇所も見受けられます。数値情報を伝える必要がある場合には、データラベルか縦軸のどちらかを表示することが一般的です。ただし目盛り線に関しては、軸が細かい場合を除いて、基本的には表示しない方がすきっきりとして見やすくなります。

アイコンはシンプルなラインタイプで統一されています。また、地図画像などの素材も色味が抑えられており落ち着いた印象です。ワントーンの素材は文字情報を補足するように置かれているため、カラーの写真をメインコンテンツとして見ることができます。

構成の特徴

リード文が端的にまとめられており、各ページのメッセージを理解しやすいです。さらに、資料全体の情報構造が整理されているため全体像を把握しやすいです。

「沿革」が年表、写真、ロゴ、売上高の4要素で構成されており、一枚のスライドから同時に多くの情報を得られるように工夫されています。

各事業の説明には、市場調査結果や事例といった具体性のある情報が添えられており、事業の内容や意義を明確に把握できるうえに、説得力があります。

3.ウェルスナビ

出典:ウェルスナビ株式会社 成長可能性に関する説明資料

ウェルスナビ株式会社は、ロボアドバイザーによる自動資産運用サービスを展開する企業です。

デザインの特徴

表紙では、ロゴマークとマッチした斜めの図形が使用されており、ブランドの統一感があります。配色は強調色も含めて青の濃淡で統一されており、全体的に色数が抑えられています。

フォントサイズは全体的に大きく、かつ4~5種類程度に抑えられているため、可読性が非常に高いです。見出しとコンテンツのジャンプ率の高さや、数字と単位のジャンプ率の高さからしっかりとメリハリが出ています。

配色については、ページによって青がアクセントとして使用されている箇所と、紺がアクセントとして使用されている箇所があるので、どちらかに統一すると良いでしょう。

P29の例では、下線が図形として挿入されており、文字と下線の間の余白が適切に保たれています。Windowsのデフォルト機能(Ctrl+U)で下線を挿入すると文字と下線との間の余白が少なくなるので、下線はこのように図形を用いて挿入する方法がおすすめです。

P24の棒グラフのように必要箇所のみにデータラベルを表示すると、注目してほしい箇所が明確になります。また、軸表記は「年」と「期」の二段として、間に区切り線を入れることで、同一期のグループが一目でわかります。

P18の円グラフは、凡例が内側に表示され、数値が外側に表示されており見やすいです。一方で、P30では数値が内側に、凡例が外側に表示されているので、どちらかに統一すると資料全体がより読みやすくなるでしょう。

図解に使用されているアイコンもシンプルで統一感があります。

P39、40の表は色数が少なく可読性が高いです。セルの背景色によって項目が分類されているため、白い罫線を省くとよりシンプルになり洗練感も増すでしょう。

構成の特徴

冒頭P2の目次では「カンパニーハイライト」として、資料全体で伝えたいことが5行にまとめられています。初見の人でも、全体像を理解しやすい構成です。

P4では会社概要に関する数値情報が示されており、定量的に会社を把握することができます。

P7では資産運用の概要を冒頭で示すことで、資産運用に精通していない人でも資料の内容を理解できるように配慮されています。また、全体的にリード文が端的にまとめられているため、各ページのメッセージが理解しやすいです。

さらに、具体的な顧客事例を掲載し、読み手がサービス内容をより具体的にイメージできるようにしています。

4.Kaizen Platform

出典:株式会社Kaizen Platform 成長可能性に関する説明資料

株式会社Kaizen Platformは、ソフトウェア開発を中心にサイトソリューション事業を手がける企業です。

デザインの特徴

表紙には「Kaizen(改善)」を象徴するロゴマークとコーポレートカラーが使われており、会社のイメージがしっかりと伝わります。また、背景の控えめなモチーフも印象的です。

本編では、タイトルやリード文の位置が固定されているため、どこに何が書いてあるかが明確です。全体的にフォントサイズが大きめで、かつ5種類程度に抑えられている点でも読みやすさの水準が高いです。フォントサイズを大きめにすると余白が狭くなりがちですが、この資料では余白もしっかりとられているため、窮屈な印象を受けません。

P16、17のように数字を大きく、それ以外の文字は小さくすることで、メリハリが出て重要箇所を瞬時にとらえることができます。またテキストの強調ルールが統一されており、情報の優劣が明解である点も参考になります。資料内でルールが一貫していると、読み進める途中で解釈を迷うことがありません。

グラフは、データラベルのフォントサイズが大きく視認性に優れています。ただし、軸の数字が小さく色が薄いため、濃くするとより見やすくなるでしょう。

P10のグラフでは軸のテキストが斜めに配置されているため、読みづらさがあります。表示するデータの項目数を減らし、横軸は年と期とで2段に分けると良いでしょう。折れ線グラフのデータラベルも細かく数値が読み取りにくいため、項目数を減らしてフォントサイズを上げるとよいでしょう。

P24のように、強調する数字を吹き出しで示すのも効果的です。

メッセージを伝えるページでは、背景の全面に画像が表示されており、インパクトがあります。

目次と中扉が同じデザインであることで、読み手が現在位置を確認しやすいです。

サブカラーには青みがかったグレー(ブルーグレー)が使用されており、暗くなり過ぎず、落ち着いた印象にまとまっています。ただし、ところどころに異なるグレーが使用されているため、ブルーグレーに統一した方が色数が少なく洗練されて見えるでしょう。ブルーグレーの濃淡違いの色を用いるのも一案です。

アイコンもシンプルなテイストのもので統一されています。ただし、配色がブルーグレーではない箇所も散見されるため、この点も統一するとよいでしょう。

P5、25の2例のように強調のために下線を用いる場合は、文字と下線との距離(余白)を少し広めに設けると、より視認性が増します。

P31の図解は領域が色分けされていて見やすいです。ただし、図と重なったテキストの背景色が白く塗られていると、図としての一体感や視認性が損なわれるため、不要な背景色はなくすとよいでしょう。

表は罫線が少なく抑えられています。ただし、P45のようにセルの左右にも十分な余白がとれている場合には、縦の罫線(点線)を省くとより洗練感が増します。

構成の特徴

P3「エグゼクティブサマリー」では、資料を通じて伝えたいことが5行にまとめられており、資料の冒頭で全体像を掴むことができます。

P4には創業の想いが代表の写真や手書きの文字と共に載せられており、冒頭で読み手の心を引き込むことに繋がっています。

図解を用いて簡潔に情報が整理されている点も、参考にしたいポイントです。

P8では、取引構造としてビジネスモデルが3者間のシンプルな関係性で示されており、初見の人でも事業内容を理解しやすいように工夫されています。

P22では「顧客企業から見た時のメリット」を対比の図解で表現することにより、事業の特徴や優位性がわかりやすく説明されています。

P27では「価値創造のメカニズム」について、事業の重要指標や構造について初見の人でも理解できるよう、噛み砕いて説明されています。

図解を効果的に使用しているページがある一方で、パッと見ただけでは情報を読み取れない図解のページも多くありました。これらが改善されれば、より一層完成度の高い資料になるでしょう。

まとめ

今回は「成長可能性に関する説明資料」の優れた事例として6社を取り上げました。各社に共通するデザインや構成の優れているポイントをまとめます。

デザインの特徴:

・色数を抑えている
・ジャンプ率が高い
・ルールが一貫しており統一感がある

構成の特徴:

・冒頭にサマリーを設けている
・全体の構造がシンプル
・テキスト量を抑えている
・抑揚があり読み手の興味を惹きやすい

今回ご紹介したより良い資料にするための改善点も含めて、ぜひ資料作りの参考にしてみてください。

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