伝わるプレゼンの話し方8選:プロが教える秘訣や準備、緊張の解き方まで徹底解説
プレゼンテーションを成功させるために必要な要素として、今回は「話し方」に焦点をあてて説明します。
プレゼンテーションが伝わりやすくなる話し方のポイントや聞き手を引き込むちょっとした工夫、本番に向けた準備の方法まで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【基礎編】プレゼンテーションでの話し方8つのポイント
- POINT① ゆっくりと大きな声で話す
- POINT② 結論から話す
- POINT③ 聞き手と目を合わせる
- POINT④ 間(ま)を上手く使う
- POINT⑤ ジェスチャーを入れる
- POINT⑥ 語尾は自信を持って言い切る
- POINT⑦ 良い姿勢を維持する
- POINT⑧ 熱意を持って話す
【応用編】プロがおさえる「話し方」3つのテクニック
【練習編】プレゼンテーションを成功させるには?
- 成功させるには「準備」が重要
- 準備 1.目的を明確にする
- 準備 2.資料をしっかり整える
- 準備 3.練習を重ねて話し方を改善する
【基礎編】プレゼンテーションでの話し方8つのポイント
POINT① ゆっくりと大きな声で話す
1つめのポイントは、大きな声でゆっくりと話すことです。声のボリュームを維持しつつ相手の心に沁みわたるよう、一区切りずつていねいに話す事を心がけてみてください。またその際、口を大きく開けることを意識すると自然とゆっくりとした口調になっていきます。
緊張した状態で話すと、声は小さくなり、早口になってしまいがちです。ボソボソと小さな声で話すと自信がないように見えてしまい、聞き手に悪い印象を与えるばかりではなく、重要な情報を聞き取ってもらえない可能性もあります。せっかく頑張って準備したプレゼンが、話し方のせいで評価が下がってしまうのはもったいないですよね。
可能であれば、本番直前に発声練習をしておきましょう。マイクを使用する場合は、マイクテストを事前に行って音量の確認や調整もしておくと安心です。
POINT② 結論から話す
2つめのポイントは、結論から話すことです。プレゼンで伝えたい重要な結論を先に伝えることで、聞き手は「なるほど、今からこの内容についての細かい説明がはじまるんだな」と、目的をもってプレゼンを聞き始める事ができます。途中聞き手の想定と違う内容が出てくればそこから疑問や質問が生まれ、より活発に議論や意見が飛び交うきっかけをつくる事にも役立つでしょう。
たとえば3つのポイントについて解説する際には、「今回の提案のポイントは3つあります」など、結論から先に話し、徐々に具体的な話に掘り下げていきましょう。
意図的に結論を最後に持ってくる方法もありますが、結論が見えないまま話し続けると、結論に達する前に聞き手の関心がそれてしまう可能性があります。「さっきから話してるけど結局なにが言いたいの?」となってしまわないよう気を付けましょう。
POINT③ 聞き手と目を合わせる
3つめのポイントは、聞き手と目を合わせながら話すことです。特に決済権を持つ人物など、キーパーソンとはこまめに目を合わせることを意識しましょう。目を合わせながら話すことで、堂々とした印象も与えられます。
会場が広く聞き手が多い場合には「ワンセンテンスワンパーソン法」をおすすめします。ワンセンテンスワンパーソン法とは、1文ごとに視線を合わせる対象を変えていく方法です。これにより、会場全体にまんべんなく視線を向けることができます。
POINT④ 間(ま)を上手く使う
4つめのポイントは、話の「間」を上手く使うことです。間をコントロールすることで、プレゼンテーションの分かりやすさや印象が変わります。たとえば、重要なことを言う直前に一呼吸置くなど、間をとることでメリハリをつけると、プレゼンテーションが圧倒的に聞きやすく、印象に残りやすくなります。
適度な間があることで、聞き手に自分の頭の中で内容を噛み砕く時間を与えることもできます。その結果、聞き手の理解度を向上させることにつながります。そして、理解度が高いプレゼンテーションは「わかりやすい」という好印象につながります。
