資料作成を始める前に必ずすべき3つのこと|読み手・狙い・理由の明確化【プロの伝わる資料作成術】

商談や提出時期が迫っているからといって、いきなりパワーポイントを開いて資料作成を始める行為には注意が必要です。資料作成を始める前に、読み手・狙い・理由の3点を明確にしましょう。一見遠回りに思えるかもしれませんが、業務効率と資料の品質を高めるために非常に有効です。今日から取り入れられるものなので、ぜひご一読ください。
今回は企画構成編として、パワーポイント資料の構成検討におけるポイントを解説していきます。
パワーポイント資料の作成において、最も大きな差が付くのがこの企画構成です。
企画構成スキルのレベルが、資料の質やスピードの大部分を決めると言っても過言ではありません。そして、その企画構成スキルは資料作成の経験の中で少しずつ培われていくものであり、簡単に習得できるものではありません。
そのため、ここでは習得のスピードを速めることに主眼を置き、表層的なテクニック論ではなく基礎的な内容を中心に展開していきます。
一足飛びに上達することが難しい分、上達した際には大きなスキルの差を実感することができます。構成スキルを高めることができれば、資料作成業務の生産性は飛躍的に上がります。
前回からはやや難易度が上がりますが、資料作成のプロのノウハウから本質を掴み、ぜひ企画構成スキルの習得に努めてみてください。
まずは、資料作成業務の指針となる位置付けの設定についてです。
作成するパワーポイント資料の位置付けとして、最初に以下の3つを明確にすることを習慣付けてください。
1.読み手を明確にする
パワーポイント資料を作成し始める前に、必ず読み手を明確にしてください。
読み手はどのような立場にあるのか、どのような権限を持っているのか、どのような性格でどのようなプレゼンを好むのか、何をすでに知っていて、何に関心を持っているのか。
読み手によって、伝えるべき内容やその伝え方は異なります。
読み手を明確にし、資料作成に関わる全員が共通認識を持って対応することを徹底してください。
2.読み手にどうなって欲しいか(狙い)を明確にする
読み手への単なる情報共有か、読み手に意思決定を求めるのか、こちらで用意した結論を承諾して欲しいのか、その違いによってパワーポイント資料の作り方は変わります。
プレゼンした結果、読み手に何をして欲しいのか、どうなっていて欲しいのかといった狙いを予め定めておくことが非常に大切です。
読み手と狙いが明確になれば、伝えるべき内容や伝え方の設計指針は自ずと固まります。
資料作成の途中で狙いを見失うことがないよう、当初に書き出して共有しておくことをおすすめします。
3.その狙いを掲げる理由を明確にする
狙いを明確にすると同時に、その狙いである理由も共通認識として明確にしておいてください。
パワーポイント資料の作成の過程では何度もこの位置付けの確認を行うことになりますが、狙いを狙いとした理由まで立ち戻ることができると、指針のブレや手戻りを確実に防ぐことができます。
誰に向けて、どのような狙いで資料を作成するのか、それはなぜか。
この位置付けを後で変えるようなことがあってはなりません。時間をかけてでも、最初にしっかり詰め切ることが重要です。
【企画構成編】
▶パワーポイント資料の論理構成
▶パワーポイント資料の構成例
▶「主張」に対する「理由」の用意
▶「結論」の配置