パワーポイントで表を作成する方法!デザインのコツ・参考になる好事例も紹介
資料の具体性や説得力を高めるためには、データ(数値情報)が欠かせません。数値情報だけでなく、項目をリスト化する場合にも表が活躍します。今回はパワーポイントでの表の作り方やデザインのコツ、優良事例を紹介します。
パワーポイントに表を挿入する方法
パワーポイントに表を挿入する方法は4通りあります。
マス目で指定する方法
クリック&ドラッグでマス目を指定することによって、表を作成することが可能です。
リボンの「挿入」タブから「表」→「任意の列と行数」の順にクリックします。次に、マス目上でマウスをドラッグしながら表の大きさを選択し、クリックすると指定の行列数の表が作成されます。8行×10列の表まではこの方法で作成可能です。
行と列数を数値で指定する方法
数値を指定することによって表の作成も可能です。この方法では8行×10列以上の表を作成することができます。
リボンの「挿入」タブから「表」→「表の挿入」の順にクリックします。ダイアログボックスが表示されるので、行数と列数の欄に数値を設定し「挿入」をクリックすると指定の大きさの表が作成されます。
プレースホルダーに挿入する方法
図表用のプレースホルダーに挿入することによって表を作成することも可能です。プレースホルダーとは、パワーポイントに図表やテキストなどを挿入するために使われるボックスです。標準画面では、点線のボックスで表示されます。なお、この記事において、「テキスト」とは文字と数値を包括したものとします。
プレースホルダーに似ている機能として「テキストボックス」があります。テキストボックスは、テキストを入力するためのものであるのに対し、プレースホルダーはテキスト以外の図や表にも対応しています。
「ホーム」タブの「レイアウト」から表のプレースホルダーがあるスライドを追加します。
次に、プレースホルダー内にある「表の挿入」をクリックします。これによって数値を入力するウィンドウが表示されるので、行数と列数の欄に数値を設定し「挿入」をクリックします。
罫線を引いて表を作成する方法
スライド上に罫線を引いて表を作成することも可能です。この方法は自由度が高いので、不規則な形状の表を作成する際に便利です。
リボンの「挿入」タブから「表」→「罫線を引く」の順にクリックします。これによって、カーソルが鉛筆マークに切り替わります。
次に、スライド上でドラッグして表の枠の範囲を指定します。この時選択された箇所は、点線で表示されます。
作成された枠をクリックし、表のツール「デザイン」タブより、「罫線を引く」をクリックします。再度カーソルが鉛筆に変わるので、選択範囲内で縦または横に向かってドラッグしながら線を引くことによって罫線を設定します。
パワーポイントで表を編集する方法
行・列の追加方法
行や列を追加したい箇所にカーソルを合わせます。リボンの「レイアウト」タブから「行と列」を参照し、「上に行を挿入」「下に行を挿入」「左に列を挿入」「右に列を挿入」の中から必要な操作を選びクリックします。
行・列・表の削除方法
削除したい行もしくは列にカーソルを合わせます(その行・列に所属するセルでもOK)。次に、リボンの「レイアウト」タブから「行と列」を参照し「削除」をクリックします。最後に、削除する範囲として行・列のいずれかを選びクリックして、削除は完了です。そのほか、削除したい行もしくは列を選択して「Backspace」キーを押すことでも削除できます。
この方法で表全体を削除することも可能です。同じくリボンの「レイアウト」タブ→「行と列」→「削除」→「表の削除」、もしくは表全体を選択して「Backspace」キーで削除されます。
セルの幅や高さを編集する方法
セルの幅を調整するためには、幅を変更したいセルの境界線にカーソルを合わせ、左右にドラッグします。
また別の方法として、セルにカーソルを合わせた上で、「表ツール」から「レイアウト」タブを開き、「セルのサイズ」で幅をセンチメートル単位で指定することも可能です。
セルの余白を編集する方法
セルの余白を調整するためにはまず、リボンの「表ツール」 から「レイアウト」→「配置」→「セルの余白」の順にクリックします。プルダウンメニューから「標準」「なし」「狭い」「広い」「ユーザー設定の余白」のいずれかを選びクリックします。
表のサイズやフォントの種類、テキストのサイズなどによって見やすさが変わってくるので、「ユーザー設定の余白」で余白を調整することが望ましいです。
セル内のテキストの位置を変更する方法
左右の配置を変更するためには、まずテキストの入力されたセルを選択します。次に、リボンの「ホーム」タブの「段落」を参照し、「右揃え」「中央揃え」「左揃え」の中から必要な操作を選びクリックします。
上下の配置を変更するためには、テキストの入力されたセルを選択します。次に、リボンの「ホーム」タブから「文字の配置」を参照し、「上揃え」「上下中央揃え」「下揃え」の中から必要な操作を選びクリックします。