POINT⑤ ジェスチャーを入れる
5つめのポイントは、適度にジェスチャーを入れることです。たとえば、広さや大きさについて話しているときに両手を使ってそのサイズ感を表現すれば、聞き手はプレゼンターの声とジェスチャーの両方からイメージを掴むことができます。
ジェスチャーを交える際は、大きくゆっくりと動かすのがコツです。小さい動きだと、聞き手には何を表しているのかわからないことがあります。また、ジェスチャーは使用するポイントを絞ることで、メリハリが出ます。
手を使ったジェスチャーだけでなく、表情もプレゼンテーションの印象に影響を与えます。たとえば、強調したい箇所で眉毛を上げるといったジェスチャも効果的です。
POINT⑥ 語尾は自信を持って言い切る
6つめのポイントは、自信を持って語尾を言い切ることです。日本語は構造上、語尾に話の内容や印象を左右する重要な情報が置かれます。たとえば、語尾では、「〜です」「〜と思います」「〜かもしれません」など、話の内容に対する話し手の確信度が表現されます。
自信を持って意見を伝えられる場面では、「〜です」「〜べきです」など、できるだけ確信度の高い語尾を使うことをおすすめします。確信度の高い語尾を使うことによって、プレゼンターに対する聞き手の信頼感が高まります。逆に、人によって解釈や意見が分かれそうな場面では、「~に関してはさまざまなご意見があるとは思いますが」「~と思います」など確信度を弱めることで、角が立ちにくくなることがあります。
また、語尾をしっかり発音することも重要です。語尾がはっきり聞こえないと、「採択します/しません」のように、肯定か否定かの意味が正反対に誤解されてしまうことがあります。
語尾の表現だけでなく、言い方にも気を配りましょう。たとえば語尾を不用意に伸ばしたり、声が小さかったりすると軽薄な印象を与えてしまう可能性もあります。
このように、語尾によってプレゼンテーションの印象は大きく左右されることを心に留めておきましょう。
POINT⑦ 良い姿勢を維持する
7つめのポイントは、良い姿勢を維持することです。プレゼンテーションの内容だけでなくプレゼンターの振る舞いも、プレゼンテーション全体の印象を左右します。
たとえば、プレゼンターが背筋を曲げてうつむきがちに話すとネガティブな印象を与えてしまいます。逆に、背筋を伸ばして堂々と話せばそれだけで好印象を与えられます。そのため、プレゼンテーションではいつも以上に良い姿勢で話すことを意識しましょう。
また、堂々と話すという意味で「胸を張る」という言葉がありますが、本当に胸を突き出して話してしまうと聞き手に偉そうな印象を与えてしまう可能性があります。ですから実際には胸ではなく、胸と首の間、鎖骨の下あたりを聞き手に見せるよう意識して立ってみましょう。男性ならネクタイの結び目の下あたり、女性なら胸元のネックレスを見せるようにイメージすると良いかもしれません。鎖骨を意識すると自然と首は伸び、肩は下がって胸骨が広がっていきます。簡単にスッキリとリラックスした立ち姿になることができますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
POINT⑧ 熱意を持って話す
最後のポイントは、熱意を持って話すことです。1〜7つめのポイントでお伝えした方法ももちろん有効ですが、自分なりの熱意を持って話すことで、聞き手は自ずと引き込まれていきます。
あまりに熱を込めすぎると、誇張などマイナスの印象を与えてしまいますが、熱意がなければ聞き手を動かすことはできません。自分のプレゼンテーションに自信を持ち、熱意を持って語りかけましょう。
【応用編】プロがおさえる「話し方」3つのテクニック
「この人プレゼンが上手だなぁ・・」そう思わせる人の共通点は何でしょうか。生まれ持った才能や快活な性格、コミニュケーション能力の高さでしょうか?いいえ、実はそうではありません。プレゼン上手な人は、話を円滑に進めるためのちょっとしたコツをプレゼンの中にいくつも散りばめています。
応用編では、その中でも取り入れやすい3つのコツをお伝えします。ポイントをおさえて、プレゼン初心者から「プレゼン上手」へ、話し方をアップグレードしていきましょう!
