パワーポイントで矢印を思いのままに表現する方法!直線・曲線・円弧・分岐等あらゆるタイプを網羅
プレゼンテーションでは、話の道筋をわかりやすくすることが大切です。パワーポイントで矢印を活用することで、道筋が明瞭になり、説明がわかりやすくなるでしょう。この記事では、パワーポイントで矢印を表現する方法を解説します。基本の直線形だけでなく、曲線や円弧、分岐矢印など、さまざまな種類を紹介します。
線の矢印を挿入する方法
まずは基本の線形の矢印を挿入する方法について見ていきましょう。パワーポイントでは、直線や曲線(波形)、分岐ありの矢印、円弧など、さまざまな形状の線で構成された矢印を挿入することができます。
直線の矢印を挿入する方法
直線の矢印は、線の太さや先端の形状を変更したり、矢印自体を回転させたりすることができます。
直線の矢印を挿入する
「挿入」タブを選択し、「図形」をクリックしましょう。選択肢が表示されるので、「線」の区分に表示されている線矢印を選んでください。カーソルが十字に変更になるので、クリックまたはドラッグすると矢印が挿入されます。
水平・垂直の矢印を描く
Shiftキーを押しながらドラッグすると、矢印の方向を45°単位で8方向の直線矢印を描くことができます。8方向のいずれかに描きたい場合に便利な機能です。
線の太さを変更する
矢印の線の太さを変更したいときは、矢印をクリックして選択します(矢印上に白い〇が表示されている場合は選択できている状態です)。
右クリックメニューから「図形の書式設定」を選択すると画面右側に「図形の書式設定」のサイドメニューが表示されます。青枠部分の「幅」で線の幅を指定しましょう。
矢印を反転・回転する
「図形の書式」タブを開き、「回転」を選択します。「右へ90度回転」、「左へ90度回転」。「左右反転」、「上下反転」のいずれかを選ぶと、矢印を反転・回転させることができます。
回転させる角度を細かく設定したい場合は、「回転」のプルダウンからその他の回転オプションを選択します。
画面右側に「図形の書式設定」が表示されるので、「回転」から任意の角度を入力します。
180°の反転をしたい場合は、「図形の書式」タブから「図形の枠線」を選び、「矢印」で終点が逆の矢印にする方法もあります。
他のオブジェクトと矢印の吸着(リンク)状態を維持したまま矢印の向きを逆にするためには、「図形の書式設定」で「始点矢印の種類」「終点矢印の種類」を変更します。
始点矢印の種類と終点矢印の種類を逆にします。
矢印の回転をするよりもクリックする回数は増えますが、矢印を他のオブジェクトに吸着させている場合は、リンクを切らさずに向きを逆にできるというメリットがあります。
矢印の先端の形状を変更する
右クリックメニュー「図形の書式設定」から開くサイドバーの「図形の書式設定」内、「始点矢印の種類」(終点矢印も同様)から形を選ぶことで、矢印の先端の形状を三角形、円形、ひし型などに変更することができます。
その他矢印を挿入する方法
次は直線以外の矢印を挿入する方法について見ていきましょう。線部分が曲線のものや分岐するものなど、多様な矢印を描くことができます。
曲線(波線)の矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、曲線で線を引いた後に曲線の先端に矢印をつけることで、曲線形の矢印を描くことができます。
始点とカーブの頂点、終点のポインタをドラッグし、調整します。
次に、「図形の書式設定」の「終点矢印の種類」から任意の矢印を選ぶと、曲線の先端に矢印がつきます。
分岐した矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、「カギ線矢印」を選んで挿入します。
Ctrl+Shift+ドラッグなどで複製し、上下や左右反転させた後に位置を調整します。矢印の長さを変更する必要が生じた場合は、黄色のハンドルを操作して調整しましょう。
また、「挿入」タブから「図形」を開き、左中括弧を選ぶことでも分岐した矢印を描くことができます。
黄色いポインタをドラッグして、直線になるよう調整してください。先端に矢印をつけるには、「図形の書式設定」から「始点の矢印」「終点の矢印」のそれぞれを設定します。
矢印を使ったフローチャートの作り方を以下の記事でご紹介しています。
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▶【図解実例】パワポでフローチャートを作る方法!簡単5ステップ
円弧の矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、円弧を選んでください。
黄色のハンドルをドラッグして、好きな長さに円弧を描きましょう。
「図形の書式設定」から「終点の矢印」を選択すれば完成です。
直角の矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、カギ線矢印を選びましょう。
黄色のハンドルを直角になるまでドラッグすることで、直角に曲がった矢印を描くことができます。
