【制作事例付】サステナビリティレポートとは?目的や盛り込むべき項目・作り方を解説

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サステナビリティレポートとは

サステナビリティレポートに盛り込むべき内容や作成方法がわからず、資料作成が滞っている方も多くいらっしゃると思います。
そこで本記事では、サステナビリティレポートの目的や構成、作り方まで解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください!

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サステナビリティレポートとは|概要を解説

まず、サステナビリティレポートという言葉の意味や、CSRレポート・統合報告書との違いについて解説します。

  1. 1.持続可能な取り組みにまつわる報告書
  2. 2.サステナビリティレポートを作成する目的
  3. 3.CSRレポートとの違い
  4. 4.統合報告書との違い

1.持続可能な取り組みにまつわる報告書

サステナビリティレポートとは、企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みをステークホルダーに向けて報告する文書のこと。ESG3要素の詳細は、以下のとおりです。

項目概要
Environment(環境)気候変動対策、資源の有効活用、生物多様性の保全など、環境に配慮した企業活動を行うこと
Social(社会)人権の尊重、ダイバーシティの推進、労働環境の整備など、社会的責任を果たす取り組みを行うこと
Governance(ガバナンス)透明性の高い経営、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化など、健全な企業統治を行うこと

事業活動が環境や社会に与える影響を開示し、持続可能な社会の実現に向けた企業の姿勢を示すことがサステナビリティレポートの主な目的です。

温室効果ガス排出量の削減や再生可能エネルギーの導入などの環境面から人権尊重や地域貢献活動などの社会面まで幅広いテーマを網羅しているのが、サステナビリティレポートの特徴と言えます。

サステナビリティレポートは、企業が非財務情報を開示し、ステークホルダーとの信頼関係を築く重要なコミュニケーションツールの一つです。企業の持続可能性への取り組みを包括的に伝える役割を担っている資料と言えるでしょう。

2.サステナビリティレポートを作成する目的

ステークホルダーに対し、企業の持続可能性への取り組みを伝え、理解と支持を得ることが主な目的です。自社のサステナビリティ戦略や目標、進捗状況を社内外に明確に示すことで、社内の意識を強化し取り組みの加速を図る効果も期待できるでしょう。

また、ESG評価の向上により、投資家からの信頼獲得につなげることも狙いの一つです。優秀な人材の獲得や従業員エンゲージメントの向上など、企業価値向上の観点からも重要な役割を果たします。

サステナビリティレポートの作成・公表は、企業の持続的成長に不可欠な取り組みのひとつです。

3.CSRレポートとの違い

サステナビリティレポートとCSRレポートは、ともに企業の非財務情報を開示する報告書ですが、重点の置き方が異なります。

CSRレポートは、主に企業がどれくらい社会的責任を果たせているのかを評価するために作成する報告書です。

一方、サステナビリティレポートはESG全般を網羅し、企業の持続可能性に関わる情報を幅広く開示します。CSRレポートが社会への貢献を重視するのに対し、サステナビリティレポートは自社の持続的成長に重点を置く傾向があります。

つまりサステナビリティレポートは、CSRレポートの内容を包含しつつ、より戦略的な視点から企業の持続可能性を報告する資料と言えるでしょう。

4.統合報告書との違い

サステナビリティレポートと統合報告書はともに非財務情報の開示を重視しますが、統合報告書はより財務情報との関連性を重視します。

統合報告書は、財務情報と非財務情報を統合的に報告することで、企業価値創造のプロセスを説明することを目的とします。主に投資家が読むことを想定しているため、企業独自の強みや知的資産、今後の事業展開など投資判断に必要な情報が重点的にまとめられているのが特徴です。

サステナビリティレポートがESGの取り組みを中心に報告するのに対し、統合報告書は財務戦略とESG戦略の統合的な説明に重きを置いている傾向があります。

サステナビリティレポートを作成するべき理由

次に、サステナビリティレポートを作成すべき理由について、詳しく解説します。

  1. 1.ステークホルダーからの信頼を獲得できる
  2. 2.自社のESGへの取り組みについて報告できる

一つずつ見ていきましょう。

1.ステークホルダーからの信頼を獲得できる

サステナビリティレポートを公表することで、企業の透明性や説明責任を果たせます。ESGへの取り組みを開示することで、投資家や顧客、従業員などのステークホルダーからの信頼を獲得できるでしょう。

とくに、機関投資家の間ではESG投資が主流となっており、サステナビリティレポートはESG評価の重要な判断材料と言えます。また、企業の社会的責任を果たす姿勢を示すことで、地域からの信頼や支持を得られるでしょう。