ー スライドとスライドの間に言葉の橋をかける【ブリッジ】
話がスッと頭に入ってきて、色々考えなくても流れるように理解できる。そんなプレゼンにはストーリー(物語)があります。物語というのは箇条書きでは成り立ちません。始まりから終わりまで途切れることなく話がつながる事で、知らぬ間に人を引き込んでいきます。この「つなぎ」をプレゼンに取り入れる手法が【ブリッジ】です。
方法はいたってシンプル。
前のスライドの最後「スライドが切り替わる前に、次のスライドの予告」をするだけです。
例を挙げてみてみましょう。
1ページ目「〇〇サービス概要」、2ページ目「〇〇サービスの特長(3つ)」という2枚のスライドがあるとします。
<スライド毎にそれぞれ説明する場合>
1ページ目「まず〇〇サービスの概要を説明します」
→次ページをクリック
2ページ目「次にサービスの特長を説明します」
<ブリッジでスライド間をつないだ場合>
1ページ目「まず〇〇サービスの概要を説明します」
▶ブリッジ「では、〇〇サービスは他社とどんな違いがあるのでしょうか。次のスライドで具体的にその特長を見ていきます」
→次ページをクリック
2ページ目「弊社の〇〇サービスには大きく3つの特長があります(最初に結論)。まず1つ目は・・」
いかがですか?ブリッジの手法を使う事で今説明しているスライドと次のスライドにつながりが生まれ、プレゼンの流れが良くなっているのがお分かりいただけたでしょうか。既に次が何の説明なのか聞き手に伝えていますので、次スライドに移った後すぐに本題に入ることができます。
ブリッジを利用する際のポイントは、プレゼンの原稿ではなく、ストーリーを覚えていく事です。次に何のスライドが来るか流れが分かっていれば、スムーズにブリッジでスライド間をつなぐことができます。
ー 聞き手の心を味方につける【初頭効果と新近効果】
「POINT② 結論から話す」 でも少しお伝えしましたが、プレゼンテーションでは話す順番がとても大切です。なぜなら人は最初と最後の印象に大きく左右される傾向があるからです。この心理を上手に取り入れて、聞き手に良い印象を残してもらおうというのが、この初頭効果と新近効果をプレゼンに組み込む狙いです。では早速、言葉の解説から始めていきましょう。
【初頭効果】とは?
初頭効果は、心理学者のソロモン・アッシュが明らかにした「最初に与えられた情報が印象に強く残りやすい」という現象のことです。「人は第一印象が大事」とよく言いますが、アッシュの実験によりそれが裏付けされ、初頭効果と呼ばれる事になりました。
なぜ初頭効果が起こるのかというと、人は無意識のうちに自分の感じた意見の正しさを証明する情報ばかり集めようとするからだと言われています。第一印象が良ければ良いところばかりに目が行き、逆に悪ければマイナス面ばかりが気になってくるというわけです。
この心理効果をプレゼンで生かすには「有益な情報は最初に伝える」のがポイントです。先に示すことでより効果的にポジティブな印象を作り出すことが可能となります。
【新近効果】とは?
