IPOにおけるロードショーマテリアルとは?記載すべきことや注意点を解説

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IPOにおけるロードショーマテリアルとは?記載すべきことや注意点を解説

IPO(新規株式公開)を目指す企業にとって、ロードショーマテリアルの作成は避けては通れない重要な課題です。機関投資家に向けて企業の価値や成長性を効果的に伝えるためには、魅力的なロードショーマテリアルを作成しなくてはなりません。
しかし、経営企画部の実務担当者にとって「何を記載すべきか」「どのような点に注意を払うべきか」は悩ましい問題です。
本記事では、1000社以上の資料制作を手がける弊社ストリームラインが、ロードショーマテリアルの基本的な概要から記載すべき内容まで、詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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ロードショーマテリアルとは?概要を解説

ロードショーマテリアルについて理解を深めるために、以下の3つの観点を詳しく見ていきましょう。

  • IPOのロードショーとは
  • ロードショーマテリアルはロードショーにおける補助資料
  • ロードショーマテリアルと成長可能性に関する事項との違い

● IPOのロードショーとは

IPOのロードショーは、上場を承認された企業が機関投資家に向けて開催する会社説明会です。ロードショーは、新規株式公開を目指す企業にとって、重要な資金調達の機会といえます。

この説明会は通常、2週間程度の期間で20社から50社の機関投資家を訪問するのが一般的です。それぞれの訪問では、1時間程度の面談時間が設けられ、企業の説明と投資家からの質疑応答が行われます。

機関投資家からのフィードバックは、公開価格の決定に大きな影響を与えることもあるため、ロードショーを通じて企業の魅力を伝えきることが大切です。

● ロードショーマテリアルはロードショーにおける補助資料

ロードショーマテリアルは、機関投資家への効果的なプレゼンテーションの補助資料にあたります。会社の基本情報から将来の成長戦略まで、投資判断に必要な情報を簡潔にまとめた資料です。

ロードショーマテリアルの内容は、金融商品取引法にのっとり、目論見書の情報に基づいて作成する必要があります。

目論見書とは
有価証券の募集あるいは売出しにあたって、その取得の申込を勧誘する際等に投資家に交付する
文書引用:野村証券

目論見書の内容から逸脱しないようロードショーマテリアルを作成するのは、機関投資家と一般投資家との間で情報格差が生じないようにするためです。ロードショーは、機関投資家向けの会社説明会であるため、一般投資家はロードショーマテリアルを目にする機会はありません。

投資判断に関する情報は、公平性を保たなくてはいけないというルール(フェアディスクロージャー・ルール)を守ってロードショーマテリアルを作成しましょう。

● ロードショーマテリアルと成長可能性に関する事項の違い

ロードショーマテリアルは、機関投資家を対象とした専門的な資料です。一方、成長可能性に関する事項は、一般投資家向けの詳細な説明資料として位置づけられます。

両者における細かな違いは以下のとおりです。

ロードショーマテリアル成長可能性に関する事項
目的機関投資家向けプレゼンテーション資料企業の成長可能性を示す包括的な情報提供
対象機関投資家のみ機関投資家と一般投資家
制限目論見書の内容を逸脱しない内容に関する規制は少ない
公開範囲機関投資家に限定して公開一般に公開

両者は、取り上げる項目に大きな差はないものの、目的や対象・公開範囲に差があります。なお、ロードショーマテリアルを作成する際は、成長可能性に関する事項の内容をベースとするのが一般的です。

成長可能性に関する事項については、以下の記事を参考にしてみてください。

▼関連記事
事業計画及び成長可能性に関する事項とは?作り方やデザインのコツについて解説

ロードショーマテリアルに記載すべきこと

ロードショーマテリアルの作成において、記載すべき重要な要素は以下の5つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

  1. 1. 企業の概要
  2. 2. 市場の動向
  3. 3. 自社の事業内容
  4. 4. 自社の強み
  5. 5. 成長戦略

ロードショーマテリアルを作成する際は、目論見書の範囲を逸脱しないようにする点だけ注意が必要です。

1. 企業の概要

企業概要は、会社名や所在地・代表者名といった基本情報を明記します。設立年月日や資本金・従業員数などの企業規模を示す情報は、会社の安定性や信頼性を示す指標として重要です。

2. 市場の動向

対象市場の規模や成長率を示すデータを、信頼できる市場調査レポートから引用して提示します。市場におけるプレイヤーのポジショニングマップを作成し、自社の立ち位置と差別化要因を明確化するとわかりやすくなります。

