入社したい!と思わせる採用説明会資料とは|資料の役割や必須項目を徹底解説

採用説明会資料の作成は、求職者に自社の魅力を効果的に伝えるための重要なステップです。
この記事では、採用説明会の目的や資料に含めるべき内容、さらに説明会資料を魅力的に仕上げるためのポイントを徹底解説します。
自社の価値観や業界の立ち位置、社員の声を交えて、求職者に「この会社で働きたい!」と思わせるための資料作成術を学びましょう。
目次
・採用説明会とは?
合同説明会
単独説明会
・採用説明会を実施する目的
1. 自社への理解を深める
2. 学生や求職者の疑問に答える
3. 感情的な意思決定の材料となる
・採用説明会の資料が重要な役割を持つ理由
・採用説明会資料に盛り込むべき内容10項目
①どんな業界なのか?
②どんな価値を提供する会社なのか?
③業界の中でのポジショニングは?
④入社すればどのような生活基盤やスキルが獲得されるのか?
⑤入社の方法はどのようなものか?
⑥会社が大切にしている価値観は何か?
⑦社員が大切にしている価値観は何か?
⑧社員は顧客の状況にどのような変化を与えているか?
⑨社長や役員、管理職、社員はそれぞれどんな人物か?
⑩今後どのような会社を目指していくのか?
・さらに説得力を高めるには?
1. 新卒入社で活躍している社員の話
2. 中途入社で活躍している社員の話
3. 顧客のエピソードやメッセージ
・まとめ
採用説明会とは?
採用説明会とは、企業が求職者に対して自社の魅力や事業内容、採用情報などを直接伝える場のことです。この場を通じて、求職者が企業への理解を深めるだけでなく、企業側も自社にマッチする人材にアプローチする絶好の機会となります。
説明会には大きく分けて、複数の企業が参加する「合同説明会」と、一つの企業だけで実施される「単独説明会」の2種類があります。それぞれ特徴が異なり、目的に応じて使い分けられるのが一般的です。
合同説明会
同じ会場に複数の企業が集まり、求職者に情報を発信する形式です。
短時間で多くの企業と出会えるため、求職者の参加率が高いのが特徴です。
また、企業にとっても広く求職者に認知される機会となるほか、競合他社の採用状況を把握する場としても活用できます。
単独説明会
特定の企業が主催するイベントで、より深く企業の魅力やビジョンを伝えることが可能です。
参加者がその企業に強い関心を持っていることが多く、双方にとって効率的なコミュニケーションが図れるのがメリットです。
採用説明会は、企業が単に情報を提供する場にとどまらず、求職者との信頼関係を築き、入社意欲を高める重要な接点となります。
そのため、企業側には、分かりやすく、かつ魅力的なプレゼンテーションを用意することが求められます。
採用説明会を実施する目的
採用説明会は、単に企業の情報を提供する場ではありません。求職者に「この会社で働きたい!」と思わせるための最初の重要な接点です。
ここでの成功は、優秀な人材の獲得に直結します。本項では、採用説明会を開催する主な目的を3つの観点から解説します。
1. 自社への理解を深める
採用説明会は、自社を知ってもらう絶好の機会です。
特に、業界内で知名度が高くない企業やニッチな分野で活動する企業にとっては、自社を正確に理解してもらうことが、採用活動の第一歩となります。
説明会では、企業の事業内容や価値観、働く環境について具体的なイメージを持たせることが重要です。参加者が「ここで働く自分」を想像できれば、応募意欲が高まるでしょう。
また、説明会を通じて求職者との交流を深めることで、応募後の選考へのモチベーションを高める効果も期待できます。
2. 学生や求職者の疑問に答える
採用説明会のもう一つの目的は、学生や求職者が抱く疑問を解消することです。企業の将来性、業界での立ち位置、具体的な職務内容など、求職者が知りたい情報は多岐にわたります。
これらの疑問に対して的確かつ簡潔に答えることで、企業への信頼感を構築できます。
加えて、図表やビジュアルを駆使した説明は、情報の理解を促進し、記憶に残りやすくします。曖昧な回答や情報不足は、優秀な求職者の関心を失う原因となるため、注意が必要です。
3. 感情的な意思決定の材料となる
人が何かを選択する際、論理だけでなく感情も大きく影響します。