新近効果は、同じく心理学者のN・H・アンダーソンが提唱した心理効果です。初頭効果とは逆に「最後もしくは判断の直前に与えられた情報でその印象が決定されやすい」というものです。これもよく言われる「終わりよければすべてよし」ですね。こちらをプレゼンで生かすには「一番強調したい事をプレゼンの最後に持ってくる」のが効果的です。
しかし初頭効果も全体に影響を及ぼすのだから、結局最初でも最後でもどちらでも良いのでは?そう考えた方がいらっしゃるかもしれません。確かに、どちらも全体の印象を左右するという意味では同じです。
しかし最初より最後の方が有効になるケースがあります。
それは「物事を比較するとき」「多くの情報を扱うとき」等です。順番に羅列されたもののうち中間のものよりも最後のものが記憶に残りやすいという現象ですから、複数の比較対象から一つを選択する場面ではとても有効です。また初頭効果は長期記憶になりやすいのに対して、新近効果は短期記憶に訴えるという特徴があります。したがって
最初の印象は良く!(初頭効果)→ デメリットも伝える → 最後に主張を念押し!(新近効果)
と使えば、知らないうちに聞き手はプレゼンターに誘導され、プレゼンの目的に沿った行動や決定を選択しやすくなるという効果が期待できます。
ー シンプルな言葉でみじかく伝える【ひと言化】
重要な話をしようとするとき、何故私たちは説明が長くなってしまうのでしょうか。
- ・誤解されたくない(情報の抜け漏れによる誤解を恐れてしまう)
- ・相手を刺激したくない(聞き手が感情的だと冷静に判断してもらえないので、丁寧に説明しなければと思ってしまう)
このような心理になってしまうのが要因の一つと言えます。しかし、話が長くなるという事はそれだけ話せる材料をたくさん持っているという事。そのこと自体は悪いことではありません。ポイントは、手持ちの材料を全て伝えようとしないという事です。
「聞き手は何を知りたがっているか?」と「自分が一番伝えたいことは何か?」は同じではないという事を意識しましょう。
相手の知りたがっていることを短い言葉で端的に伝える。これが大事です。
では、情報を端的に伝えるにはどうしたらよいのでしょうか。それにはまず、情報の核心部分を見つける【ひと言化】が必要です。おすすめの練習方法をお伝えしますので、ぜひ試してみてください。
- 1. 集めた材料(情報)の中から聞き手のニーズを探す(そもそも聞き手って誰?何が知りたい?)
- 2. 1で探したニーズを疑問形にする
(例:サービスがヒットした理由を知りたがっている → 〇〇サービスはなぜ売上が好調なのか?) - 3. この質問に「1分で答える」→「30秒で答える」→「ひと言で答える」
最初は1分でチャレンジ。1分以内に話し終えるには、たくさんの情報を削りに削って磨き上げなくてはなりません。「本当に伝えなければいけないこと・相手が必要としている内容は何なのか?」1分という短い時間で全てを伝えきるために、自然と考えが整理されていくはずです。1分チャレンジをクリアしたら少しづつ時間を短くしていき、最後はひと言にまとめましょう。
的を射たシンプルな言葉であればあるほど、聞き手にダイレクトに響きます。膨大な量の情報を精査しまとめる事は労力が必要ですが、「完全に理解した」と自分で思えれば、自信を持って本番に臨めるでしょう。
いかがだったでしょうか。
ここまで基礎編 8つ・応用編 3つと、あわせて11のポイントをお伝えしてきました。こんなにたくさん一度に覚えきれない、全部取り入れるなんて無理!そう思われた方、たくさんいらっしゃったのではないでしょうか。
実際著者が同じ立場でも、間違いなくそう思うはずです。ですから次の【練習編】では、一つだけでいいから何か取り入れてみよう!そんな気持ちで取り組んでいただければと思います。「今自分に必要なこと、足りていないことは何だろう?」それを整理する機会として、準備と練習を進めていきましょう!
【練習編】プレゼンテーションを成功させるには?
