学会ポスターの作り方のコツから印刷方法まで徹底解説!

学会の発表形式の一つであるポスター発表。ポスターを見やすく作るコツはあるのでしょうか?この記事では、見やすい学会ポスターを作るための7つのポイントから、パワーポイントを使ったポスターの作成方法や、印刷方法まで詳しく解説します。学会でポスター発表を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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学会ポスターのサイズの設定方法

学会ポスターのサイズ

学会ポスターとは、学会の発表形式の一つである「ポスター発表」のために使うポスターを指します。サイズはそれぞれの学会が定める規定にしたがう必要がありますが、ここでは国内外の多くの学会で採用されている3つの基本サイズを紹介します。

用紙の向きを縦向き(portrait)もしくは横向き(landscape)で作成するかは学会の規定によって様々です。

1189mm×840mmサイズ

280

A0(エーゼロ)サイズと呼ばれ、多くの学会で採用されているサイズです。用紙の短辺と長辺の比が1:1.415で、A4の規格寸法の比率と同じであるという特徴があります。またA0サイズは900㎜×1800㎜の掲示パネルにも収まるため、使い勝手が良いとされています。

1800mm×900mmサイズ

別称3×6(サブロク判)と呼ばれるサイズです。用紙の短辺と長辺の比が1:2です。こちらも多くの学会で採用されている一般的なサイズです。

海外の学会で一般的なポスターサイズ

海外の学会では、「mm」だけでなく「ft(フィート)」や「inch(インチ)」でサイズが示される場合も多いです。また、1200mm×2400mmなどの特大サイズもよく使用されます。

スライドの大きさをポスターサイズに変更する方法

ここでは、パワーポイントで作成したスライドをポスターサイズに変更する方法を、パワーポイント2019を例に解説します。

スライドのサイズを設定する

「デザイン」タブから「スライドのサイズ」、「ユーザー設定のスライドサイズ」の順にクリックし、任意のサイズに変更します。デフォルトの設定「画面に合わせる」ではA4サイズより少し小さいサイズです。ポスターのサイズと同じ比率に設定します。

パワーポイントで入力可能な最大値は幅、高さともに142.22cmです。142.22cmを超えるサイズのポスターを作成する場合は、幅と高さの比率を維持したまま縮小した値を入力します。縮小は実寸の2/3か1/2程度にします。縮小し過ぎると拡大印刷したときに粗く見えることがあるので、注意が必要です。

スライドサイズの設定は、必ずポスターの作成を始める前におこないましょう。作成を始めた後に設定を変更すると、レイアウトが崩れる可能性があります。また、学会で指定されているポスターの向きが縦向き(portrait)か横向き(landscape)かも必ず事前に確認しましょう。

学会ポスターの作成方法

ここでは学会ポスターの一般的な作成手順として、2つの方法を紹介します。

1. 複数枚のスライドをポスター用のスライドに貼り付ける方法

一つ目は、研究背景、研究方法、結果などの要素ごとに複数枚のスライドを作成し、最後にポスター用のスライドに貼り付けて配置する方法です。口頭発表用などに既に作成したスライドが使用できる場合は、この方法を用いるとポスターの作成時間が比較的短時間で済みます。(口頭発表用のスライドの作成方法の解説はここでは割愛します。)

複数ページあるスライドを画像に書き出す

複数枚あるスライドを1ページずつ個別に書き出し、ポスターサイズのスライドに配置します。

まず、複数枚あるスライドを開き、「ファイル」タブから「名前を付けて保存」をクリックします。ファイルの種類として「拡張Windowsメタファイル(.emf)」を選択し保存します。スライドが複数ある場合は、すべてのスライドを選択すれば、各スライドが拡張Windowsメタファイル形式で一つのフォルダにまとめて保存されます。

スライドの書き出しを終えたら、一旦ファイルを閉じます。

ポスター用のスライドにデータを挿入する

次に、ポスター用のスライドを新規で作成します。「デザイン」タブから「スライドのサイズ」、「ユーザー設定のスライドサイズ」の順にクリックし、任意のポスターサイズに変更します。

最後に、拡張Windowsメタファイル形式に書き出したスライドの画像データをドラッグ&ドロップでポスター用のスライドに配置します。「挿入」タブから該当するファイルを指定することでも挿入できます。挿入した後は画像を説明する順番に並べ、整列させながら見やすい配置に調整します。

2. ポスター用のスライドに直接要素を入力して作成する方法

ポスター用のスライドに直接要素を入力する方法は、レイアウトの自由度が高いため、工夫次第では見やすく作成することができます。一方、自由度の高さゆえに、後述するようなデザインの知識を持ち合わせていないと見づらくなってしまう可能性もあります。