表の色を編集する方法
表内のセルの色を変更するためにはまず、変更したい箇所を選択します。次に、リボンの「テーブルデザイン」タブから「塗りつぶし」をクリックし、カラーパレットを開きます。
最後に、カラーパレットから色を選択すると、色の変更は完了です。
また別の方法として、「表ツール」の「デザイン」タブから、表全体のスタイルをテンプレートに合わせて変更・設定することも可能です。ただし、パワーポイントに備え付けのテンプレートは見やすい仕様になっている訳ではないので、テンプレートを用いたスタイル変更は推奨されません。
罫線の編集方法
罫線を挿入または削除するためには、まず該当箇所を選択します。次に、リボンの「テーブル デザイン」タブから「罫線」のプルダウンメニューを表示します。
プルダウンメニュー から任意の罫線を選びクリックします。この手順によって、縦横罫線と斜め罫線を追加することが可能です。
罫線の色や太さを調整するためにはまず、リボンの「テーブルデザイン」タブを開きます。罫線の種類を変えたい場合は「ペンのスタイル」、太さを変えたい場合は「ペンの太さ」、色を変えたい場合は「ペンの色」の設定をそれぞれ変更します。
セルを結合・分割する方法
結合する場合は、該当するセルを選択し、リボンの「レイアウト」タブから「セルの結合」をクリックします。分割場合は、該当するセルを選択し、「レイアウト」タブから「セルの分割」をクリックし、分割数を指定します。
パワーポイントにエクセルの表を貼り付ける方法
ここまでは、パワーポイントで表を作成する方法を解説してきました。ここからは、エクセルで作った表をパワーポイントに貼り付ける方法を紹介します。
エクセルで作成した表をパワーポイントに貼り付ける方法は5通りありますが、利便性の観点から、挿入後にパワーポイント上でも表を編集できる方法が推奨です。
貼り付け先のスタイルを使用する
パワーポイントを開き、リボンの「ホーム」タブから「貼り付け」「貼り付け先のスタイルを使用」の順でクリックします。この方法を用いた場合、パワーポイントに挿入される表にはパワーポイント側の書式・デザインが適用されます。また、挿入された表はパワーポイント上で編集できます。
埋め込み
パワーポイントを開き、リボンの「ホーム」タブから「貼り付け」「埋め込み」の順でクリックします。この方法を用いた場合、パワーポイントのスライド上にエクセルの表がデータとして埋め込まれます。パワーポイントに埋め込まれた表をダブルクリックすることでエクセルが起動し、表の数値の編集が可能となります。
埋め込みで生成されたエクセルの表は、コピー元のエクセルの表とはリンクしていません。そのため、コピー元のエクセルの表が消えたとしても、貼り付け先のパワーポイントの表は消えません。一方で、コピー元のエクセルを更新したとしても、貼り付け先のパワーポイントの表には更新が反映されないので注意が必要です。
元の書式を保持する
パワーポイントを開き、リボンの「ホーム」タブから「貼り付け」「元の書式を保持」の順でクリックします。この方法を用いた場合、挿入した表にはエクセル上の書式・デザインが適用されますが、パワーポイント上で編集することができます。
図として貼り付け
パワーポイントを開き、リボンの「ホーム」タブから「貼り付け」「図として貼り付け」の順でクリックします。この方法を用いた場合、エクセルで作成した表がそのまま図として挿入されます。したがって、パワーポイント上で編集することはできません。
リンク貼り付け
パワーポイントを開き、リボンの「ホーム」タブから「貼り付け」「形式を選択して貼り付け」の順にクリックします。
ダイアログボックスが表示されるので、「リンク貼り付け」にチェックを入れ、「Microsoft Excelワークシート オブジェクト」を選択し、OKボタンをクリックします。
この方法を用いた場合、エクセル上で更新されたデータがパワーポイントの表にも反映されるようになります。さらに、パワーポイント上で表をダブルクリックすると、元のエクセルの表を編集することができます。ただし、リンク元のエクセルファイル、もしくはパワーポイントファイルの保存場所が変更にされると、リンクが切れてしまうので注意が必要です。
ファイルの保存場所を変更した際は以下の方法で再度リンクを設定します。
「ファイル」タブから「情報」をクリックし、右下にある「関連ドキュメント」の「ファイルへのリンクの編集」の順にクリックすると、「リンク」のダイアログボックスが表示されます。
次に、ダイアログボックスから「リンク元の変更」ボタンをクリックすると、ファイルを指定する画面になります。変更先のファイルを指定して、リンクを更新します。
パワーポイントで見やすい表を作るためのデザインのコツ
- 罫線は目立たないようにする
- 罫線・インデントでグルーピングを明らかにする
- タイトル行とデータ行の違いをわかりやすくする
- テキストと罫線間の余白は十分にとる
- テキストの上下・左右の配置は統一する
