パワーポイント資料における表紙作成時のポイント!ビジネス向けデザイン例も紹介
パワーポイント資料において、表紙は読み手が最初に目にする資料の「顔」とも言える存在です。魅力的な表紙によって読み手の興味を引きつけることができれば、その後のプレゼンテーションを円滑に進めやすくなります。また、配布資料の場合は資料を手にとってもらいやすくなります。
そこでこの記事では、パワーポイント資料の表紙の作り方のポイントについて解説します。ビジネスシーンで使用できるデザイン例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
パワーポイントの表紙の役割
資料のテーマを伝える
表紙の役割の一つは、資料で伝えたいテーマを明確にすることです。冒頭でお伝えしたように、表紙は読み手が資料で最初に目にするスライドです。
そのため表紙は、資料の全体像がわかるものにしてください。どのようなテーマを扱っているのかを示すことで、その後の内容の理解を促します。
また、読み手にどのようなメリットがある資料なのかを示すと良いでしょう。メリットを示すことで、資料を読み進めたり、プレゼンテーションを聞いたりする意欲が高まります。
読み手・聞き手の興味を引きつける
表紙のもう一つの役割は、資料の第一印象を良くして読み手の興味を引きつけることです。
プレゼンテーションであれば、表紙は待ち時間中に投影されることもあります。その表紙を見た瞬間に、聞き手がより興味を持ち、話を聞きたくなるようなデザインを心がけましょう。
配布資料であれば、表紙を見て思わず手に取りたくなるようなデザインが理想的です。
ただし、単に目を引くだけのデザインではなく、与えたい印象を考慮して作成することが重要です。たとえば、売上成績が落ちていることに対する危機感を印象づけることが目的のプレゼンテーションであれば、暗めの背景に赤字を用いるようなデザインも一つの選択肢です。
プレゼンテーションの目的とTPOに応じて、読み手に与えるべき印象を検討しましょう。
コピーライトや更新日時を記載する
資料のタイプにもよりますが、表紙にはコピーライトや更新日時を入れることがあります。
たとえば、社外向けの営業資料のような公表を前提としたの高い資料であれば、作成者情報(会社情報)やコピーライト(著作権情報)を表紙に入れることが標準的です。
社内向けの技術資料など秘匿性の高い資料であれば、社外秘などの情報を入れる必要があります。
また、進行中のプロジェクト資料など時間の経過とともに内容が更新される資料や、トレンドが目まぐるしく変わるような業界向けの資料などであれば、作成日もしくは最終更新日を表紙に入れましょう。
表紙に盛り込むべき項目
ここで取り上げる項目は、あくまで一例です。資料の性質によって盛り込むべき項目を臨機応変に調整してください。重要なのは読み手・聞き手にとって何が重要かを意識することです。
タイトル・サブタイトル
タイトルは、資料の内容を一言で言い表したものです。タイトルに加え、サブタイトルでより具体的な補足をする場合もあります。タイトルは表紙のメインコンテンツなので、サブタイトルよりも目立つように配置し、文字サイズや配色は他の項目とのコントラストを意識しましょう。
また、タイトルやサブタイトルは長すぎても短すぎても良くありません。読み手が瞬時にテーマを理解できるよう、適度にシンプルでわかりやすい言葉にしましょう。
作成日
必要に応じて、資料の作成日や提出日、プレゼンテーション日時を記載します。特に、社内共有、インターネット公開といった、二次利用の可能性のある資料では記載しておくのが無難です。
たとえば、営業資料は、営業当日だけでなく、後日社内検討される場合にも使われます。したがって、ミスコミュニケーションを防ぐためにも作成日を表紙に明記し、誰がが見てもいつの時点の資料なのかがすぐにわかるようにしておくことが重要です。
作成者の情報
営業資料の場合は、自社の商材を取引先に紹介し、成約につなげることが資料の目的です。そこで、読み手が資料の内容に関心を持った場合にすぐに連絡をもらえるように、企業情報や問い合わせ先、担当者(作成者)名などを表紙に記載する場合もあります。
宛名
提案書や企画書の場合は、資料を誰に読んでほしいかが一目でわかるように、宛名を入れましょう。
たとえば、「〇〇社 △△課 ✕✕担当者様」といった宛名を資料タイトルの上あたりに添えておくと、誰に読んでほしいのかが先方に伝わりやすいです。また、宛名を入れることで丁重な印象を与えられることもあります。
パワーポイントで表紙スライドを作成する方法
実際に表紙スライドを作成する方法を解説していきます。表紙のスライドは本編のスライドとは別のレイアウトで作成します。レイアウトを編集するには、スライドマスター機能を活用します。
スライドマスターを使うためにはまず、「表示タブ」から「スライドマスター」をクリックし、スライドマスター編集画面に移行します。
画像の赤枠で囲われているのが、表紙用のレイアウトマスターです。フッターなど不要な項目は削除し、必要なものだけ残しましょう。
テキストボックス以外は削除し、ボックスの位置を調整しました。また、フォントを見やすいメイリオに変更しています。
「スライドマスター」タブの「マスター表示を閉じる」をクリックすれば、適用完了です。
「ホームタブ」のスライドグループ、「レイアウト」より「タイトルスライド」を適用すれば、表紙用のレイアウトのスライドが挿入されます。
タイトルを入力し、色の変更やロゴの挿入などを行い、デザインを調整しましょう。
表紙スライドにページ番号を付けない方法
複数ページにまたがる資料を作成する場合は、スライドにページ番号を入れます。ページ番号を挿入する方法は主に2通りあり、それぞれの方法で表紙からページ番号を除く方法が異なります。