学会ポスターを一からデザインする際のポイント

学会のポスター発表では、会場に用意されたパネルに各ポスターが掲示され、指定時間になると参加者が会場に入ってきて研究成果を見て回る、という流れが一般的です。

発表件数が多い場合には、参加者が一つのポスターを見るのにかけられる時間が短くなりますし、参加者が多い場合には遠くからポスターを流し見せざるを得ない場合もあります。学会ポスターは、そうした制約も考慮して作成する必要があります。

ここでは、学会ポスターをデザインする際の8つのポイントを解説します。

1. 一目で要点が分かるようにする

学会ポスターは、瞬時に要点をつかめるように工夫することが重要です。

具体的には、

・文字はできるだけ箇条書きや体言止めにして、文字数を減らす
・見出しをつけて、項目ごとにまとまりを出す

このような点を意識するとよいでしょう。

2. 論文の構成に沿って作成する

学会ポスターの構成は、論文の構成に沿って作成すると論理展開が整理され、学会参加者にとって理解しやすくなります。論文の構成は一般的には、①研究背景、②目的、③方法、④結果、⑤考察です。学会ポスターでは、これら5つの要素ごとにセクションを分割し作成していくのがおすすめです。

3. 十分な余白をとる

見やすいポスターを作るためには、余白を意識することも重要です。項目ごとにグリッド(高さや幅の規則性)を意識することで、余白がとりやすくなります。スライドのサイズを指定した後に、グリッドを意識して枠組みを考え、先ほど列挙した構成の5つの要素の大まかな配置を決めてからデザインを進めると、制作を進めやすくなります。

また、A0サイズのポスターの場合は一般的に、縁周りを3cm、項目と項目の間は5cm程ほどの余白をとると見やすくなります。

4. 情報は整列する

学会ポスターに限ったことではありませんが、小見出しや本文など、階層関係が同列の要素は高さや幅など整列することで、より見やすくなります。グラフや表を複数挿入する場合は、それらの高さや幅などを整列することも重要です。整列がされていないと読みにくくなるだけではなく、誤った理解を促してしまうこともあるので注意しましょう。

5. 判別しやすいフォントサイズを使う

学会ポスターのフォントサイズは、少なくとも1~2m先からでも判別しやすいサイズを保つことが推奨されます。また、タイトルや小見出し、本文などのカテゴリー(情報階層)ごとに文字サイズを統一すると、見やすくなります。目安として、次のフォントサイズを参考にするとよいでしょう。

・タイトル :70~90pt
・小見出し :60~70pt
・本文   :32~40pt
・氏名・所属:48~54pt

6. フォントの種類は読みやすさを重視する

学会ポスターの目的は研究成果を正確に伝えることにありますので、デザインによるインパクトよりも文字の視認性・可読性・判読性を重視することが重要です。基本的には、フォントの種類は多用せず、和文・欧文それぞれで1種類ずつ使用することがおすすめです。

和文フォントは「メイリオ」または「游ゴシック」、欧文フォントは「Segoe UI」または「Calibri」がおすすめです。これらのフォントは、縦横の線の太さが均一であるという特徴があります。遠くから見る場合でも比較的見やすさを保つことができます。「游ゴシック」は比較的細い書体のため、遠くからでも見えるようポスターでは太字を基本に用いることがおすすめです。

下の記事では、フォントについてより詳しく解説しています。

【関連記事】
パワーポイントのおすすめフォント!選び方から設定方法まで解説

7. シンプルなデザインを心がける

学会ポスターの目的はあくまで研究成果を正確に伝えることにあります。過度な装飾を施すと、肝心の研究内容に目が向かなくなる恐れがあります。凝った装飾やグラデーションなどの効果は使用せず、シンプルなデザインを心がけましょう。

8. 色数を絞る

シンプルなデザインに関連しますが、資料全体でテーマとなるカラーを、メインカラー、アクセントカラー、サブカラーの3種類に抑えることで統一感が出ます。またアクセントカラーは多用するとかえって強調箇所が伝わりづらくなるので、最小限の使用にとどめましょう。

配色を決める際には、色覚の多様性に配慮して「ユニバーサルデザイン」を意識した設計にするとよいでしょう。色覚の多様性とは、赤や緑が混ざる特定の範囲の色に関して、差を感じにくいという色覚の特性のことです。日本人では男性の20人に1人、女性の500人に1人の確率でこの特性を有するとも言われています。

NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構のウェブサイトでは、色覚の多様性に配慮した配色パレットが公開されていますので、参考にしてみてください。

また、下の記事でも資料の配色について解説しています。

【関連記事】
伝わりやすいパワーポイントの色使いのポイントを解説!