また、業界を取り巻く環境変化や技術革新などのトレンドを分析し、市場の将来性を具体的に説明するのも効果的です。競合他社との比較分析を通じて、自社の強みと市場シェア拡大の可能性をアピールしましょう。

3. 自社の事業内容

事業の内容や収益構造についても、ロードショーマテリアルのなかで説明します。主力製品・サービスがどのように売上・利益に貢献しているかを専門的な用語は避け、わかりやすく解説します。

顧客のニーズがどれくらいあるのかについても、客観的なデータを踏まえて紹介し、事業の妥当性をアピールしましょう。また、複数事業を展開する場合は、各事業における予想される利益を構成比で表現すると、投資家に事業の重みが伝わりやすくなります。

4. 自社の強み

企業価値の根幹となる競争優位性を、具体的な数値やデータを用いて表現することが重要です。特許取得数研究開発費など、技術力を裏付ける客観的な指標を示す必要があります。

顧客満足度調査の結果や、リピート率などの実績を通じて、市場での評価を明確に示すのも効果的です。業界特有の専門性や、長年の取引で築いた信頼関係など、定性的な強みも具体例を交えてアピールしましょう。

5. 成長戦略

市場分析に基づく中長期的な成長ビジョンを、具体的な数値目標とともに提示します。新規事業の展開計画や、既存事業の収益性を高めるための施策など、成長のための具体的な取り組みを説明しましょう。

また、研究開発投資計画や設備投資の予定など、成長を支える具体的な投資戦略を示すのも効果的です。

なお、弊社ストリームラインでは、資料制作のご依頼を承っています。IR資料の作成についてお困りの方は資料作成のワンストップ代行サービス「LEAD」までお気軽にご相談ください。

ロードショーマテリアルに関して押さえるべきポイント

効果的なロードショーマテリアルを作成するには、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。

  1. 1. 弁護士や証券会社に内容を確認してもらう
  2. 2. 想定される質問と回答を準備する
  3. 3. 情報漏洩に注意する

それぞれ詳しく解説します。

1. 弁護士や証券会社に内容を確認してもらう

ロードショーマテリアルを作成したら、専門家によるレビューを受けましょう。金融商取引法に違反しないように、目論見書に記載されている内容との整合性を細かく確認し、情報の正確性を担保する必要があるためです。

また、業績予想や将来の見通しに関する記述は、誤解を招かないよう慎重な表現が求められます。公開前に弁護士や証券会社にチェックしてもらい、万全な体制でロードショーに挑みましょう。

2. 想定される質問と回答を準備する

プレゼンテーションのなかで、頻出するであろう質問項目をリストアップして回答を準備します。事業モデルの収益性や市場シェア拡大の具体策など、踏み込んだ質問への対応を想定すると良いでしょう。

競合他社との比較や業界特有のリスク要因など、投資判断に関わる質問にも備えておきます。また、数値の根拠となる具体的なデータを整理し、詳細な説明ができるよう準備します。

3. 情報漏洩に注意する

ロードショーマテリアルは、厳格な情報管理体制のもと運用する必要があります。資料へのアクセス権限は、上場準備プロジェクトの主要なメンバーに限定して付与しましょう。末端のメンバーにも共有権限を与えると、情報の管理が行き届かなくなり流出する確率が高くなるためです。

オフラインでロードショーを開催する場合は、配布したロードショーマテリアルを回収しなくてはいけません。オンラインの場合は、ダウンロードや印刷をされないように、ロードショー専用のアプリケーションを用いる場合もあります。

ロードショーを開催する際は、情報が不用意に漏れないよう細心の注意を払いましょう。

ロードショーマテリアルを作る際は専門家の力を借りよう

効果的なロードショーマテリアルの作成には、専門家のサポートを活用することが成功への近道です。

法的な観点からも、弁護士による内容確認を経ることで、安全性の高い情報開示が実現できます。また、デザインや構成面では、IR資料作成の専門家に依頼することで、時間を短縮するだけでなく完成度の高い資料を手に入れられます。

なお、弊社ストリームラインでは、資料制作のご依頼を承っています。IR資料の作成についてお困りの方は資料作成のワンストップ代行サービス「LEAD」までお気軽にご相談ください。

資料作成代行サービスを提供するストリームラインが、自社のノウハウである資料作成術やパワーポイントの操作テクニックをご紹介します。

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