文章推敲のチェックポイント【作成編①】文章を短くする3つの方法

今回は、文章を推敲する際のチェックポイントのご紹介です。自分の文章ならまだしも、他人の文章を推敲する作業は時間を要します。文章推敲を行う際には、正確性やスピードの向上を図るために、あらかじめチェックポイントを明確にしておくことをおすすめします。
最初は「文章を短くする」際のチェックポイントです。ビジネス用途のパワーポイント資料では、一文一文が長いと意味が理解しにくいため、多くの場合において短い文章が好まれます。不要な単語をそぎ落とし、簡潔な文章を目指してください。
1.一文一義になっているか
ビジネス資料では一文一義が原則です。
一つの文章に情報がたくさん詰め込まれていると、読み手の理解度が低下するためです。
情報のかたまりが一つできている場合は、一旦句点(。)で区切れないか検討してください。
<悪い例>
・今回購入したのは「ラジオ」と「懐中電灯」で、ラジオは被災時の情報収集に使用し、懐中電灯は被災で停電になった時に照明として使用しますが、購入した懐中電灯は乾電池を使わずに長時間使用できるので、とても重宝しています。
<良い例>
・今回購入したのは「ラジオ」と「懐中電灯」です。ラジオは被災時の情報収集に使用します。一方の懐中電灯は被災で停電になった時に照明として使用します。乾電池を使わずに長時間使用できるので、とても重宝しています。
いかがでしょうか。文章を短くすることで、理解のしやすさは大きく変わります。
読点(、)の数に注目し、一文の中の読点の数を最小化するアプローチも有効です。
文章が長いと感じた時、まずは「一文一義」にできないかをチェックしてみてください。
2.表現が重複していないか
一つの文章や一つの段落の中で、同じ表現が重複して使われていることがよくあります。
ビジネス資料においては、特別な狙いがない限り、同じ表現を繰り返す冗長な文章は有害と言えます。
片方がなくても意味が通じる場合は、削除するようにしてください。
<悪い例>
・その評価は悪い評価ではない。
<良い例>
・その評価は悪くはない。
また、文章を短くする観点ではありませんが、同じ表現が繰り返されている文章は稚拙な印象を与えます。
<悪い例>
・週末のライブは楽しかった。なぜなら、大好きなバンドの壮大な演奏を楽しむことができたからだ。
<良い例>
・週末のライブは楽しかった。なぜなら、大好きなバンドの壮大な演奏を味わえたからだ。
多くの場合、資料の作り手は伝えたい情報を絞り込めていません。情報を捨てることができず、あれもこれもと情報を詰め込んでしまう傾向があります。
しかし、重要な情報を読み手に確実に伝えるためには、文章はシンプルでなければなりません。
重複している表現は、削るべき情報の最有力候補です。必ずチェックしてください。
3.なくても意味が通る接続詞や無関係・無意味・過剰な単語がないか
3点目はなくても意味が通る単語がないかのチェックです。
特に、接続詞や修飾語、代名詞は不要なものが散見されます。
<悪い例>
・パンダースというサッカーチームは、平均年齢35.5歳の仙台のサッカーチーム。そしてパンダースのメンバーは、とても陽気なパパたちで構成されている。しかも現役のプロサッカー選手がキャプテンを務めている。
<良い例>
・パンダースは平均年齢35.5歳の仙台のサッカーチーム。メンバーは陽気なパパたちで構成されており、現役のプロサッカー選手がキャプテンを務めている。
「基本的に」「ある意味」「逆に」「のほう」なども、多くの場合はなくても意味が通ります。
また、「~という」「~ということ」「~とするもの」も多くの場合不要です。
良い資料を作成するためには、意味を通す上でどの単語が必要でどの単語が不要なのかをチェックする目が求められます。
次回の記事では、引き続き文章を遂行する際のポイント「正しい文法にする」ついてご紹介します。
▶文章推敲のチェックポイント【作成編②】正しい文法にする3つの視点