入稿前に行うデータ内容の確認方法

上述の通り、学会ポスターの印刷は業者に依頼することが一般的です。業者にデータを入稿した後に誤植が見つかり、印刷がやり直しになるという事態は避けたいですよね。

ここでは、完成したポスターのデザインを最終確認する方法を3つ紹介します。

1. 仕上がりサイズに拡大する

パワーポイントで作ったスライドを仕上がりサイズに拡大してみましょう。実寸に拡大することで、文字の大きさが適切かどうかや画像が粗くないかどうかを確認することができます。

拡大表示するためには、パワーポイントの標準編集画面の右下にある、「+-」がついたスライダーを+方向に動かすか、「+」をクリックすることで任意の倍率に拡大します。

データを仕上がりサイズで作成している場合は、拡大表示100%で実寸になります。同比率縮小で作成している場合は、

「仕上がり縦(または横)サイズ ÷ 縮小縦(または横)サイズ × 100」

で拡大率を算出することができます。

たとえば、ポスターの仕上がりがA0サイズ(841mmx1189mm)で、データがA4サイズ(210mmx297mm)の場合は、

「841 ÷ 210 × 100 = 400.476190476」

となるので、パワーポイント上で倍率を400%に指定します。

2. PDF形式に書き出して見比べる

仕上がりデータをPDF形式に書き出し、パワーポイントでの表示画面と見比べてみましょう。作成データをパワーポイント形式とPDF形式の両方を見比べることで、レイアウトのずれを確認しやすくなります。

また印刷業者へ依頼する際は、PDF形式のデータを求められる場合が多いので、最終確認も兼ねてPDF形式のデータを用意することをおすすめします。

パワーポイントで作ったデータをPDF形式で書き出すためには、「ファイル」タブにある「名前を付けて保存」をクリックします。そして、ファイルの種類を選択するダイアログで「PDF」を選択します。

パワーポイントからPDFに出力する際のスライドのサイズ指定は、「ユーザー設定」を選択し、幅、高さに仕上がりサイズ(用紙サイズ)をそれぞれ直接入力した上で、データを保存します。 

3. 第三者にチェックしてもらう

作成したデータを研究室のメンバーなど他の人にも見てもらい、第三者の視点から助言をもらいましょう。

その場合、パワーポイント形式ではなく、PDF形式のデータをチェックしてもらうことをおすすめします。パワーポイントで作成したデータを他のデバイスで見た時に、OSやパワーポイントのバージョンが同じでないと、レイアウトに違いが出る場合があるためです。PDF形式なら閲覧環境を問いません。

学会ポスターの印刷方法

最後に、学会ポスターを印刷するための方法を紹介します。学会ポスターに限った話ではありませんが、印刷方法は大きく分けると、印刷会社の実店舗に印刷用データを直接持ち込む方法と、インターネットを経由してネット印刷会社に依頼する方法の2種類があります。

方法①印刷会社に直接持ち込む

実店舗に印刷用データを直接持ち込む印刷方法は、仕上がり確認がすぐにできる点にメリットがあります。データの修正が必要な場合にも、その場で柔軟に対応してくれることが多いです。また、印刷会社によっては即日仕上げも可能なので、緊急時にも安心ですね。

また学会会場が遠方でポスターが荷物になる場合は、現地の印刷会社に持ち込み、現地で印刷するというケースもあります。その場合には、事前に現地の印刷会社をよく調べておくことをおすすめします。

データ修正や納期の面で柔軟に対応してもらえる分、費用がやや割高になることがあります。そのため、時間に余裕があり費用を抑えたい場合には、次の方法がおすすめです。

方法②ネット印刷会社に依頼する

ネット印刷会社でWeb申し込みをして印刷する方法もあります。一般的な流れとしては、ネット印刷会社のウェブサイトにアクセスし、専用ページから印刷用データを入稿し、そのデータをネット印刷会社が印刷し納品するという流れです。納品方法は郵送が一般的です。

ネット印刷会社を利用するメリットは、印刷会社へ直接持ち込む場合よりも費用が抑えられる点です。一方デメリットとしては、インターネットでやりとりをする分、細かい修正には対応してもらえない場合があります。また、短納期で対応してもらえる会社もありますが、日数がかかる会社もあるため、急いでいる場合は所要日数を注意して確認しましょう。

納期の目安としては、3~7日くらいを見ておくとよいでしょう。業者によっては発表会場まで直接郵送してもらえるよう手配することも可能ですが、その場合は、学会当日まで仕上がりを確認することはできません。

最近では、実店舗とネット印刷会社の両方の性質を兼ね備えている業者も増えています。たとえばキンコーズなどでは、インターネット経由でデータを入稿しておいて、指定された時間に実店舗にポスターを受け取りに行くこともできます。

どのような方法でポスター印刷をおこなうかは、時間や予算の状況に応じて、柔軟に使い分けるとよいでしょう。

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