ステークホルダーからの信頼は、企業の長期的な成長や競争力強化に不可欠な要素であり、サステナビリティレポートはその基盤を築く役割を担っています。

2.自社のESGへの取り組みについて報告できる

サステナビリティレポートを作成することで、自社のESGへの取り組みを包括的に報告できます。環境負荷の低減や人権尊重、コーポレートガバナンスの強化など、ESGに関する方針や目標、具体的な活動内容を網羅的に開示する役割があるのです。

過去の取り組み実績や進捗状況、今後の計画などを体系的に整理して報告すれば、企業運営の健全性をアピールできるでしょう。

またESGについての取り組みが社外に公開されることで、社員ひとりひとりの意識が高くなり、社内のESG推進体制の整備や取り組みの強化にもつなげられます。

サステナビリティレポートの作成プロセスを通じて、ESGに関する社内の意識向上や理解促進、目標の共有化など、組織全体でESGを推進する基盤を構築できるのです。

サステナビリティレポートに盛り込むべき項目

サステナビリティレポートで紹介すべき項目の代表例を5つ紹介します。

  1. 1.組織と取り組み
  2. 2.ガバナンス
  3. 3.戦略や方針
  4. 4.ステークホルダー・エンゲージメント
  5. 5.マテリアリティの特定

自社でサステナビリティレポートを作成する際は、ぜひ参考にしてみてください。

1.組織と取り組み

企業名や活動拠点などの組織としての基本的な情報と、サステナビリティに関する取り組みについて報告します。

サステナビリティに関する報告については、環境マネジメントシステムの構築や環境配慮製品の開発など、具体的な活動内容が挙げられるでしょう。

また、気候変動対策やエネルギー管理、水資源の保全、生物多様性の保護など、環境分野での活動実績も紹介します。

サプライチェーン全体でのサステナビリティ推進体制や、取引先との協働・支援の取り組みについても言及できるとなお良いでしょう。

温室効果ガス排出量や廃棄物発生量などの環境パフォーマンスデータを経年比較できる形で掲載し、取り組みの進捗を定量的に示せると説得力が増します。

2.ガバナンス

コーポレートガバナンス体制の概要や、取締役会の構成・役割などを説明します。企業の体制を構成する機関やグループ、事業部の名称と各機関を構成するメンバーを示しましょう。

また、それぞれの機関に与えられた役割や独立性、報酬体制についても明らかにします。経営の透明性や説明責任を果たすための情報開示の方針や、ステークホルダーとの対話の取り組みを紹介するのも良いでしょう。

コンプライアンス推進の体制や、腐敗防止・贈収賄防止の取り組みについて言及します。株主構成や議決権行使結果、役員報酬の決定プロセスなど、ガバナンスに関する各種データも盛り込むと良いでしょう。

また、企業体制図を用意すると非常に見やすくなるので、組織が複雑な場合は作成することをおすすめします。

3.戦略や方針

サステナビリティに関する企業の基本的な考え方や、目指す姿を明確に示します。自社のビジネスモデルや事業が外部の環境に及ぼす影響を特定したうえで、各項目における戦略や取り組みを記載しましょう。

また、どのように外部環境への影響を特定したのかについても、説明できると説得力が増します。自社の経営理念やビジョンと紐づけて、サステナビリティ戦略の位置づけを説明できるとなお良いでしょう。

中長期的な目標や計画を設定し、具体的な取り組み内容や進捗状況を報告します。サステナビリティ戦略の推進がどのように企業価値の向上につながるのかについて、ストーリー性を持って説明するのも大切です。

4.ステークホルダー・エンゲージメント

ステークホルダー・エンゲージメントとは、企業や事業者がステークホルダーのことを理解し、ステークホルダーの関心事を、事業や意思決定に組み込むプロセスのことを指します。

たとえば、外部有識者と社内幹部が意見交換するステークホルダー・ダイアログの開催や、アンケート調査の実施など、能動的に外部の意見を取り入れている実績を掲載しましょう。

ステークホルダーとの対話を通じて得られた意見や考えを、サステナビリティ戦略や活動に反映するプロセスを説明するのも重要なポイントです。

5.マテリアリティの特定

自社にとっての重要課題(マテリアリティ)を特定し、その選定プロセスを説明します。ステークホルダーの意見を踏まえたマテリアリティの見直しや、優先順位付けの考え方を開示するのも良いでしょう。

特定されたマテリアリティについて、その背景や位置づけ、対応方針を具体的に説明します。マテリアリティに紐づく目標やKPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗状況をモニタリングする体制を報告することも大切です。

