新規事業テーマを選定する3つのフレームを徹底解説!
本記事では、新規事業テーマの選定方法について徹底解説します。
市場の観点や技術の視点、事業モデルの選択など、様々なアプローチを紹介し、成功に導くテーマを見出す手助けをします。
具体的な手法や実例を交えながら、競争優位性を持つ事業を立ち上げるための戦略を学びましょう。
目次
・新規事業を選定する3つのフレームとは
・1. 市場の観点でテーマを選定する方法
- 市場調査を実施する
- セグメンテーションを行う
- ターゲットを選択する
- ポジショニングを明確にする
- マーケティング戦略の実行
・2. 技術の観点でテーマを選定する方法
- 自社の技術の棚卸、コア技術を特定する
- 技術の強みやメリットを明確にする
・3. 事業モデルからテーマを選定する時のモデル5選
- 物販モデルから選定する(農家)
- 小売りモデルから選定する(スーパー・コンビニ)
- 広告モデルから選定する(メディア)
- 従量課金モデルから選定する(公共サービス)
- サブスクリプションモデルから選定する(動画サイト)
・様々な視点で新規事業テーマを選定しよう
新規事業を選定する3つのフレームとは
新規事業を成功に導くためには、テーマ選定が極めて重要です。
適切なテーマを見極めるためには、市場、技術、そして事業モデルという3つの観点からアプローチするフレームが効果的です。
これらのフレームを活用することで、ビジネスの方向性が明確になり、成功の可能性を高めることができます。
1. 市場の観点でテーマを選定する方法
市場調査を実施する
新規事業のテーマ選定において、市場調査は極めて重要な役割を果たします。
市場の動向、顧客の行動(ニーズ)、テクノロジーの進化などが刻々と変化する現代において、企業は迅速に新規事業を立ち上げ、成長分野への移行を図る必要があります。
セグメンテーションを行う
市場の細分化(セグメンテーション)は、新規事業のターゲット市場を特定するための重要なマーケティング手法です。
この過程で、収益性が見込める市場を一定の特徴ごとに分割し、最適なターゲット市場を見出します。
ターゲットを選択する
ターゲット選定は新規事業の成功に不可欠です。
適切な選定により、市場が明確になり、競合が減少し、事業効率が向上します。
選定の重要基準
- Rank(優先順位):経営戦略との整合性
- Realistic(規模の有効性):十分な規模/利益
- Reach(到達可能性):アプローチ可能性
- Response(測定可能性):特性の定量把握
注意点:最も価値ある顧客層に集中し、単純な属性のみでの絞り込みは避けましょう。
ポジショニングを明確にする
ポジショニングとは、自社の製品やサービスが市場でどのような立ち位置にあるかを決定することです。
ポジショニングの目的は、顧客の心に自社製品の特定のイメージを刻み込み、市場における確固たる位置を築くことにあります。
これにより、競合他社との差別化を図り、自社の強みをターゲット層に効果的にアピールすることが可能になります。
また、明確なポジショニングは、マーケティング戦略やその他の戦術を策定する上でも重要な指針となります。
マーケティング戦略の実行
マーケティング戦略の実行段階では、商品やサービスを単に市場に投入するだけでなく、顧客体験の最適化、デジタルマーケティングの活用、マルチチャネル戦略の展開、そして持続的なブランディングなど、さまざまな取り組みが求められます。
そして、戦略を効果的に実行するためには、売上や市場シェア、顧客エンゲージメント、ブランド認知度などをKPI(重要業績評価指標)として設定し、それに基づいて定性・定量評価を行うことが重要です。
評価の際には、主観に頼らず、マーケットリサーチや顧客行動データ、販売データなど、客観的なデータに基づいて意思決定を行いましょう。
2. 技術の観点でテーマを選定する方法
社の技術の棚卸、コア技術を特定する
まずは、自社が保有する技術を徹底的に洗い出す「技術の棚卸」を行うことが重要です。
技術の棚卸というと、技術の一覧表やデータベースの作成に意識が向きがちですが、実際に重要なのは、洗い出した技術を評価し、コア技術を特定することにあります。
技術を評価する方法はいくつかあります。
例えば、技術の成熟度や自社の技術水準で評価を行う方法、あるいは企業のビジョンとの合致度、模倣の困難さ、技術を効果的に活用するための組織能力の有無などの観点から評価する方法があります。
自社に適した評価方法を用いることで、自社の強みとなるコア技術を正確に見極めることが可能です。
技術の強みやメリットを明確にする
自社のコア技術を特定した後、その技術がどのように顧客価値に貢献するかを見極めることは簡単ではありません。
このときに効果的な手法の一つが「技術の機能化」です。
例えば、センシング技術を考える際には、その技術を制御技術、測定技術、感知技術といった具体的な要素に分解してみます。そして、「どんな環境でも動く物体を検知できる」といった形で、技術の可能性を具体的に言語化します。
このプロセスを通じて、技術と顧客の課題をより確実に結びつけることができ、技術を応用できる新しい領域を見つけやすくなります。
3.事業モデルからテーマを選定する時のモデル5選
物販モデルから選定する(農家)
物販モデルとは、商品を製造し、それを販売することで対価を得るビジネスモデルを指します。
その代表的な例が農家です。
農家は、米や野菜といった農作物を自ら生産し、それを販売して収益を得ています。
この農業に代表される第一次産業は、物販モデルの典型であり、他の業種においてもこのモデルを参考にすることができます。
小売りモデルから選定する(スーパー・コンビニ)
小売りモデルとは、商品を仕入れて販売するビジネスモデルを指します。
代表的な例としては、スーパーマーケットやコンビニエンスストアが挙げられます。
このモデルの特徴として、自社で商品開発を行わない点があり、仕組み自体は物販モデルに似ています。
しかし、小売りモデルと物販モデルの大きな違いは、競合他社が多いため、利益率が低くなる傾向がある点です。
広告モデルから選定する(メディア)
広告モデルとは、ターゲットとなる多くの顧客に無料でサービスを提供し、広告宣伝によって収益を得るビジネスモデルです。
新聞やテレビ局、Webメディア、SNSなどがその代表例です。
このモデルの特徴は、提供するコンテンツの人気度が広告収入に直結する点にあります。コンテンツが多くの関心を集めるほど、広告収益が増える仕組みです。
従量課金モデルから選定する(公共サービス)
従量課金モデルとは、使用した量に応じて料金が発生するビジネスモデルを指します。
代表的な例には、電気やガス、水道、携帯電話の利用料金、さらには走行距離に基づいて加算されるタクシー料金などがあります。
このモデルでは、顧客が実際にサービスを利用した分だけ料金を支払う仕組みとなっており、顧客自身がコストをコントロールできるのが大きな特徴です。
サブスクリプションモデルから選定する(動画サイト)
サブスクリプションモデルとは、提供されるサービスに対して一定期間(月額など)料金を支払うビジネスモデルを指します。代表的な例として、AmazonプライムやNetflix、Huluなどがあります。
このモデルの特徴は、顧客の離脱率が低く、顧客との関係を維持しやすい点です。
また、定期的な収入が見込めるため、安定した利益を追求しやすいという利点もあります。
様々な視点で新規事業テーマを選定しよう
新規事業のテーマ選定には、市場や技術、事業モデルの観点から多角的にアプローチすることが重要です。
それぞれの視点を考慮することで、競争優位性を持つテーマを見出すことができます。
特に、顧客ニーズやトレンドを把握し、自社の強みを活かすことが成功のカギとなります。新規事業の立ち上げに向けて、柔軟な発想と戦略的な思考を持って取り組んでいきましょう。
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