「挿入」タブからページ番号を入れる場合
スライドにページ番号(スライド番号)を挿入するには「挿入」タブの「テキスト」グループの「スライド番号の挿入」をクリックします。
「ヘッダーとフッター」ダイアログボックスの「スライド番号」にチェックを入れて、「すべてに適用」をクリックすれば全ページにスライド番号が挿入されます。
しかし、この手順でスライド番号を挿入すると、スライドの1枚目からページ番号が付与されてしまいます。スライド番号は表紙を含まず、本編から適用することが多いため、その場合は下記の方法で編集します。
まず、表紙スライドに表示されているページ番号を選択し、Deleteボタンで削除します。
次に、「デザイン」タブの「ユーザー設定」グループにある「スライドのサイズ」をクリックし、プルダウンメニューから「ユーザー設定のスライドのサイズ」をクリックします。
ダイアログボックスが表示されますので、「スライド開始番号」を「0」に設定して、OKをクリックします。
表紙の次のスライドからスライド番号が表示されました。
ただし、この方法でスライド番号を挿入すると、編集可能なオブジェクトとしてスライド番号が挿入されるため、誤って移動させてしまったり、削除してしまったりということがあります。
これを防ぐ方法として、スライドマスターを利用して挿入する方法があります。
スライドマスターからページ番号を入れる場合
スライドマスターを活用して、表紙以外にページ番号を入れることも可能です。
青枠で囲われているのが各レイアウトを一括設定できるレイアウトマスターです。ここでは赤枠に囲われているレイアウトマスターを本編用として解説します。
まずは「挿入」タブより「テキストボックス」をクリックして、「横書きテキストボックス」を選択します。
テキストボックスが選択された状態で、「挿入タブ」より「スライド番号の挿入」をクリックします。
スライド番号がレイアウトマスターに挿入されました。位置はテキストボックスをドラッグして、調整してください。
「スライドマスター」タブより「マスター表示を閉じる」をクリックすれば、設定完了です。
設定したレイアウトを選択するとスライド番号が表示されます。このページ番号は標準画面では誤って編集することがないので、安心です。
表紙デザインの例
タイトルのみの表紙
白地にタイトルのみのシンプルな表紙の例です。シンプルながらも、タイトルがよく目立ち、テーマが伝わるデザインです。また、印刷の際に使用するインクの量が少なくて済むというメリットもあります。作成日などの補足情報を入れる際は、タイトルより文字サイズを小さくして、コントラストを意識しましょう。
メインカラーで塗りつぶした表紙
背景をメインカラー(資料のテーマカラー)で塗りつぶししたシンプルな表紙の例です。背景色が白だとシンプルすぎると感じる場合は、このパターンを試してみましょう。ビジネスシーンにおいて、メインカラーは自社や先方のコーポレートカラーを使用することが多いです。
背景を塗りつぶした表紙は白地の表紙よりも投影時のインパクトが強いというメリットがありますが、印刷時にはインクの使用量が増えるというデメリットがあります。
なお、ロゴの色が背景色と被ってしまうため、白のテキストに変更しています。
背景を塗りつぶすには、スライド上で右クリックを行い、「背景の書式設定」をクリックします。
右サイドに「背景の書式設定」メニューが表示されるので、「塗りつぶし(単色)」にチェックを入れて、「塗りつぶしの色」より任意の色を選択し、「すべてに適用」をクリックすれば完了です。
中央を帯で装飾した表紙
中央部分をメインカラーの帯で装飾したシンプルな表紙の例です。塗りつぶしではなく、帯を採用することによって、よりタイトル部分へ注目が集まりやすくなります。
帯は「挿入」タブの「図形」より四角形を挿入し、サイズや位置、色を調整しています。
写真を挿入した表紙
資料のテーマに関係のある写真を挿入した表紙の例です。テーマに即した写真を利用することで、より具体的に内容をイメージしやすいというメリットがあります。
写真を背景に挿入するには、「背景の書式設定」メニューより、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択し、「画像ソース」の「挿入する」ボタンをクリックします。
「図の挿入」ダイアログボックスが表示されるので、PC内の写真を挿入する場合は「ファイル」をクリックしましょう。任意の画像を選択すれば、反映完了です。
ただし、写真をそのまま挿入しただけでは、文字が読みづらくなることがあります。
「背景の書式設定」メニューで「透明度」を調整します。
また、「背景の書式設定」の「図」タブで、「明るさ」や「コントラスト」を調整する、文字色を変更するなどして、適宜見やすくなるように編集してください。
スライドに背景を追加する方法についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
【関連記事】
▶スライドに背景を追加する方法!画像や色を設定する
優れた表紙スライドを作成するために日々意識すること
優れた表紙スライドを作成するためには、良いデザインの例に数多く触れ、良いと感じる要素は何なのか意識することが大切です。
たとえば日頃から、WebサイトやSNSのタイムラインに流れてくる広告で参考になりそうな例があればスクリーンショットで保存しておくと良いでしょう。街中でも同様に良いデザインの看板などを見かけたら写真を撮るのも良いでしょう。
このように、優れた表紙スライドのデザインのアイデアは、日常生活のいたるところに転がっています。普段からアンテナを張って引き出しを増やしておくと良いでしょう。