ここまでは「話し方」に的を絞って解説をしてきましたが、それ以外にもポイントとなる要素はあります。ここからはプレゼンテーションを成功させるための練習に入ると同時に、押さえておきたい話し方以外のポイントも含め紹介します。
成功させるには準備が重要
プレゼンテーションを成功させる上で何より大切なことは「準備」です。準備段階では、次の3つのことに取り組むことが成功の秘訣です。
1. 目的を明確にする
2. 資料をしっかり整える
3. 練習を重ねて話し方を改善する
以下、これら3点について詳しく解説していきます。
準備 1. 目的を明確にする
まず、プレゼンテーションの目的は何かを明確にすることが大切です。プレゼンテーションの目的は、自分の主張や提案によって聞き手の行動を促すことです。
プレゼンテーションの準備をする際には、まず誰にどんな行動をとってほしいかをしっかり定めましょう。
とはいえ、プレゼンは一方通行のスピーチとは違い、目の前に相手のいるコミニュケーションの場でもあります。ですから、たとえば聞き手がどんな話題を好むか、このプレゼンで何を知りたいと思っているか、もし面識のある相手なら、あの人ならどういう所に疑問や不安を感じるだろうか?など、聞き手をしっかりと把握することも重要です。
聞き手と目的を明確にし、何をどのように伝えていくかを検討しましょう。
準備 2. 資料をしっかり整える
プレゼンテーションを成功に導くために、資料の準備も怠らないようにしましょう。どんなに話し方がよくとも資料の出来栄えが悪いと、プレゼンテーション全体の印象は悪くなってしまいます。
配布資料は後に共有される可能性もあるので、手抜きをせず細部まできちんと作り込むことが大切です。
資料を作り込んでおけば、話し方の拙さをカバーすることもできますし、万が一本番で頭が真っ白になってしまった場合にも、何を話せばよいか思い出しやすいというメリットもあります。
プレゼン資料が整ったら、質疑応答に備えて関連資料もまとめておきましょう。準備1で明確にした相手に合わせ、プレゼン資料から派生した関連質問が出た時も対応できるよう、答えを用意しておければ安心ですね。
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準備 3. 練習を重ねて話し方を改善する
そしてここからいよいよ本番に向けたプレゼンテーションの練習です。練習は時間の許す限り繰り返し行いましょう。練習量がプレゼンテーションの成否を分けるといっても過言ではありません!そして練習の際には、この記事の前半でお伝えした【基礎編】8つ【応用編】3つのポイントをぜひ参考にしてみてください。
その中でもっとも自分に合ったやり方が見つかったら、それを本番に取り入れてみましょう。
[ヒント]話し方のクセを分析してみよう
プレゼンテーションの練習が一通り完了したら、本番の前に上司や同僚などに聞いてもらい、率直な意見や感想をもらう事をおすすめします。これにより客観的な視点で改善点を見つけることができます。
時間の制約などでフィードバックをもらうことが難しい場合は、練習の際に自分の姿を動画に撮影し、自分が聞き手の立場になったつもりでその動画を見てみましょう。
ここでのポイントは、聞き手はこのプレゼンの内容を「何も知らない」という事です。
さんざん悩んで試行錯誤したプレゼンです。すべての内容を把握している自分にしてみれば完璧に思える内容でも、実際の聞き手はこのプレゼンを初めて聞く人ばかり。これくらいは知っていて当たり前・説明の必要なしと思っている前提が実は揃っていなかったため全く理解されなかった・・というのは意外と多いプレゼンの落とし穴です。
まずは、初めて聞く人にも全体のイメージがつかみやすい説明となっているか(プレゼン概要の理解度を聞き手任せにし、詳細ばかりの説明になっていないか)をチェックしてみましょう。
その次に、話し方に気になる癖がないか確認します。
- ・ 無意識に繰り返し使ってしまっている、不要な口癖は無いか
(え~・あ~・など間を埋める言葉、~させていただきますの連呼など必要以上にへりくだった言い回し) - ・ 一部の人にしか通用しない業界用語や、カタカナ・ビジネス用語を多用しすぎていないか
などなど。
第三者の立場になって聞いてみると、案外気づかなかった自分の癖に気付くものです。
しっかりチェックして本番に備えましょう!
