図解・グラフが秀逸!フィードフォースの決算説明会資料を解説
プロフェッショナルサービス事業とSaaS事業を展開する株式会社フィードフォースの第3四半期決算資料を取り上げ、デザインや構成の観点から参考になるポイントを解説します。
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出典:株式会社フィードフォース 2021年5月期第3四半期 決算説明資料
目次
・フィードフォースの決算説明会資料におけるデザインの4つの特徴・投資家の理解を促進する決算資料の構成における2つのポイント・フィードフォースグループの中期経営計画・成長可能性資料に関するよくある質問・まとめ:フィードフォースの資料から学ぶ、伝わるIR資料作成の秘訣
フィードフォースの決算説明会資料におけるデザインの4つの特徴
表紙からフォント、グラフや表などスライド内の各要素について、フィードフォースの決算説明会資料のデザインの特徴を解説します。
1.一貫性と可読性を重視した表紙・テンプレートのデザイン

表紙はコーポレートカラーの緑がかった画像が用いられています。よく見るとコーポレートロゴのかたちをしたオブジェであることがわかりますが、企業イメージを表現するためにはもう少し鮮明な画像を使用すると良いかもしれません。

白背景で右下にコーポレートロゴを薄く置いたシンプルなテンプレートデザインです。タイトルやリード文の位置やフォントサイズが統一されており、余白もしっかり保たれているため、可読性が確保されています。

部分的にルールやトンマナが崩れているページがあります。殆どのページではリード文は右側に配置されていますが、P36のみ上部に配置されており、フォントサイズも異なります。全体的に統一感がある資料ほど、ルールやトンマナが崩れたページが目立ちやすくなるので注意が必要です。
2.コーポレートカラーを活用した情報の意味づけと配色のルール


コーポレートカラーの緑をメインカラーとして、サブカラーやアクセントカラーを含めても4色程度に抑えられています。
また、色に明確な意味を持たせている点も参考にしたいポイントです。たとえばPS事業は緑、SaaS事業は青緑という使い分けで、他のページも共通してこのルールが適用されています。
3.視認性を高めるグラフのレイアウトと色使いの工夫


グラフはメインカラーの緑の濃淡違いの色が用いられており、色数が少なく洗練された印象です。また連続するページに挿入されたグラフのレイアウトが厳密に揃っているため、視認性が高いです。

ただし、業績の見通しを示すグラフには、将来(2022年)の部分にグラデーションと点線の枠が付けられています。装飾の種類は少ない方がシンプルで見やすくなるため、グラデーションか点線の枠線のどちらか一方を使用するとよいでしょう。
4.罫線を最小限に抑えたすっきりとした表のデザイン

表は罫線が少なくすっきりとしています。ただし、表頭と下の数値の位置がややずれているので、厳密に揃えるとより見やすくなります。また、強調が黒太字だけではややメリハリが弱いため、フォントをアクセントカラーにしたり、セルをアクセントカラーの枠線で囲むなどでより目立たせるとよいでしょう。
投資家の理解を促進する決算資料の構成における2つのポイント
次に、構成のポイントを2つ紹介します。
①少ない文字数で要点を掴みやすい
②事業を理解していない人にはややわかりづらい
①テキスト量を最小限に絞り、要点が直感的に伝わる構成


伝えたい情報を絞り込み、テキスト量が最小限に抑えられています。図解やグラフも用いて情報が端的に整理されています。

P29「成長に向けた中期の事業展開方針」では、今後注力する分野に対して先行投資していく方針が、面グラフを用いて直感的に理解できるように示されています。一方、続くページでより詳細の説明がなされているものの、方針と各事業・各サービスとの関連性が読み取りづらい点は改善の余地がありそうです。


計画に対しての月次進捗を示すスライドは、まず大きな数字(黒太字)で示し、それを補足するかたちで下部にグラフを添えています。グラフは実績を濃い緑で示し、計画を透明がかった緑で示しているため、重なり合っている部分も見やすく表示されています。過去の値に関しても、実績と計画とで見比べやすいため、計画値に対して売上が上回っていることが瞬時に理解できます。
②初見の読み手に対する配慮(会社概要の配置)における改善点



資料後半のP34から「事業概要」の章が設けられており、P46から「会社概要」の章があります。初見の読み手は資料後半でようやく事業や会社の概要を理解するため、一通り読み終えた後に再度前半を読み直す可能性もあります。
フィードフォースグループの中期経営計画・成長可能性資料に関するよくある質問
Q: 株式会社フィードフォースの決算資料において、ブランドの世界観と情報の読みやすさを両立させている配色の特徴は何ですか?
A: コーポレートカラーの青と、背景色に用いる薄いグレーを基調としています。スライド全体を白ではなく薄いグレーにすることで、白背景の図解やグラフが浮き出て見える「レイアウトの階層化」を実現しており、情報のまとまりを直感的に認識しやすくしています。
Q: 複雑なSaaSビジネスの構造や成長戦略を、初見の投資家にも分かりやすく伝えるため、図解はどのように工夫していますか?
A: 複数の事業セグメント(プロフェッショナルサービス、SaaS、DX等)を「4つのブロック」で構造化し、それぞれの役割と市場の関係性をシンプルに図式化しています。また、成長の軌跡を「フェーズ1〜3」といったロードマップ形式で示すことで、過去の成功と未来の展望を論理的に繋げています。
Q: 投資家が最も注目する「KPI(重要業績評価指標)」を印象付けるためのデザイン的テクニックは何ですか?
A: 定点観測が必要なARR(年間経常収益)や顧客数などの重要数値に対し、一貫して「高いジャンプ率(文字のサイズ比)」を適用しています。数字を極端に大きく、単位を小さく配置し、さらにアクセントカラーを効果的に添えることで、スライドを開いた瞬間に実績値が目に飛び込んでくるよう設計されています。
Q: 資料全体の理解スピードを向上させるため、文章構成のルールはありますか?
A: 「1スライド1メッセージ」を徹底し、リード文を3行以内の簡潔なテキストに集約しています。また、結論を先に述べるロジカルな構成をとることで、読み手が図表を見る前に「何を読み取ればよいか」という視点を定めてから細部を確認できる流れを構築しています。
まとめ:フィードフォースの資料から学ぶ、伝わるIR資料作成の秘訣
フィードフォースの決算説明会資料は、要素を絞り込みすっきりとしたデザインと構成で、参考にしたいポイントが随所にありました。
デザインは、コーポレートカラーの濃淡違いを効果的に用いて色数を抑えた配色が特徴的です。また、タイトルやリード文、グラフの配置など厳密に統一されており、可読性の水準がとても高いです。一方、部分的にルールが崩れている箇所が目立つため、その点を改善するとさらに読みやすくなるでしょう。また、表では強調箇所にアクセントカラーや枠線を用いるとよりメリハリのあるデザインになります。
構成は、図解やグラフを用いて簡潔にまとめている点が参考にしたいポイントです。会社概要や事業概要の説明を資料前半に配置すると、初見の読み手にもわかりやすい資料となるでしょう。
なお、2021年5月期 の決算説明資料では、リード文の位置のずれなども解消されており、より一層わかりやすい資料に仕上がっています。

売上高を示すP6では、リード文のルールが統一され、グラフの強調箇所には枠線が用いられています。濃い緑や青など、もう少し濃い色を用いるとより鮮明になるでしょう。

また、事業概要は決算の次の章(P18~)と前半に移動しています。

