採用説明会では、求職者の感情に訴える演出も欠かせません。企業の理念や文化を伝える映像、社員の声を紹介するインタビュー動画などは、求職者の心に響く有効な手段です。
特に、「ここで働くことで自分の成長につながる」といった感覚を抱いてもらうことは、応募の意思を固めるうえで重要です。感情に響く情報を提供することで、企業への好印象を深めることができます。
採用説明会は、企業と求職者の双方向のコミュニケーションを図る場です。
この場を活用して、論理的な納得と感情的な共感の両方を得られる資料やプレゼンテーションを用意しましょう。それが、優秀な人材を惹きつける鍵となります。
採用説明会の資料が重要な役割を持つ理由
採用説明会の資料は、自社の魅力を効果的に伝える重要なツールです。
対面型説明会では、直接話を聞けなかった学生にも情報を届け、興味を持った学生が後日訪問するきっかけを作れます。
合同説明会用に特化した資料を用意することで、ターゲット層に響く内容を効率的に伝え、競合他社との差別化も図れます。
オンライン形式では「採用ピッチ資料」の活用がおすすめです。
給与や働き方など具体的な情報を透明性高く提示することで、信頼感を与えつつ採用後のミスマッチを防げます。
また、個別採用では、この資料を活用して学生一人ひとりに自社の魅力を効果的にアピールできます。採用資料は、採用活動の成功を左右する重要なコミュニケーションツールです。
採用説明会資料に盛り込むべき内容10項目
採用説明会資料は、求職者が「この会社に入りたい!」と思えるような情報を網羅することが重要です。以下の10項目を盛り込むことで、会社の魅力や特徴を効果的に伝えることができます。
- ①どんな業界なのか?
- ②どんな価値を提供する会社なのか?
- ③業界の中でのポジショニングは?
- ④入社すればどのような生活基盤やスキルが獲得されるのか?
- ⑤入社の方法はどのようなものか?
- ⑥会社が大切にしている価値観は何か?
- ⑦社員が大切にしている価値観は何か?
- ⑧社員は顧客の状況にどのような変化を与えているか?
- ⑨社長や役員、管理職、社員はそれぞれどんな人物か?
- ⑩今後どのような会社を目指していくのか?
①どんな業界なのか?
会社が属する業界について簡潔に説明しましょう。その業界が抱える課題や成長性、今後の展望を示すことで、求職者に会社の背景や可能性を理解してもらいます。
たとえば、「〇〇業界は〇〇%の成長が見込まれ、当社はその中核を担っています」と具体的に伝えると説得力が増します。
②どんな価値を提供する会社なのか?
自社が提供している価値を明確に示しましょう。商品やサービスの独自性だけでなく、顧客や社会にどのような影響を与えているのかを具体例を交えて説明します。
たとえば、「当社の〇〇は、業界初の技術を活用し、顧客の生産性を〇〇%向上させています」といった内容が効果的です。
③業界の中でのポジショニングは?
競合他社と比較した際の自社の立ち位置を明確にすることで、求職者に自社の強みを理解してもらえます。「市場シェア〇位」「〇〇部門で業界トップ」などのデータを盛り込み、具体的な数字や事例を用いると、より信頼感が高まります。
④入社すればどのような生活基盤やスキルが獲得されるのか?
入社後のキャリアパスや得られるスキルについて具体的に説明しましょう。
「3年で〇〇スキルを習得」「5年後には管理職を目指せるキャリアパス」など、求職者が自分の未来像を描ける内容を提供することが大切です。
⑤入社の方法はどのようなものか?
選考プロセスや採用スケジュールについて詳しく説明します。
応募から内定までの流れをわかりやすく示し、オンライン対応や面接の回数など、求職者が安心して応募できる情報を提供しましょう。
⑥会社が大切にしている価値観は何か?
自社の理念やミッションを伝えることは、求職者にとっての共感ポイントになります。
たとえば、「私たちは『〇〇で社会を変える』を掲げ、すべてのプロジェクトに取り組んでいます」と具体的なエピソードを交えると、信念が伝わりやすくなります。
⑦社員が大切にしている価値観は何か?
社員が日々の業務で大切にしている考え方や行動指針を紹介します。
たとえば、「チームワークを重視し、社員同士がサポートし合う文化が根付いています」など、具体的な事例を用いると求職者にイメージが湧きやすくなります。
⑧社員は顧客の状況にどのような変化を与えているか?