渦巻状の矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、円弧を選びます。Shiftを押しながらドラッグして、半円を描きます。
Ctrl+Dで半円を複製し、左右、もしくは上下反転を行います。
右クリックして「図形の書式設定」を開き、画像青枠「サイズとプロパティ」で「縦横比率を固定する」をチェックし、元の円弧の2倍のサイズを設定します。
サイズを3倍、4倍と大きくしながら複数回繰り返し、円弧の始点と終点同士を繋げていくと、渦巻状の円弧を作成することができます。
最後に「図形の書式設定」から「終点の矢印」を選択すれば完成です。
オブジェクト間の矢印を描く方法
オブジェクト間の矢印を描く方法について説明します。フローチャートなどを作成するときに有効です。
コネクタで吸着させる
コネクタでオブジェクトと矢印を吸着させることで、吸着先のオブジェクトを移動しても、矢印も自動的に追随してくれます。
「挿入」タブから「図形」を選び、挿入したい矢印を選びます。ここでは線矢印を選びました。
その状態で図形の側にカーソルを移動すると、上下左右の辺に●が表示されるのでクリックします。
始点が決まったら、終点をドラッグすると同様に各辺に●が表示されるので、そこまでドラッグします。
図形と矢印が吸着しました。
思い通りの場所にコネクタを吸着させる
最初に表示される●以外の箇所に吸着させることも可能です。
「挿入」タブから「図形」を開き、何らかの図形を仮の図形として吸着させたい箇所に配置します。今回は円を仮の図形に選択しました。
円を配置したら、「挿入」タブから「図形」を選び、挿入したい矢印を選びます。ここでは曲線矢印を選びました。
円に表示される●を選択することで、長方形には●が表示されない場所に吸着させることができました。
円を選択し、「図形の書式」タブ内の「図形の塗りつぶし」から塗りつぶしなしを選択すれば、円は見えなくなります。
長方形を移動させる際は、円と長方形を選択した状態でCtrl+Gでグループ化しておきましょう。
ブロック矢印を挿入する方法
線の矢印ではなく、帯状の幅のある「ブロック矢印」を挿入する方法について見ていきましょう。ブロック矢印には文字等を入力することができるため、プレゼンテーションのフローに説明を加える場合にも使えます。
直線の矢印を挿入する方法
直線形のブロック矢印を挿入する方法を説明します。形や太さは挿入後に調整できます。
直線の矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、ブロック矢印を選びます。
カーソルが十字に変わるので、クリックまたはドラッグすれば挿入完了です。
形を調整する
選択した状態で表示される黄色いハンドルや白いハンドルをドラッグすると、形を調整することができます。黄色いハンドルでは始点部分と終点部分の幅、白いハンドルでは全体の幅や大きさを設定することができます。
色を調整する
右クリックをして「図形の書式設定」を表示させ、「塗りつぶし」内の「色」から任意の色を選びましょう。もしくは、「図形の書式」タブ内の「図形の塗りつぶし」からも選択できます。
その他矢印を挿入する方法
ブロック矢印は直線だけではありません。コの字型や曲線も作成することができます。
コの字の矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、ブロック矢印の中のUターン矢印を選びます。
カーブの頂点と矢印の始点の黄色いハンドルを四隅までドラッグしてください。
コの字型の矢印になりました。
始点が尖った矢印を描く
ブロック矢印の始点を尖らせたい場合は、右クリックをして「頂点の編集」を選びます。
始点のうち片方の頂点上で右クリックし、「頂点の削除」をクリックします。
片方の頂点が削除されました。
残った頂点の位置を調整すれば完成です。
変形した矢印を描く
矢印の辺のポイントをクリックして現れる白い四角のハンドルをドラッグすると、矢印の辺を変形させることができます。下の例では、矢印の軸部分の下の辺を曲線に変形しました。
見栄えの良い矢印を描く方法
矢印の軸の太さと三角形の大きさのバランスを整える
黄色いハンドルをドラッグすることで、矢印の軸部分と先端部分のバランスを調整することができます。
軸が細いのに極端に幅広の先端だったり、反対に軸が太いのに極端に細長い先端だったりすると見栄えが悪くなります。適宜ハンドルでバランスを調整しましょう。
2つの図形を組み合わせて矢印を描く
「挿入」タブから「図形」を開き、三角形と四角形を組み合わせることで矢印を描くこともできます。三角形部分と四角形部分それぞれの大きさを調整できるため、見栄えの良い矢印が作成しやすくなります。
四角形と三角形を選択した状態で、Ctrl+Gでグループ化すると、一体の図形として扱うことができるようになります。
基本的にはグループ化で十分ですが、枠線を表示したい場合は重なった部分が綺麗に見えません。
枠線を表示したい場合は、「図形の書式」タブから「図形の結合」を開き、「接合」を選ぶと図形が連結するため、これにより枠線を一体化できます。