【番外編】そもそも人前で話すのが苦手・緊張してしまうという人に
ここまで「プレゼン上手」になるための解説を行ってきましたが、そもそも人前に出るのが苦手すぎて話し方以前の問題という方もいらっしゃると思います。著者も緊張しすぎて壇上で頭が真っ白になってしまった過去があり、他人事とは思えません。ですのでここからは【番外編】として、肩の力を抜いてプレゼン本番を迎えるためのアイデアを2つ紹介します。
「へ~、こんな考え方もあるんだな」と、最後にこちらも肩の力を抜いて読んでいただけたら嬉しいです。
ー 苦手なことは素直に苦手と言っていい
「プレゼンがうまそう」という空気を出さない
これは、BOSS「宇宙人ジョーンズ」、トヨタ「こども店長」、ENEOS「エネゴリくん」など人気CMを多数手掛けるCMプランナー、福里真一さんが著書の中で書かれていた言葉です。
人前でプレゼンをしようとすると、人は無意識に「できる人間」をアピールしようとするものです。自信があって仕事が出来そうな印象を与える事で、聞き手の信頼を少しでも勝ち取りたいと願うためです。しかしそれは同時に「この人は仕事が出来そうだ、プレゼンも上手に違いない」と自分で聞き手の期待値を上げてしまう行動でもあります。
著書の中でご自身のことを「電信柱の陰から見てるタイプ」と話す福里さんは、最初に苦手と言ってしまうのも一つの手だと言います。最初から得意ではないと明言しておけばハードルが一気に下がり、普通にプレゼンをしただけでも「なんだ、意外とよくやってるじゃないか」と思ってもらえるのだそうです。さらには、ハードルが下がることで気が楽になり、緊張を和らげる効果もあるとのこと。
聞き手を上手に味方につけて、リラックスしてプレゼンを進めたいですね。
【参考書籍】
困っている人のためのアイデアとプレゼンの本 CMプランナー福里真一(著) Amazon
ー 練習は「伝え方」2割、「質疑応答」8割で
原稿読みはほどほどに、本番を意識した受け答えの練習を
プレゼンの練習というと「表紙から最終ページまでをいかにうまく伝えるか」のみに意識が集中しがちです。もちろん伝え方の練習はとても大事ですが、原稿にとらわれすぎると、そこから外れた時にアドリブが効かなくなるので注意が必要です。
過去に著者がプレゼンの際一番緊張したのは、プレゼン後に始まる原稿の無い質疑応答の時間でした。
聞き手が複数いる場合は特に、自分で予想もしなかった質問を急に投げかけられることがあり、準備不足を痛感することもありました。人前や会話が苦手な人にとっても、質疑応答は緊張ポイントなのではないでしょうか。そこで2つ目のアイデアとして、質疑応答の練習に注力することをおすすめします。
考え方は準備 2. 資料をしっかり整えるでお伝えした「質疑応答に備えて関連資料もまとめておく」と同じです。このプレゼンを終えた後「聞き手はどういう反応を示すか」「どういう疑問を抱くか」「どういう事が気になるのか」・・。
事前に頭の中でシミュレーションしてその答え方を練習しておく、あるいは関連する資料をいつでも開けるような対策を考えておくなどし、未知なる質問への不安を少しでも解消していきましょう。
「プレゼン上手」は「切り返し上手」
事前にシミュレーションして予測していれば質疑応答にも流暢な対応が可能です。たとえ予測していなかった質問が来たとしても、きちんと関連資料を用意していれば「今手元にある資料だけでは不足なので詳細をお調べしたのち改めて回答いたします」など、何も考えていなかったわけではなく自分も準備していたという空気が出せると同時に、プレゼン終了後のつながりも確保することが出来ます。
ピンチはチャンス。咄嗟の質問にもそつなく切り返して対応すれば、たとえ堂々と自信を持ったプレゼンが性格的に苦手でも「あの人は知識が深い、信頼できる、頼りになりそう」という印象に繋がりやすくなるでしょう。