社員の働きが顧客に与える影響を具体的に示しましょう。
「当社の提案により、顧客の売上が〇〇%向上」など、数値や実績を用いてストーリーとして伝えることで、仕事のやりがいや意義を感じてもらえます。
⑨社長や役員、管理職、社員はそれぞれどんな人物か?
トップから現場の社員まで、それぞれの人柄や役割を紹介します。
写真やインタビューを活用して、求職者が「一緒に働きたい」と思える人物像を伝えることがポイントです。
⑩今後どのような会社を目指していくのか?
自社のビジョンや今後の展望を明確に示すことで、求職者に「この会社で成長したい」と思わせることができます。
「〇年後に〇〇市場でトップを目指す」「新たな分野に挑戦する」など、具体的な未来像を伝えましょう。
これらの項目を盛り込んだ採用説明会資料は、求職者に会社の魅力を効果的に伝え、応募意欲を高める重要なツールとなります。
さらに説得力を高めるには?
採用説明会資料の内容は、会社の魅力を伝えるための重要なツールですが、それだけでは求職者に強い印象を与えるのは難しいこともあります。
資料に説得力を加えるためには、実際に働いている社員や顧客の声を盛り込むことが効果的です。
理論や数字だけでなく、実際の体験やエピソードを通じて、会社の価値観や文化をリアルに伝えることで、求職者に「この会社で働きたい!」と思わせることができます。
では、具体的にどのような方法で説得力を高められるのでしょうか?
1. 新卒入社で活躍している社員の話
新卒で入社した社員は、何百、何十という選択肢の中からこの会社を選んで入社した人です。
すでに習得したスキルや業界知識による制限はなく、ありとあらゆる業界が対象になりうるまっさらな状態から、数々の意思決定をして現職にたどり着いた人です。
そのため、「なぜこの会社を選んだか?」「入社前と入社後のギャップは?」などの質問の回答者として最も適する人物なのではないでしょうか。
そんな彼から、
「○○の点でギャップはあったけど、それは自分の仕事にポジティブに働いていて、△△という一面もあった。」
と実体験をもとに説明されたとしたら、あなたの会社の弱みも強みに変わりますね。(もちろん、嘘偽りなく実体験をもとに話すということがポイントです。)
2. 中途入社で活躍している社員の話
中途入社をした社員は、過去に違う会社で経験を積んだ上でこの会社を選び、現在も働いてるという貴重な人物です。他の会社の文化や仕事の内容を知った上で現職にいるため、明確な比較の軸があります。
単に「良い」「悪い」という話をするのではなく、ある比較軸から見たときの評価を客観的に下してくれる人なのです。
また、「前職で○○という経験をした人が、現在この会社を△△という点で評価している」といったように、前職での経験や実績という情報が乗ることによる、説得性の強化も期待できます。
3. 顧客のエピソードやメッセージ
これは一番準備が難しいコンテンツですが、「1to1のコミュニケーションに価値を感じる人」「自分の介在価値の大小に重きを置いている人」といった特定の価値観の人には非常に刺さるコンテンツだと思われます。
企業が顧客や社会に対してどのような影響を与えているか、というのは定量的にはわかるものの、本質的にどのような意味を持つのか、ということはわかりにくいこともありますよね。
「○○さんのおかげで売上が上がり、本当に良かった。○○さんの担当業務以外のことも相談に親身になってくれて、いまでは良き経営パートナーだと考えている。」
「○○さんの分析はいつも的確で、店舗の運営の在り方をいつも考えさせられる。うちの売上構造や課題を一番理解してくれている」
上記は「営業担当とクライアント」という関係性の中で発された言葉の一例です。
ものを売るだけの人ではなく、経営パートナーとしての価値を与えていることがわかりますよね。
このような自分の介在価値を直に感じられる体験に対して好感を持つ学生や求職者は多いはずです。
まとめ
採用説明会は、企業と求職者が互いに理解し合う重要な場です。この説明会で企業の魅力を効果的に伝えるためには、適切な資料作成が不可欠です。
資料には、業界や自社の魅力、社員の価値観、キャリアパスの提示など、求職者が心から共感し、興味を持つ内容を盛り込むことが大切です。また、理論的な説明だけでなく、実際の社員の声や体験談を交えることで、資料に説得力を加えることができます。
みなさんも求職者に「この会社で働きたい!」と思わせるための資料作成をぜひ作成してみましょう。