パワーポイントで参考文献を出典として記載する方法を解説!
資料を作成する際に、書籍やWEBサイトのデータなどを参考文献として用いることも多いですが、その場合は、出典を明記する必要があります。
今回は、意外と知られていないパワーポイント資料での出典の正しい書き方を解説します。出典を明記する理由から適切な記載方法まで、一連の基礎知識を解説しますのでぜひ参考にしてください。
参考文献の記載が必要な理由
まずは、出典を記載する理由や必要性を解説します。
自分の考えと他者の考えを区別するため
資料を作成する際は、自分の考えと他者(引用元)の考えを区別する必要があります。
もしも自分が作成したパワーポイント資料に、自分の考えと他者の発表したデータや考えを混同してしまった場合、たとえ悪意がなかったとしても盗用(とうよう)や剽窃(ひょうせつ)と判断されてしまう可能性があります。
盗用や剽窃は、他人の考えや意見を自分のものとして発表する行為です。最悪の場合は、訴訟などのトラブルに発展しかねません。
信頼してもらえる文書や資料を作成するためにも、ルールにのっとり、出典を忘れずに記載しましょう。
根拠の客観性を示すため
盗用や剽窃をしないためには、他者の引用を行わないことが最も安全と考える方もいるかもしれません。
ただし、自分の考えのみを記載した資料は、主観的で根拠が薄く、信憑性が低いとも判断されかねません。
外部の文献を参考にしたことを出典として明記すれば、自分の主張や意見の根拠を客観的に示すことができます。
たとえば、ある業界の市場規模の推移を示したデータの出典として、「自社調べ」と記載されているよりも、第三者組織や公的機関が記載されている方が、一般的には説得力があります。信頼できる情報源から引用した場合には、これを明確に示すことが客観性につながります。
パワーポイント資料の参考文献・参考URLを記載する箇所
パワーポイント資料で参考文献や参考URLの出典を記載する際、「各ページに記載する方法」と「最後にまとめて記載する方法」の二つの形式があります。
形式を選択するにあたり厳密なルールはありませんが、一般的には資料の枚数や参考文献の数で使い分けられることが多いです。
各スライドに記載する
1つの出典を1枚のスライドでしか示す必要がない場合は、該当のスライド内に参考文献を記載する形式がおすすめです。
スライドに記載した情報と出典との関係性がわかりやすいためです。
最後にまとめて記載する
同一の参考文献を複数枚のスライドで使用している場合は、最後にまとめて出典を記載する形式がおすすめです。異なる文献を複数引用している場合も、最後にまとめて記載する方法が良いでしょう。
出典や参考文献の情報が大量にスライド内に記載されていると、スライド内で伝えたい情報がわかりにくくなるためです。このような場合は、出典を記載するためのスライドを最後のページに設け、まとめて記載しましょう。
パワーポイントで出典を書く方法
ここからは、参考文献や参考URLの出典情報を、各スライドに記載する形式について2つの方法を紹介します。
「フッター」を使用する
ページ下部に固定で差し込む「フッター」を使用して、参考文献を記載する方法を紹介します。
「挿入」タブ→「テキスト」メニュー内の「ヘッダーとフッター」をクリックします。
「ヘッダーとフッター」ダイアログボックスが表示されるので、「スライド」タブ内にある「フッター」にチェックを入れて、下部にある「適用」ボタンを押します。
(「すべてに適用」にチェックをすると、全スライドにフッターが表示されます。)
スライド下部に「フッター」と記載されたプレースホルダーが挿入されるので、そこに参考文献の情報を記載してください。
記入した例です。
参考文献と引用した箇所を紐づける数字には、数字の大きさが小さく、標準のテキスト行の少し上に表示される「上付き文字」が使われることが多いです。
上付き文字を作成したい場合、フッター内に記載した数字(上付き文字にしたい部分)を選択した状態で、「ホーム」タブから「フォント」を選択します。
「フォント」ダイアログ ボックスが表示されるので、「フォント」タブの「上付き」にチェックを入れます。その右側にある「相対位置」で位置の調整を行い、最後に「OK」ボタンを押してください。
上付き文字が適用されました。:
フッター内の参考文献を記載した箇所には、上付き文字は適用せずに数字を記載します。上付き文字を使用すると、文字が小さくなり読みづらいためです。
「テキストボックス」を使用する
「テキストボックス」を使用して、スライドの任意の場所に出典を記載してもよいでしょう。
ツールバーの「挿入」タブ→「テキスト」メニュー内の「テキストボックス」を選択します。
カーソルが十字に変化するので、挿入したい場所でクリックまたはドラッグしてテキストボックスを作成します。作成されたテキストボックス内に出典を記載してください。
テキストボックス内で上付き文字を作成したい場合は、上記と同様の方法で行ってください。
参考文献・参考URLの書き方
参考文献・参考URLの書き方には一定のルールがあります。
参考文献の種類ごとに、記載方法を紹介します。
書籍から引用する場合
書籍から引用する場合は
・著者名. 『書名』. 出版者(社)名. 出版年, 総ページ数
を記載します。
(書籍名は必ずしも『』でくくる必要はありません。)
※例
山田太郎. 『〇〇のススメ』. △△書房. 2020年, 100ページ
書籍の著者が複数名いる場合には、著者を並べて書く必要があります。著者名と著者名の間をカンマ(,)で区切って表記してください。
ただし著者名が多い場合は、先頭に記載されている著者1名を記載して、他の著者名は「ほか」と記載して省略することができます。
論文から引用する場合
論文から引用する場合は、
・著者名. 「論文名(論文タイトル)」. 掲載雑誌名. 発行年, 巻号, 掲載ページ
を記載します。
(論文名は必ずしも「」でくくる必要はありません。)
※例
山田太郎. 「〇〇理論の実証について」. △△通信. 2020年, 第3号, 50ページ~53ページ
論文の著者が複数名いる場合には、著者を並べて書く必要があります。著者名と著者名の間をカンマ(,)で区切って表記してください。
ただし著者名が多い場合は、先頭に記載されている著者1名を記載して、他の著者名は「ほか」と記載して省略することができます。
Webサイトから引用する場合
Webサイトから引用する場合は
・Webサイト名.「ページのタイトル」.URL,(参照日)
を記載します。
※例
〇〇ポータル.「△△のすべて」.http:****,(2020/11/02)
サイトの記事だけでなく、サイト内で使われている図や写真を部分的に引用する場合も同様に表記してください。また、Webサイトは情報が更新されたり、削除されたりすることもあるため、参照日も記載しましょう。