1分間のスピーチに適切な文字数は?本番でスムーズに話すためのポイント5つ
1分間のスピーチでの最適な文字数や話し方、スピードについて解説します。
時間内に多くの情報を伝えようとして、つい早口になっていませんか?
多くの情報を伝えても聞き手が理解できていなければ意味がありません。本記事ではスピーチの際に、1分間で話すべき最適な文字数や話し方、スムーズに話すためのポイントについて解説します。
スピーチの適切な文字数とは
1分間に300文字が目安
朝礼やプレゼンテーションなどでのスピーチにおいて、聞き手が理解しやすいペースは、「1分間に300文字」と言われています。
伝えることのプロであるアナウンサーも、1分間に300文字を目安に原稿を読むトレーニングをしているそうです。一つの目安として、この文字数を覚えておくとよいでしょう。
実際に300文字で1分間のプレゼンテーションの練習をしてみると、ゆっくりに感じるかもしれません。
しかし一人で練習して話すことと、聞き手がいる場で話すことは異なります。聞き手がいる場でプレゼンテーションをする時には、抑揚をつけて話したり、間を入れて話したりすることが重要です。
また本番では、緊張して話す内容を忘れてしまうことや、聞き手と対話する時間が発生することも想定されます。
練習で時間が余ったからといって、追加で文字数を増やすことはできるだけ避けてください。
300文字よりもやや少なめの文字数で準備をしておくことで、本番でも気持ちの余裕が生まれますし、聞き手の反応を確認しながらスピーチすることができます。
3分なら800文字、5分なら1300文字
3分間や5分間という制限時間も、プレゼンテーションやスピーチの場面では、比較的メジャーな設定です。
3分間スピーチの場合は、800文字数が目安になります。5分なら1300文字前後が目安です。
なぜ1分間の目安である300文字の3倍や5倍の時間ではないのでしょうか?
1分間プレゼンテーションと同様に、本番で緊張してトラブルが発生してしまったり、聞き手とのコミュニケーションをとったりする時間も考慮しておく必要があります。
むしろ持ち時間が長くなるにつれて、情報量も多くなり、トピックの移り変わりやスライド間のつなぎの説明をする時間が増えていきます。
したがって、持ち時間が長くなればなるほど、1分間300文字ペースよりも文字数は少なめに準備をしておくと良いでしょう。
本番でスムーズに話すためのポイント5つ
①与えられた時間から話す内容を決める
制限時間がある場合は、与えられた時間を大前提とした上で話す内容を決めてください。
時間を考慮せずに内容を先に考え、その後に持ち時間に合わせて文字数を調節しようとすると、調整に一層時間がかかります。また、話の流れが不自然になってしまうこともあります。
ただし、持ち時間ありきで文字数を厳密に守ろうとして、内容が不十分となるのは本末転倒です。メインの内容を伝える時間を決めてから、残りの時間で補足内容をどこまで盛り込んでいくかを考えるという流れで検討すると良いでしょう。
時間を算出する際には、質疑応答の時間も忘れてはいけません。
質疑応答の時間を確保した上で、話すための持ち時間を計算するようにしてください。
②読み上げ用の原稿を作成し文字数を数える
読み上げ用の文章をすべて記載した原稿を作成し、ワードなどで文字数をカウントしておくこともおすすめです。
読み上げるための原稿を作るのは、本番で棒読みをしてしまうおそれもあるため、必ずしも望ましくはありません。しかし、スピーチに慣れていない人の場合は、文字数のイメージをつかむことも重要です。
初心者の人は、本番の内容に合わせて文字数のカウントを練習の早い段階で行うようにしてください。読み上げ原稿を基にあらかじめ内容を精査しておけば、後々時間調整にかかる負担を低減することができるでしょう。
③1文が45文字程度になるよう調整する
スピーチ全体での文字数に注意することに加えて、1文ごとの長さにも気を配ってください。1文はだいたい45文字を目安にすると良いでしょう。
1文が長すぎると内容が分かりにくく、聞き手にストレスがかかりかねません。45文字を超える長文を読み上げると、聞き手は脳内で情報を処理しきれなくなってしまいます。
一方、1文が短すぎてブツ切れになる場合も、聞き手に稚拙な印象を与えてしまいます。
文章の長さを調整する際は、「1文に読点が2つまで」を目安にすると良いでしょう。
1文に3つ以上の読点が必要となる場合は、文章を途中で区切るようにしてください。
逆に1文に読点が1つ以下の場合は、前後の文章とつないで、適切な長さの1文を作ることを意識してください。
④1つのトピックが2分程度になるよう調整する
構成のポイントとしては、1つのトピックが2分程度になることを意識してください。
この方法は、テレビやラジオ番組の制作現場でも使われており、人間が自然に理解しやすい時間と言われています。
2分でトピックを一区切りさせることで、聞き手は話のまとまりを理解しやすくなります。
また2分という時間がちょうど聞き手の興味を維持することにも繋がります。2分以上にわたって同じトピックについて話してしまうと、聞き手は徐々にそのトピックに飽きてしまいます。
⑤何回も練習する
原稿が出来上がったら、声に出して何度も練習してください。
想定していた時間内に話すことができるかどうかをチェックしていきます。
声に出すことで、時間の調整だけでなく、話しにくい部分や論理構成が不自然な箇所に気が付くことができます。気が付いた内容をもとに、原稿に修正を加えてブラッシュアップをしてください。
徐々に練習に慣れてきたら、本番の環境を想定した状態で練習を重ねましょう。
プレゼンテーションでスライドを使用する場合は、一緒に操作も行ってみてください。
練習を録画して、自分のスピーチを客観的に見る方法もおすすめです。第三者視点で、話すスピードや口調に違和感がないかをチェックすることができます。
また、表情・視線・声の大きさ・姿勢は適切か、スライドを送るタイミングは適切か、という動きのチェックも重要です。
「えー」、「あー」など、いわゆる「言葉のひげ」と呼ばれる口癖が出ていないか、などもチェックしてください。
このような無意味な言葉を減らしていくことで無駄な時間が減り、流ちょうなスピーチになります。
自分のスピーチを見るのは恥ずかしいかもしれませんが、自分では気付いていなかった癖が見つかることもあるので、ぜひ録画チェックは行ってみてください。
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