【プロの伝わる資料作成術】企画書とは?書き方3つのポイントと構成例を紹介!

企画書の目的は、企画内容や得られる成果、必要なリソースなどを読み手に理解してもらい企画を採用してもらうことです。また、採用された際にメンバーへ実行計画を周知する際にも使用します。企画書作成で抑えるべきポイントに加えて、参考になるフレームワークや構成例を紹介します。
企画書とは
まずは、企画書の定義や役割についてお伝えします。 企画書とは、新商品や新プロジェクトなどの企画の実行計画を記したものです。承認者に伝える目的や、担当者と共有することで企画を実行しやすくする目的があります。
企画書と提案書の違いは?
企画書と似た資料に提案書がありますが、違いについての厳密な定義はなく、業界や企業によって使い分け方が異なります。よくある使い分けとしては、企画書は「新しいサービスの内容や企画の実行計画を具体的に紹介する資料」と定義されます。一方、提案書は「課題を解決するための方向性を提案する資料」と定義されます。
企画書を作る際のポイント
企画する内容や読み手が異なっても、企画書の作成で意識すべき共通のポイントがあります。今回は、パワーポイントで社内向けの企画書を作る際の、重要なポイントを解説します。
フレームワークを活用して抜け漏れをなくす
企画書は「なんとなくアイデアを思いついた」段階で作り始めてしまうと、必要な情報の抜け漏れが生じます。
企画を書面に落とし込んでいく際には、「フレームワーク」と呼ばれる、情報を整理するための枠組みを活用すると、抜け漏れを防ぐことができます。
ここでは企画書を書くときに役に立つフレームワークを2つ紹介します。
6W2H
6W2Hとは、企画の具体的な内容を整理するためのフレームワークです。下記の疑問詞をまとめたものになります。
- Why(なぜ)「なぜこの企画を実施する必要があるのか」
- What(何を)「どんなサービス内容なのか」「どんな内容の企画なのか」
- Where(どこで)「どこの市場に参入するのか」「どこで実施するのか」
- When(いつ)「いつ実施するのか」
- Who(誰が)「誰がその企画を行うのか」
- Whom(誰に対して)「ターゲットは誰なのか」
- How to(どうやって)「どんな方法で実施するのか」
- How much(いくらで)「いくらの資金が必要なのか」
各項目について具体的に検討していくことで、抜け漏れやダブりのない企画書が作成できます。
CTPT
サービスの内容が優れていても、企画書の内容に説得力がないと、企画が採用されないこともあります。企画の内容に厚みを出すためのフレームワークが「CTPT」です。6W2Hはビジネスシーンで汎用的に使用できるフレームワークであるのに対して、CTPTはマーケティングのフレームワークなので、商品やサービスの企画書を作成する際に有効です。
- C(コンセプト)
- T(ターゲット)
- P(プロセス)
- T(ツール)
まずは、C(コンセプト)とT(ターゲット)を設定します。コンセプトとは商品やサービス、ターゲットは顧客を指します。つまり、「どのような特性を持った商品・サービスを、誰に向けて提供をしていくか」を決める工程です。2つの整合性が取れていることが重要で、この2つがマッチしていないと良い企画とは言えません。コンセプトがどれほど良かったとしても、明確なターゲットやニーズが存在しなければ、実現は難しいです。
次に、実現方法を検討するためにP(プロセス)とT(ツール)を設定します。プロセスは設定したターゲットにコンセプトを理解してもらうまでの過程、ツールはそのための方法になります。これは「どのような段取りで、どのような手段で提供していくか」を決めることで企画を実現するためのアクションプランを立てていく作業になります。
企画のCとT(コンセプト・ターゲット)の整合をとり、企画を実現するためのアクションプランとしてPT(プロセス・ツール)を設定します。
いきなりスライド作成に着手しない
企画書を作成するにあたって、いきなりスライド作成に着手しないようにしてください。まずは企画書の構成を十分に検討することが重要です。スライド作成から始めてしまうと、いつの間にか論理が破綻してしまったり、情報の抜け漏れが発覚したりして、修正に多くの時間がかかってしまう危険性があります。
まずは紙やwordファイルなどに、内容を箇条書きで書き出してみましょう。その状態で内容の抜け漏れをチェックし、盛り込む順番などを決めてから、スライド作成に着手するようにしてください。
伝わりやすいデザインを心がける
図など視覚で伝える要素の大きいパワーポイントで企画書を作成する場合には、伝わりやすいデザインであることは非常に重要です。人間の第一印象は「視覚」による影響が5割以上とも言われています。読みやすいフォント、色の選び方、レイアウトのルールなど、パワーポイントで企画書を作る際に最適なデザインになるように心がけてください。
企画書の構成例
企画書のオーソドックスな構成例について具体的に紹介します。今回は「社外向けに、パワーポイントで作る数ページの企画書」を例に解説をします。
表紙
「表紙」には、企画書のタイトル、作成者名、提出先の宛名、提出日など必要な情報を明記します。特にタイトルは、企画書を読む際に、真っ先に目に入る部分です。企画の内容を端的かつ魅力的に伝えられるタイトルを心がけてください。またデザインについては、与えたい企画のイメージを表現できると良いでしょう。
現状の分析・企画背景
「現状の分析・企画背景」は、企画を実行する必要性を裏付けるためのスライドです。現状の問題点、市場の動向といった外部環境、社内のリソースといった内部環境など、具体的なデータや調査を用いて、裏付けるようにしてください。
目的とゴール
「目的とゴール」では、企画を通じて目指す姿を示します。現状分析で示した課題を解決した最終的なゴールとして、どのような状態を目指すかをわかりやすく記述してください。
企画のコンセプト
「企画のコンセプト」は、企画の概要を提示するスライドです。このスライドを読むだけで企画の概要が伝わるようにしてください。先ほどのフレームワークで言うと、6W2H のWhomやWhat、CTPTのコンセプトやターゲットを記載しましょう。
企画を実施するメリット
企画を実行した暁に読み手が得られるメリットを具体的に記載します。読み手がメリットと必要なリソースとを比べて、費用対効果が十分にあると判断すれば企画が通る可能性が高まります。
アクションプラン
「アクションプラン」では、前述の「企画コンセプト」を実行するにあたっての具体的な実行プランを示してください。「実現可能なプランであること」と、「臨機応変に対応できるプランであること」の2点を意識すると良いでしょう。
スケジュール
「スケジュール」では、企画を実行するにあたり、どのくらいの期間をかけて、誰が何を実行するのかを示してください。あまりにもタイトなスケジュールだと、実現可能性が低いとみなされます。社内外の環境要因やトラブルなど、スケジュールに影響を与える変数を考慮して、余裕を持ったスケジュールを組むようにしてください。
収支計画
「収支の計画」は、企画を実行するにあたって必要な費用と、費用を回収できる想定時期とその額を示します。総額で示すのではなく、実行のステップごとなどに分割して示すと良いでしょう。
運営体制
企画の運営に必要となる人員体制を記載します。イベントの企画書の場合は開催当日の人員だけではなく、準備に関わる人員と配置についても詳細に記載するとよいでしょう。ヒト・モノ・カネのリソースがどの程度必要かが具体的に記載されていると、実行可能性を判断しやすくなります。
想定されるリスク
「想定されるリスク」は、企画を実行するために起こりうるリスクや、解決しなければならない問題などを示すスライドです。マイナス要素に思われるかもしれませんが、想定されるリスクへの対応策が明確に示されていれば、信頼性を高めることができます。
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