- セルの幅や高さを統一する
- 要素に強弱をつける
- 共通した記載はまとめる
- 表記に記号を使用する
- 役割分担の表は担当ごとに列を設ける
罫線は目立たないようにする
表の主要な情報は、セルの中に入っているテキスト情報(文字や数値)です。罫線の印象が強いと文字や数値が読み取りづらくなるため、罫線が目立たないよう色や太さを調整しましょう。
具体的には、罫線の色は、白、グレー、なしのいずれかに設定しましょう。太さは原則として0.5pt以上とし、スライドサイズや表のサイズに応じて、太すぎない範囲で設定します。
罫線・インデントでグルーピングを明らかにする
表の項目の関係性に差があるときは、罫線の長さや太さを工夫したり、インデントを活用したりすることで、グルーピングを明らかにすると見やすい表になります。
上の画像の資料では、包含関係(親子構造)にある情報について、親にあたる項目は最も左側に、子にあたる項目はインデントを下げて少し右側に配置しています。また、罫線も子にあたる項目では短くしています。
タイトル行とデータ行の違いをわかりやすくする
タイトル行(データを分類する情報)とデータ行をデザイン上区別することで、それぞれの役割が一目でわかります。
タイトル行(グラフの最左行もしくは最上列)には色をつけ、データ行のセルには白または薄いグレーなど目立たない色をつけると見やすくなります。
テキストと罫線間の余白は十分にとる
セル内に余白を作ることを意識すると、テキストを判別しやすくなります。
表のサイズ、テキストのサイズなどを目視で確認しながら、余白を適切なサイズに調整しましょう。適切な余白のサイズはスライドや表のサイズにも左右されるため、一概には言えません。目安として、一文字分ほど空けることを意識すると良いでしょう。
テキストの上下・左右の配置は統一する
セル内のテキストの配置は、基本的に同一表内では統一しましょう。揃っていると整然とした印象になり、不揃いであると雑然とした印象になります。
上下の配置は「上揃え」か「中央揃え」が基本です。
左右の配置は、文字と数値の場合で異なります。文字の場合は、原則として「左寄せ」か、「中央寄せ」に統一します。数値の場合は桁数を判別しやすくするため、右寄せにすることが推奨されます。
セルの幅や高さを統一する
行列の幅や高さは、原則として統一するようにしましょう。なぜなら、各セル内の情報量が同じ程度にも関わらず複数の幅のセルが存在すると、雑然とした印象になるからです。
左上の悪い例では、同じ情報量にも関わらず、「期間」の行だけ高さが揃っていません。左下の悪い例では、「プランA」の列幅が狭いため、「メールのみ」が1行に収まりきっていません。
このようにセルの高さや幅が不揃いにならないよう、統一する必要があります。上の「セルの幅や高さを編集する方法」で紹介した方法を用いて、セルの幅や高さを整えましょう。
セルの幅もしくは高さを厳密に統一するためには、該当するセルを選択し、リボンの「レイアウト」タブから「幅を揃える」もしくは「高さを揃える」をクリックします。
要素に強弱をつける
目立たせたい内容とそうでない要素にメリハリをつけるようにしましょう。たとえば、目立たせたいだけ色を変える、補足説明の部分はフォントサイズを小さくする、数値を大きくして単位を小さくするなどです。
上記画像のように、目立たせたい要素は枠線を設けたうえで透明度の高い色で塗ると、洗練されたデザインになります。
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共通した記載はまとめる
共通する項目はセルを結合すると見やすくなります。
上記画像のように、表の中に重複した記載がある場合は、該当するセルを結合しひとつにまとめます。違いの有無の見分けにかかる手間を省けるため、読み手の理解がはやくなります。
表記に記号を使用する
表のセル内の表記には、適宜記号を使用することで表が見やすくなります。
上記画像のように、「ON/OFF」の表記を「ON/ – 」に、「良/悪」を「○/×」にするとより見やすくなります。また、財務諸表や決算書では、マイナスの数値情報に「-」ではなく「▲」を使うこともあります。
記号を用いることで視認性が向上し、視覚的に情報を読み手に伝える効果が生まれます。
役割分担の表は担当ごとに列を設ける
作業項目を並べた表を作成する際に、担当者ごとに列を設けると見やすい表になります。
上記画像のように、担当者名は表頭に記載し、中身は記号や色で表現するのがおすすめです。担当者ごとに列を分けることにより、各人の業務範囲や締切が把握しやすくなるので、認識ミスを防ぐことにもつながります。
下に挙げる記事で役割分担表を含むスケジュール表の作り方を詳しく紹介しているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
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