ギークスの優れた決算説明会資料をポイント解説!

主に株主や投資家に向けて決算情報を報告するために作成される決算説明会資料。スライド形式で公開されることが多いため、各企業の特徴や工夫が顕著に現れます。

今回は、ITフリーランス関連の事業を展開するギークス株式会社の2021年3月期 通期決算及び中期経営計画説明資料を取り上げ、デザインや構成の観点から参考になるポイントを解説します。
出典:ギークス株式会社 2021年3月期 通期決算及び中期経営計画説明資料

なお、以下の記事ではギークスに加えて9つの決算説明会資料を紹介しています。こちらもぜひ参考にしてください。

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公開日 2021年8月27日 最終更新日 2021年8月27日

デザインの特徴

今回取り上げる決算説明会資料は、49ページの「本編」と10ページの「Appendix(補足資料)」で構成されています。まずは、デザインの特徴を以下の5つの要素に沿って解説します。


フォント
グラフ
レイアウト
画像素材

基本色は黒、白、グレーの3色に絞られており、中でも黒の使用面積が比較的広いため、引き締まった印象があります。

ページ間で文字色と背景色を反転させることにより、メリハリが強く出ています。たとえば、P41では文字色は黒で背景色は白ですが、P26やP45の一部の要素では文字色は白で背景色は黒が使われています。強調箇所では文字色を白にし、背景色に濃い色を用いることで、自然と読み手の注目を引くことができます。

フォント

ジャンプ率が高い点も大きな特徴です。ジャンプ率とは、見出しと本文など、要素間のフォントサイズ比率を指します。一般的に、ジャンプ率が高いほど強調箇所が明確になります。P9のように数字を大きくして単位を小さくすることも読みやすさを向上させます。

ページタイトルに英語タイトルを使用しているためおしゃれな雰囲気が出ています。一方で、下の日本語タイトルが小さいため、やや可読性が損なわれる恐れがあります。

グラフ

データラベルや軸、凡例などのフォントサイズがやや小さめです。プレゼンテーション用資料としてスクリーンに映す場合には数字が読み取れなくなる可能性があるため、一般的にはこれらは大きめの表示が望ましいです。しかし、この資料では右側に重要な数値が並べられているため、データラベルなどが小さい点を補完できています。

レイアウト

全体的に余白は広めで動きのあるレイアウトとなっています。動きのあるレイアウトはスタイリッシュな印象を与えることができますが、使いすぎると可読性を損なう可能性があるため注意が必要です。リード文の位置やフォントサイズもなるべく揃えると、より一層読みやすくなるでしょう。

画像素材

アイコン素材は黒を基調としたシンプルなデザインで、コーポレートロゴとの統一感もあります。過度な装飾を控えた全体の設計にもマッチしています。

構成の特徴

次に、構成面で特に優れているポイントを4点解説します。

テキスト量が抑えられており読みやすい
簡潔かつ説得力のある解説が将来への期待を高めている
共通のフォーマットや一貫した事業分類が理解を促している
独自の情報整理で自社の独自性をアピールしている

テキスト量が抑えられており読みやすい

全体的にテキスト量が抑えられており、読み手が短時間で理解できる配慮がなされています。図解やグラフにより的確に情報が整理されている点も、テキスト量を抑えるポイントです。

リード文も端的に記されており、各スライドで伝えたいメッセージが明確に打ち出されています。表やグラフの項目数が多いスライドもありますが、文章が最短の言葉で表現されているため、煩雑にならずに読みやすくまとまっています。

また、資料冒頭のP7では、ギークスの強みである「成長・安定性を高めるポートフォリオ経営」が図で表現されています。図を効果的に用いることで、テキスト量を抑えてビジュアルとして端的にメッセージを伝えることができています。

全社戦略も同様に、3層の面グラフで示されており明解です。

簡潔かつ説得力のある解説が将来への期待を高めている

2022年3月期より新たな収益認識基準を適用するため、これによる業績への影響を丁寧に説明しています。まず、P24で計上方法の違いを図式化し、P25では適用初年度の影響をグラフで示しています。

さらに、P26でプラス面・マイナス面の両面を述べて総括しています。新たな基準を設ける際に、影響やビフォーアフターの差異の説明が不十分だと、株主や投資家に不安を与えます。このように明解に示すことができれば、そうした不安も軽減されることでしょう。

中期経営計画の「G100」について解説する章では、重点ポイントが1ページにまとめられています(P28)。端的な整理により、瞬時に中期経営計画の骨格を掴むことができます。

次のページでは創業期からの成長の軌跡が示されており、過去から未来に向かう中での現中期経営計画の位置付けをはっきりと読み取ることができます。計画の位置づけを明示することは、投資家の期待を醸成するうえでも重要なポイントです。

P35では、諸外国と日本の人口に占めるIT技術者の割合の差と、諸外国と日本の市場ポテンシャルの差を並べることで、いかにポテンシャルがあるかを説得力をもって示しています。

共通のフォーマットや一貫した事業分類が理解を促している

表やグラフを同じデザインで並べたり、ページ間で要素やレイアウト(フォーマット)を統一したりすることは、読み手の理解を促すうえでとても重要です。

たとえばP18では、バランスシートとキャッシュフローの表がページの左右に配置されているため、これらの関連性が読み取りやすいです。

P9の業績報告とP21の業績予想は、フォーマットが統一されているため連動した読み取りができます。

また、共通の項目に沿って情報を提示することも、理解を促すポイントです。この資料では冒頭のP7に示される4事業の分類が、その後のページにも反映されているため、事業ごとの業績やトピックを容易に読み取ることができます。

このように、表やグラフにも同じ分類を反映すると、どの事業が特に伸びているかも一目でわかります。

独自の情報整理で字自社の独自性をアピールしている

Appendixの「成長源泉」や「ITフリーランスとのつながり」、「類似ビジネスとの違い」では、独自の整理の仕方で自社の独自性を的確に表しています。

Appendixの位置づけにすることで、既存株主など事業を熟知している読み手に配慮しつつも、初見の人にも自社の独自性や強みをしっかりと伝えることができています。様々な層の投資家に対応できている構成です。

まとめ

今回は、ギークス株式会社の2021年3月期通期決算及び中期経営計画説明資料を例に、読みやすい決算説明会資料を作るうえでのポイントを解説しました。

デザインは、黒と白やグレーの反転を効果的に使用し、色数を抑えつつもインパクトのある設計が特徴です。また、動きのあるレイアウトや英語タイトルなどで全体的にスタイリッシュな印象を与えています。一方で、どちらも使いすぎると可読性を下げる恐れがあるため注意が必要です。

構成は、テキスト量が最小限にまとめられており、豊富な図解やフォーマット、分類の共通化により瞬時に内容を理解できる点がポイントです。さらに、Appendixで自社の独自性を示すことで、前提知識のレベルが異なる読み手に配慮が行き届いた資料となっています。

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