マテリアリティへの取り組みが、自社の競争力強化や企業価値向上につながることを、わかりやすいロジックで示すことが求められるでしょう。

サステナビリティレポートの作り方

ここでは、サステナビリティレポートの作成手順を3つに分けて解説します。

  1. 1.制作目的を明確にする
  2. 2.スケジュールを定める
  3. 3.ガイドラインを参考にする

自社でサステナビリティレポートを作成することをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.制作目的を明確にする

サステナビリティレポートの作成目的を明確にすることが、制作プロセスの出発点です。ステークホルダーとのコミュニケーションツールとしての位置づけを確認し、ターゲットを明確にしましょう。

ターゲットとなるステークホルダーの期待やニーズを理解し、興味や関心事にマッチした情報を提供することが重要です。目的とターゲットが明確になれば、報告すべき情報の範囲や深さを調整できるでしょう。

レポートの制作目的を関係者で共有し、レポート作成の意義や重要性に対する理解を固めることも大切です。

2.スケジュールを定める

サステナビリティレポートの制作は、複数部門の協力が不可欠なため、全体のスケジュール管理が重要です。情報収集や原稿作成、デザイン、校正など、制作プロセスの各段階に十分な時間を割り当てましょう

各部門の担当者や役割分担を明確にし、進捗管理を徹底します。経営層への報告や承認プロセスも考慮し、スケジュールに余裕を持たせるようにしましょう。

公表時期を見据えて全体のタイムラインを設計し、計画的に制作を進めることが重要です。

3.ガイドラインを参考にする

サステナビリティレポートには、さまざまなガイドラインがあります。自社の業種や作成するレポートの構成に合わせてガイドラインを選ぶと作りやすいでしょう。

具体的なガイドラインは以下のとおりです。

ガイドライン概要
GRI スタンダードサステナビリティ報告のグローバルスタンダード
SASBスタンダード77の業界ごとに細かくガイドラインが用意されている
TCFD提言機構関連リスクに関するガイドライン
日本規格協会グループ「ISO26000」社会的責任に関する手引書

事実、このようなガイドラインを参考に、サステナビリティレポートが作成されているケースがほとんどです。ガイドラインの報告原則や開示要求事項を理解し、自社の報告内容の充実度をチェックしましょう

ガイドラインを参考にしつつ、自社の重要課題や独自性を反映したオリジナリティのある報告を心がけることが大切です。

弊社のサステナビリティレポート制作事例

弊社ストリームラインは、サステナビリティレポートの作成代行も承っています。
代表的な制作事例として、岩崎通信機株式会社様のサステナビリティレポートをご紹介させていただきます。

サステナビリティレポートに盛り込むべき要点として、以下のポイントがありました。

  • サステナビリティ経営に対する考え方
  • 持続可能な環境と社会への課題に関する取り組みや活動内容
  • ガバナンス体制など

以上の項目を資料に盛り込みつつ、全体構造を掴みやすい章立てとストーリー設計、サステナビリティレポートらしいデザインなど、細部にこだわり読み手目線に立った工夫を施しました。

その結果、「構成面からデザインまで細部にわたって丁寧に作り込まれている」とご満足していただける結果に。

また、役員の方からも「分かりやすくまとめてくれた」と好評で、社内向けに「ESG経営とは」というテーマについて理解を深めるのにも役立ててもらえました。

岩崎通信機株式会社様サステナビリティレポート
岩崎通信機株式会社様サステナビリティレポート
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岩崎通信機株式会社様サステナビリティレポート
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弊社ストリームラインは、サステナビリティレポートの作成代行も承っています。資料作成を依頼したい方は、IR資料の制作に特化したサービス「LEAD」までお気軽にお問い合わせください。

サステナビリティレポートを作成して自社の取り組みを伝えよう

サステナビリティレポートは、自社のESGへの取り組みを包括的に報告し、ステークホルダーとの対話を深める重要な資料です。情報開示を通じて企業の透明性や説明責任を果たせば、ステークホルダーからの信頼や支持を獲得できるでしょう。

また、レポート作成のプロセスは、自社のサステナビリティ戦略を見直し、ESG経営を推進する良い機会にもなります。

サステナビリティレポートを通じて、自社の持続可能な価値創造ストーリーを伝え、ステークホルダーと共に持続可能な社会の実現を目指していきましょう。

自社で作成が難しい場合は、資料制作代行サービスの「バーチャルプランナー」やIR資料特化サービスの「LEAD」までお気軽にお問い合わせください。

資料作成代行サービスを提供するストリームラインが、自社のノウハウである資料作成術やパワーポイントの操作テクニックをご紹介します。

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